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午前6時13分の君へ

#8


第8章:もういない朝

 翌朝、七瀬はいつもより早く目を覚ました。
 夢の余韻のように、彼の声がまだ耳に残っている。

 「君が前に進めるまで、見届けたかったんだ」

 

 ベッドの中で目を閉じ、胸に手を当てる。
 彼は、七瀬を守るためにあの日、線路に足を踏み出した。

 自分は、守られて生き残った。

 

 その事実は、苦しかった。だけど、悲しみではなかった。

 彼の選んだ“最後”を、ちゃんと受け取ったのだと思えたから。

 

 制服ではなく、私服に着替えて、七瀬はゆっくり駅へと向かった。
 朝の風が頬を撫でる。春の香りがほんの少し混じっていた。

 

 千陽駅、6時13分。

 彼が毎朝現れていた場所に、今日も一歩を踏み出す。

 けれど、今日はもう彼はいなかった。

 

 七瀬は、ホームの端に立って線路を見つめる。

 あの日、自分が落ちかけた場所。
 そして、彼が代わりに踏み出した場所。

 

「わたしは、生きる。あなたが守ってくれたこの日常を、大切に生きる」

 小さく、でも強くつぶやく。

 

 スマートフォンを取り出し、スケジュール帳にそっと予定を打ち込む。

 「4月6日 “君が守った朝”」

 

 保存ボタンを押したあと、画面を閉じる。
 目を上げると、風が吹き抜け、髪が揺れた。

 彼の気配は、どこにもない。
 けれど、ちゃんと心の中に残っている。

 

 電車がホームに滑り込む。
 いつもと同じ車両。いつもと同じ風景。

 

 でも今日は、少しだけ違う。

 

 これは、彼が残してくれた“未来”を生きるための一歩。

 七瀬は静かに電車に乗り込んだ。

 

 彼と過ごした時間は、幻だったのかもしれない。
 だけど、たしかに心に触れた。

 だから、これからは――

 

 「ありがとう」と言える自分でいたい。

 

 電車は、音もなく走り出す。
 過去から、未来へ向かうように。

 

 終章へつづく。

2025/04/20 16:47

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