私立幻想学園の面々は今日も青春を謳歌したいようです。
#1
プロローグ、或いは混沌の始まり
此処は、私立幻想学園。どこかの世界線の人間界にある極東の国の首都、トーキョーシティの外れに位置している。
割と少人数の学校だが、そこは深く気にしてはいけない。
そしてこれは、どこかで見たことのあるような彼らが、なんでも無い日常を送る…ただそれだけの、ごくごく普通の日常譚だ。
「あー、今日も平和っすなぁ…」
渡り廊下にて、長い銀髪を一本に括った青年がぼんやりと呟く。
彼の名は[漢字]楼[/漢字][ふりがな]たかどの[/ふりがな] [漢字]視信[/漢字][ふりがな]しのぶ[/ふりがな]。整った容貌は明らかに日本人離れしているし、なんなら名前はほぼ確実に偽名だが、あまり深く気にしてはいけない。ちなみに、歴史教師である。
しかし。
突然、「銃声のよう」などという表現では生温い程のとんでもない音がして、遠くに見える教室の扉が蹴破られる。
早速だが訂正だ。
どうやら、平和では無かったらしい。
思わず彼が駆け寄ると、そこに立っていたのは焦茶の髪をツンツンと逆立たせた背の低い少年。鋭い赤の三白眼をカッと見開き、声高らかに叫んでいる。
この学校の高等部三年にして生徒会長、[漢字]火威[/漢字][ふりがな]ひおどし[/ふりがな] [漢字]月姫[/漢字][ふりがな]つき[/ふりがな]だ。
「オレの家庭菜園ぶっ壊しやがったヤツ出て来やがれコンニャロォ!!!!」
教室の中にはたった一人、ごくごく平凡な顔の少年がいた。一瞬巨大な音にびくりと体を震わせるも、すっと自然に手を上げる。
「あ、それ俺だ。ごめん。でもルーカスも悪いんだ、だから怒るならあっちを…」
月姫と同じく高等部三年の彼は、顔に見合って名前もごくごく平凡なので、殆どの生徒に「名無し」という(かなりあんまりな)あだ名で呼ばれている。
「よーし分かったぜェ、全員まとめてブッ飛ばァす!!!だから界人ォ!!!離せェ!!!!」
「ちょ、月姫さん!!待ってくれっす!!ちょ…誰かこの人止めてくれ!!!誰かぁ!!!」
そう、実は廊下にはもう一人。廊下を爆走する月姫を止めようとして腕にしがみついたのは良いものの、そのまま引きずられてきた哀れなボロ雑巾…もとい、高等部二年の[漢字]影廼[/漢字][ふりがな]かげの[/ふりがな] [漢字]界人[/漢字][ふりがな]かいと[/ふりがな]。
黒い髪に白のインナーカラー、鋭い黒の三白眼と、どことなくカラスを思わせる出立ちだ。
未だすぐ側に立つ視信の存在に気づかない彼は、手をブンブンと降って引き剥がそうとする月姫に必死にしがみついている。
「はいはぁい、そこまでにして下さいよっと。植え直す方がよっぽど有意義っしょ?」
「あのなァ!!!ソレはソレとして苦労して育ててンだよコッチは!!!!!」
「いや確かにそうですけどねぇ!?」
仲裁を聞いた上でギャイギャイと騒ぎ立てる月姫、大人しく首を垂れる名無し、相変わらず月姫に振り回される界人、思わず頭を抱える視信…そんなカオスな空間に、更なる闖入者が現れた。
「おい何してんだてめぇら!!!うるせぇんだよ!!!エルマさんの声が聞けないだろうが!!!」
「いやそもそも勤務中に家に電話しないでくれますかねぇ!?!?」
鳶色の髪に特徴的な片三つ編み、反対側には赤メッシュ。赤シャツに黒ネクタイの、明らかに反社な格好。
そう。
諸悪の根源、ルーカスである。
ちなみに彼は英語教師だ。
イタリア人なのに。
「出やがったなルーカスこのヤロォ!!!首置いてけェ!!!!」
「あ、おい!!!教師を呼び捨てたぁどういう了見だこのクソが!!!」
「ちょ、月姫さん!!島津みたいになってるっすよ!!!」
ツッコミどころ、絶対そこじゃない…視信と名無しの心の声が一致する。
そのまま二人は目を合わせて、ガッチリと硬い握手を交わした。
その背景では、さながら漫画表現かのような土煙に覆われたまま二人が殴り合っている。なお、界人は脱出し損なったらしい。
「五月蝿い…本が読めないだろ、良い加減にしろ……」
「うーん、どうしたんだろー?」
廊下から二人分の声がする。
しかし、足音は一つ分だ。
代わりにもう一つ、ガラガラという車輪の音がしているのはきっと気のせいだろう、いいや気のせいに違いない…そう思って、目を閉じる視信。
「あ、兄さまいたー!またけんかしてー…」
「おい。態々面倒くさい事に首を突っ込むなよ、あんた馬鹿か?」
「でも、なんとかしないと単くん本読めないでしょ?大丈夫、これでも妹だからねー!」
現れたのは、日の光のような薄黄色の髪の少女…[漢字]火威[/漢字][ふりがな]ひおどし[/ふりがな] [漢字]陽[/漢字][ふりがな]ひなた[/ふりがな]。月姫の一つ下の妹で、高等部二年だ。誰が呼んだかダークマター製造機、致命的な料理の腕の持ち主でもある。
そしてもう一人は…何故か台車に乗っている。どうやらここまで、陽が押して来たらしい。
いつ梳かしたのかも不明なボサボサとした黒の蓬髪に眠たそうな瞳の、大量の本を持った少年。彼の名は[漢字]六波羅[/漢字][ふりがな]りくはら[/ふりがな] [漢字]単[/漢字][ふりがな]ひとえ[/ふりがな]、陽と同じく高等部二年だ。ちなみにここの学生寮にて、界人と同じ部屋で生活している。
「ふっふっふ、新しい薬品が完成しましたよ!さぁて、今回はドナタに使いましょうか…」
「オイコラこの馬鹿!!学園内で訳分からん物を取り出すな!!!」
更に遠い目になる視信。
ふわふわとしたショートカットの銀髪に赤い瞳、校内きってのマッドサイエンティスト…化学担任のブレンダ・アークライトと、癖毛の黒い髪に鋭い金の瞳、校内きっての[漢字]ツッコミ担当[/漢字][ふりがな]スケープゴート[/ふりがな]…中等部三年、エラン・フォーサイスが現れたからだ。
余談だが、彼女らは幼い頃からの付き合いである。「近所に住んでいた」…ただそれだけの理由で昔からブレンダに振り回されていたエランは、この学校でもすっかり苦労人が板についている。
「あ、視信サン!実は新しい疲れ取りなんですが…どうですコレ、一度試してみません?ちょっとした副作用があるかもしれませんケド!」
「いやいやぁ、そーゆーのは僕間に合ってますんでぇ!?!?」
もうやってられるか、こんな学校すぐにでも辞めてやる…そう思いながら視信は全力で逃げ出した。たった今この状況で、この学校におけるエランに次ぐ苦労人は?と聞かれれば、間違いなく彼だろう。
しかし廊下を曲がった途端、誰かにぶつかった。きゅう、と言いながらふっ飛んでいくのは小柄な少女。女生徒か、しまった…そう思い、廊下の向こうを覗く。
「あいた…」
「っと、すみませんねぇ。立てます?」
そう手を差し伸べた視信だが、顔を見た途端固まった。
それは何故か。
少女だと思った相手が…
[漢字]校長[/漢字][ふりがな]や と い ぬ し[/ふりがな]だったから、である。
流れるような銀髪に、深いブルーの目。
神が利き手で…いや、両手で作った最高傑作だと、そう言われても違和感のないような完璧な美貌。幼さの残る顔立ちに小さな背丈と、美人というよりは美少女と言った方がしっくりくるような雰囲気。
彼女の名はアリシア・ヴィント。年齢は不詳、誰も聞いた事がない。一種の不文律のようになっているからだ。
かつて血気盛んなモブ生徒が年齢を聞いた際に問答無用で首を捩じ切ったという、真偽の分からない…いや、「真実であってたまるか!」と思わず言いたくなるような噂まである。
まぁそんな話はさて置いて、とかく謎の多い校長なのだ。
視信が思わず真っ青になるのも、無理もないだろう。
「ごめんね、わたしが前を見なかったから…」
「あぁいえいえ、コレに関しちゃ廊下走ってた僕が悪いんで?んじゃ、失礼しますよ。」
及び腰で後ろに下がる。
廊下を曲がって一直線上には誰もいない事を確認してただただ走る。
だがしかし。
▷逃げられなかった!
「待って下さいよ視信サン!疲れてるんでしょう?ホラ、コレを飲めば疲れなんて消えてなくなっちゃいますよ!!」
「辞めろ飲むな!!おいブレンダ!!今すぐソレをしまえこの享楽主義者が!!!」
「あ、おいこらこのヘラヘラ野郎!!どうにかしやがれこのちんちくりんを!!奢ってやっただろうがこないださぁ!!」
「はァ!?!?悪いのはテメェだろうがよ!!!!つーかちっさくねーよ!!!!オイ、教師ならオレに加勢するよなァ!?!?」
何故か階段から現れたブレンダとエラン。
何故か教室から現れたルーカスと月姫。
その四人が、視信の目の前で衝突する。
数秒の静寂の後。
[大文字][太字][大文字][中央寄せ][大文字][太字]ドッカーン!!![/太字][/大文字][/中央寄せ][/大文字][/太字][/大文字]
「爆発オチなんて…ホント、サイテーっすわぁ……」
黒焦げになった廊下で、視信は一人呟いた。
[中央寄せ][大文字][大文字]☆ ☆ ☆[/大文字][/大文字][/中央寄せ]
「ひぇ…なんか今、上ですげぇ音したっすね……」
「また先輩方だろう、いつもいつも元気だな。留歌君と遥歩君も多少は見習いたまえよ。」
「碧空はいつもいつもムチャ言うけどなぁ…」
「…所で俺、気になってる事があるんすけど…」
「おや奇遇だな、僕もだよ。」
「実はおれも…」
「「「俺達/僕等/おれら、今オチに使われてないか…?」」」
割と少人数の学校だが、そこは深く気にしてはいけない。
そしてこれは、どこかで見たことのあるような彼らが、なんでも無い日常を送る…ただそれだけの、ごくごく普通の日常譚だ。
「あー、今日も平和っすなぁ…」
渡り廊下にて、長い銀髪を一本に括った青年がぼんやりと呟く。
彼の名は[漢字]楼[/漢字][ふりがな]たかどの[/ふりがな] [漢字]視信[/漢字][ふりがな]しのぶ[/ふりがな]。整った容貌は明らかに日本人離れしているし、なんなら名前はほぼ確実に偽名だが、あまり深く気にしてはいけない。ちなみに、歴史教師である。
しかし。
突然、「銃声のよう」などという表現では生温い程のとんでもない音がして、遠くに見える教室の扉が蹴破られる。
早速だが訂正だ。
どうやら、平和では無かったらしい。
思わず彼が駆け寄ると、そこに立っていたのは焦茶の髪をツンツンと逆立たせた背の低い少年。鋭い赤の三白眼をカッと見開き、声高らかに叫んでいる。
この学校の高等部三年にして生徒会長、[漢字]火威[/漢字][ふりがな]ひおどし[/ふりがな] [漢字]月姫[/漢字][ふりがな]つき[/ふりがな]だ。
「オレの家庭菜園ぶっ壊しやがったヤツ出て来やがれコンニャロォ!!!!」
教室の中にはたった一人、ごくごく平凡な顔の少年がいた。一瞬巨大な音にびくりと体を震わせるも、すっと自然に手を上げる。
「あ、それ俺だ。ごめん。でもルーカスも悪いんだ、だから怒るならあっちを…」
月姫と同じく高等部三年の彼は、顔に見合って名前もごくごく平凡なので、殆どの生徒に「名無し」という(かなりあんまりな)あだ名で呼ばれている。
「よーし分かったぜェ、全員まとめてブッ飛ばァす!!!だから界人ォ!!!離せェ!!!!」
「ちょ、月姫さん!!待ってくれっす!!ちょ…誰かこの人止めてくれ!!!誰かぁ!!!」
そう、実は廊下にはもう一人。廊下を爆走する月姫を止めようとして腕にしがみついたのは良いものの、そのまま引きずられてきた哀れなボロ雑巾…もとい、高等部二年の[漢字]影廼[/漢字][ふりがな]かげの[/ふりがな] [漢字]界人[/漢字][ふりがな]かいと[/ふりがな]。
黒い髪に白のインナーカラー、鋭い黒の三白眼と、どことなくカラスを思わせる出立ちだ。
未だすぐ側に立つ視信の存在に気づかない彼は、手をブンブンと降って引き剥がそうとする月姫に必死にしがみついている。
「はいはぁい、そこまでにして下さいよっと。植え直す方がよっぽど有意義っしょ?」
「あのなァ!!!ソレはソレとして苦労して育ててンだよコッチは!!!!!」
「いや確かにそうですけどねぇ!?」
仲裁を聞いた上でギャイギャイと騒ぎ立てる月姫、大人しく首を垂れる名無し、相変わらず月姫に振り回される界人、思わず頭を抱える視信…そんなカオスな空間に、更なる闖入者が現れた。
「おい何してんだてめぇら!!!うるせぇんだよ!!!エルマさんの声が聞けないだろうが!!!」
「いやそもそも勤務中に家に電話しないでくれますかねぇ!?!?」
鳶色の髪に特徴的な片三つ編み、反対側には赤メッシュ。赤シャツに黒ネクタイの、明らかに反社な格好。
そう。
諸悪の根源、ルーカスである。
ちなみに彼は英語教師だ。
イタリア人なのに。
「出やがったなルーカスこのヤロォ!!!首置いてけェ!!!!」
「あ、おい!!!教師を呼び捨てたぁどういう了見だこのクソが!!!」
「ちょ、月姫さん!!島津みたいになってるっすよ!!!」
ツッコミどころ、絶対そこじゃない…視信と名無しの心の声が一致する。
そのまま二人は目を合わせて、ガッチリと硬い握手を交わした。
その背景では、さながら漫画表現かのような土煙に覆われたまま二人が殴り合っている。なお、界人は脱出し損なったらしい。
「五月蝿い…本が読めないだろ、良い加減にしろ……」
「うーん、どうしたんだろー?」
廊下から二人分の声がする。
しかし、足音は一つ分だ。
代わりにもう一つ、ガラガラという車輪の音がしているのはきっと気のせいだろう、いいや気のせいに違いない…そう思って、目を閉じる視信。
「あ、兄さまいたー!またけんかしてー…」
「おい。態々面倒くさい事に首を突っ込むなよ、あんた馬鹿か?」
「でも、なんとかしないと単くん本読めないでしょ?大丈夫、これでも妹だからねー!」
現れたのは、日の光のような薄黄色の髪の少女…[漢字]火威[/漢字][ふりがな]ひおどし[/ふりがな] [漢字]陽[/漢字][ふりがな]ひなた[/ふりがな]。月姫の一つ下の妹で、高等部二年だ。誰が呼んだかダークマター製造機、致命的な料理の腕の持ち主でもある。
そしてもう一人は…何故か台車に乗っている。どうやらここまで、陽が押して来たらしい。
いつ梳かしたのかも不明なボサボサとした黒の蓬髪に眠たそうな瞳の、大量の本を持った少年。彼の名は[漢字]六波羅[/漢字][ふりがな]りくはら[/ふりがな] [漢字]単[/漢字][ふりがな]ひとえ[/ふりがな]、陽と同じく高等部二年だ。ちなみにここの学生寮にて、界人と同じ部屋で生活している。
「ふっふっふ、新しい薬品が完成しましたよ!さぁて、今回はドナタに使いましょうか…」
「オイコラこの馬鹿!!学園内で訳分からん物を取り出すな!!!」
更に遠い目になる視信。
ふわふわとしたショートカットの銀髪に赤い瞳、校内きってのマッドサイエンティスト…化学担任のブレンダ・アークライトと、癖毛の黒い髪に鋭い金の瞳、校内きっての[漢字]ツッコミ担当[/漢字][ふりがな]スケープゴート[/ふりがな]…中等部三年、エラン・フォーサイスが現れたからだ。
余談だが、彼女らは幼い頃からの付き合いである。「近所に住んでいた」…ただそれだけの理由で昔からブレンダに振り回されていたエランは、この学校でもすっかり苦労人が板についている。
「あ、視信サン!実は新しい疲れ取りなんですが…どうですコレ、一度試してみません?ちょっとした副作用があるかもしれませんケド!」
「いやいやぁ、そーゆーのは僕間に合ってますんでぇ!?!?」
もうやってられるか、こんな学校すぐにでも辞めてやる…そう思いながら視信は全力で逃げ出した。たった今この状況で、この学校におけるエランに次ぐ苦労人は?と聞かれれば、間違いなく彼だろう。
しかし廊下を曲がった途端、誰かにぶつかった。きゅう、と言いながらふっ飛んでいくのは小柄な少女。女生徒か、しまった…そう思い、廊下の向こうを覗く。
「あいた…」
「っと、すみませんねぇ。立てます?」
そう手を差し伸べた視信だが、顔を見た途端固まった。
それは何故か。
少女だと思った相手が…
[漢字]校長[/漢字][ふりがな]や と い ぬ し[/ふりがな]だったから、である。
流れるような銀髪に、深いブルーの目。
神が利き手で…いや、両手で作った最高傑作だと、そう言われても違和感のないような完璧な美貌。幼さの残る顔立ちに小さな背丈と、美人というよりは美少女と言った方がしっくりくるような雰囲気。
彼女の名はアリシア・ヴィント。年齢は不詳、誰も聞いた事がない。一種の不文律のようになっているからだ。
かつて血気盛んなモブ生徒が年齢を聞いた際に問答無用で首を捩じ切ったという、真偽の分からない…いや、「真実であってたまるか!」と思わず言いたくなるような噂まである。
まぁそんな話はさて置いて、とかく謎の多い校長なのだ。
視信が思わず真っ青になるのも、無理もないだろう。
「ごめんね、わたしが前を見なかったから…」
「あぁいえいえ、コレに関しちゃ廊下走ってた僕が悪いんで?んじゃ、失礼しますよ。」
及び腰で後ろに下がる。
廊下を曲がって一直線上には誰もいない事を確認してただただ走る。
だがしかし。
▷逃げられなかった!
「待って下さいよ視信サン!疲れてるんでしょう?ホラ、コレを飲めば疲れなんて消えてなくなっちゃいますよ!!」
「辞めろ飲むな!!おいブレンダ!!今すぐソレをしまえこの享楽主義者が!!!」
「あ、おいこらこのヘラヘラ野郎!!どうにかしやがれこのちんちくりんを!!奢ってやっただろうがこないださぁ!!」
「はァ!?!?悪いのはテメェだろうがよ!!!!つーかちっさくねーよ!!!!オイ、教師ならオレに加勢するよなァ!?!?」
何故か階段から現れたブレンダとエラン。
何故か教室から現れたルーカスと月姫。
その四人が、視信の目の前で衝突する。
数秒の静寂の後。
[大文字][太字][大文字][中央寄せ][大文字][太字]ドッカーン!!![/太字][/大文字][/中央寄せ][/大文字][/太字][/大文字]
「爆発オチなんて…ホント、サイテーっすわぁ……」
黒焦げになった廊下で、視信は一人呟いた。
[中央寄せ][大文字][大文字]☆ ☆ ☆[/大文字][/大文字][/中央寄せ]
「ひぇ…なんか今、上ですげぇ音したっすね……」
「また先輩方だろう、いつもいつも元気だな。留歌君と遥歩君も多少は見習いたまえよ。」
「碧空はいつもいつもムチャ言うけどなぁ…」
「…所で俺、気になってる事があるんすけど…」
「おや奇遇だな、僕もだよ。」
「実はおれも…」
「「「俺達/僕等/おれら、今オチに使われてないか…?」」」
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