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尊死

#1


英莉ちゃんが死んだ。

私が殺した。

私が殺したんだ。



ファンだった。
英莉ちゃんは私のファンだった。
私はアイドルではなかったけど、
英莉ちゃんの好きな私が好きだった。
愛されるってこんな気持ちなのかな。

―「沙恵さん今日もかわい~。」

―「私も沙恵さんに生まれたかったな〜。」

―「沙恵さんは世界一。いや、世界そのものだよ!」

思い出すほど涙が出てくる。
思い出しても、
こんな[漢字]私[/漢字][ふりがな]おし[/ふりがな]の話ばっかりだから余計に。


ある日の夜。
英莉ちゃんは自宅で死んだ。
尊死だった。
あったのは私の写真と、ナイフだけだった。

私達の世界ではそれは自殺となり、
英莉ちゃんの世界ではそれはもう幸せな尊死となったことだろう。
私の気も知らずに


殺そうと思った。
英莉ちゃんは一度死んでいる。
英莉ちゃんが死ぬ程愛した私を、殺そうと思った。
何度も貶した。
何度も汚した。
それが何なのか。何でなのか。
分からなくて、またやった。


何にもならなかった。
ファンとアイドル。
私はいつも一人だったし、
英莉ちゃんの隣にはいつもアイドルの私がいた。
私はいつも一人だったし。


死のうと思った。
英莉ちゃんが私で死ぬのなら、
私も英莉ちゃんで死んでやる。


愛していた。
英莉ちゃんが好きだった。
「英莉ちゃん」が好きだった。
私は嫌いだ。
私なんか大嫌いだ。
何度も貶した。
何度も汚した。

赤信号、何度も渡れば、怖くない


痛い。
居たい。
[漢字]私で[/漢字][ふりがな]ここに[/ふりがな]居たい。
英莉ちゃんが。
私を汚した英莉ちゃんが。
私で死んだ英莉ちゃんが。
手を振ってるのが見える。
私の人生は狂った。
道は赤信号で止まり、
横断歩道に立って私を待ってる。

アイドルとファン。
英莉ちゃんに祈る。
英莉ちゃんに誓う。

私なんか大嫌いだ。
英莉ちゃんは大好きだ。
本当に?


本当に?


今からそれを見せてあげる。英莉ちゃん。

私は英莉ちゃんに殺されて、
私で死ぬ。

[漢字]天井[/漢字][ふりがな]そら[/ふりがな]を見上げると、
私の英莉ちゃんが泣いている。
私を殺したくせに。私で死んだくせに。

英莉ちゃんは私に尽くさず、
「好き」に命を尽くした。
だから私は[漢字]一人[/漢字][ふりがな]アイドル[/ふりがな]だった。
愛取っていた。いや、取られていた。
私は英莉ちゃんを愛していたのに。
愛していた私を、英莉ちゃんの愛が壊した。
観客はステージに立っちゃダメなんだよ?

バイバイ。
私が大好きな――



あおげばとうとし。



2025/04/19 08:57

cabos ID:≫ 865dWPQN4cyQY
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