【our fantasy】聞こえなくなった声を辿って
楽座「……うちのドアぶち壊すほどのおてんばさんにはちょぉっと難しい願いやけど…((」
「私の前にあったのが悪いの。邪魔なのよぉ」
ガレキをムチでばしんと遠くに飛ばして、黒髪の女は言った。
…ところどころに錆浅葱色のメッシュが入ってて、その色にはひどく見覚えがある。
楽座「…音無、あいつらのところに帰りたいか?」
目線を後ろに寄越して訊いてみると、身体を震わせながら音無は答えた。
音無「………いやだ、」
「はぁ?」
不愉快そうな女の声にびくっと身体を跳ねさせている。
直感通り本当におっかない奴ららしい。
楽座「交渉決裂。帰りたがらない子を帰らせられるほど俺は善人やないゆうことやなぁ」
「…なら、力ずくで奪うまでよ!散々煽り散らかして、命は相当惜しくないみたいだしね!」
女がパチンと指を鳴らすと、奥からわらわらとスーツ着たやつらが現れる。
楽座「はぁ~~集団かぁ。めんどくさいなぁ…」
楽座「音無ぅ、離れとき!」
音無「へ_____
音無を遠くに避難させ、俺は戦闘態勢に入る。
楽座「何でも屋のド根性、見せたるで。___[太字]”ロケット花火”[/太字]ぃ!!」
腕からたくさんの花をつけたツタを伸ばす。突然のことで動けなかった腰抜け何人かを捕まえた。
「植物系の能力…?面倒ねぇ」
楽座「それだけだと思わんといてなぁ?」
「は…?」
皮肉っぽく、彼女の指パッチンを借りさせてもらった。
楽座「[太字]爆破♪[/太字]」
[太字]俺の声に呼応して、ツタにつけた花が爆発する。[/太字]
「ぐぅっ…!!!!」
モロに食らったやつが吹っ飛んでった。可哀想やけど仕方ない。
楽座「たまや~、なんてな?せやから爆発する「花火」やねん。驚いた?」
「いい加減にしろっ!」
周りは役に立たないと踏んだのか、さっきから喋ってた女がこっちに飛び込んでくる。
近接戦は苦手やってよくわかったな。
楽座「そーいう短絡的なやつはふつーに…」
能力発動させようとしてるとこを避けて、首元に腕を伸ばす。
楽座「[太字]一輪挿し[/太字]っ」
一輪だけ花を飛ばして、彼女の耳元で爆発させた。
「きゃあっ!?」
そうとう驚いたみたいで、耳塞いで一瞬混乱してた。
楽座「俺もこれ以上家壊されたらたまらんねん、ここは穏便に行かん?」
楽座「そっちも無駄に消費しなくてそのほうがええやろ?」
「うるっさい…!これはボスの命令なのよ!!アンタの都合なんか知らないわ!!」
「[太字]憎愛電撃!!![/太字]」
人差し指と中指でバチっと黒い電気を生み出し、こっちに向かってくる。
楽座「ふー…こりゃちょっと長くなりそうやなぁ」
生み出した花でとっさに守ったから、電撃の当たる音と爆発音でまぁまぁうるさい空間ができる。
楽座「あんさんがそれでええなら、俺は付き合ってやるけど…」
楽座「もっと面倒なことになるで?」
言い終わったタイミングでガチャっと向こうの部屋の扉が開く。
「うるせぇなぁ………今何時だと思ってんだよ、楽にぃ」
楽座「…タイムリーなやっちゃな、[太字]天楼[/太字]」
天楼「寝てたのにそんだけやかましくされたらなんかあったかぐらい分かるわ」
そう言い放つ天楼の手にはしっかりバールが握られていた。準備万端で話が早いな。
「子供?」
「子供一人増えたところで、大して____」
楽座「舐められとるなぁ天楼、行くぞっ!」
天楼「まとめて片してやらぁ![太字]カメレオン[/太字]!!」
すっと天楼が姿をくらませる。案の定驚いてる奴らに向けて、俺もツタを伸ばして援助する。
「ぐああっ!!」
「なんだ、なんだ!?何が起こってる!!」
「くっ……あぁもぉ!!アンタたち、何とかしといて!!」
腕の機械みたいなんを押して消えてく女の姿に、残された部下たちがどよめく。
チームワークとかないらしい。(((
楽座「残されちまったけど?」
このままここにいても天楼にボコボコにされるだけだと察した奴らもみんな逃げていく。
楽座「ドア代弁償しろ~」
天楼「二度と私のこと舐めんなよクソ共が!!」
透明化を解いて天楼ががら空きのドアに向かってブチ切れてる。
音無「あ、…あの、」
天楼「…こいつは誰?」
楽座「順を追って説明するわ」
[水平線]
天楼「はぁ~~~…なるほど。()」
楽座「かくかくしかじかあってここにとりあえず避難させたっちゅうわけや」
音無はおずおずしながらも、こっちを見て言った。
音無「あ…あの、ありがとう、」
音無「……つよかった」
楽座「せやろ~?」
天楼「あいつらが弱かったんじゃねぇの…というか、あいつら何なんだよ。
聞いた感じお前に執着してるっぽいけど?」
天楼の声を受けると、音無は口をゆっくり開いた。
音無「………私のちからを狙ってるみたい」
楽座「力?」
音無「[太字]精霊さんとお話ができるの、めずらしいって[/太字]」
天楼「精霊?そんなん国語でしか聞かないんだけど………」
精霊。
この世界だといろんなものの力の源。
たとえば水とか火とか、光とか影とか。
そんなやつと話ができるって…コイツ、何者なんやろか。
とんでもない子拾ってきちまった…。
天楼「…ひとまず、あいつらまた来そうな感じもするけど…」
天楼「音無はここに置いといたら?楽にぃ、私も養ってるんだからできるでしょ」
楽座「んな簡単に言わんといてや…そうする気やったけど…(((」
楽座「どうする?お前次第やけど。」
天楼「また襲われても私たちがなんとかする。あんたのこと守ってあげるけど」
差し出した手を、音無はしばらく見つめてから。
音無「…いる、…ここにいるっ」
そう笑ってくれた。
[水平線]
「その女性の容姿などは…?」
「…なるほど、黒髪に錆浅葱色のメッシュ、……それは…」
「…はい。共有してくれてありがとうございました。それでは、失礼いたします。」
「…えりさん、電話?」
「ヒノさん…ええ。楽座さんから。……間違いないでしょうね。これはまた面倒なことになりそうだ」
私、[太字]円山えりか[/太字]の生きている意味だ。
死ねない私の死ねない意味だ。
えりか「………さあ、帰りましょう?明日、楽座さんのところへ訪ねてみることにします。」
私が果たさなければ、いけないから。
「私の前にあったのが悪いの。邪魔なのよぉ」
ガレキをムチでばしんと遠くに飛ばして、黒髪の女は言った。
…ところどころに錆浅葱色のメッシュが入ってて、その色にはひどく見覚えがある。
楽座「…音無、あいつらのところに帰りたいか?」
目線を後ろに寄越して訊いてみると、身体を震わせながら音無は答えた。
音無「………いやだ、」
「はぁ?」
不愉快そうな女の声にびくっと身体を跳ねさせている。
直感通り本当におっかない奴ららしい。
楽座「交渉決裂。帰りたがらない子を帰らせられるほど俺は善人やないゆうことやなぁ」
「…なら、力ずくで奪うまでよ!散々煽り散らかして、命は相当惜しくないみたいだしね!」
女がパチンと指を鳴らすと、奥からわらわらとスーツ着たやつらが現れる。
楽座「はぁ~~集団かぁ。めんどくさいなぁ…」
楽座「音無ぅ、離れとき!」
音無「へ_____
音無を遠くに避難させ、俺は戦闘態勢に入る。
楽座「何でも屋のド根性、見せたるで。___[太字]”ロケット花火”[/太字]ぃ!!」
腕からたくさんの花をつけたツタを伸ばす。突然のことで動けなかった腰抜け何人かを捕まえた。
「植物系の能力…?面倒ねぇ」
楽座「それだけだと思わんといてなぁ?」
「は…?」
皮肉っぽく、彼女の指パッチンを借りさせてもらった。
楽座「[太字]爆破♪[/太字]」
[太字]俺の声に呼応して、ツタにつけた花が爆発する。[/太字]
「ぐぅっ…!!!!」
モロに食らったやつが吹っ飛んでった。可哀想やけど仕方ない。
楽座「たまや~、なんてな?せやから爆発する「花火」やねん。驚いた?」
「いい加減にしろっ!」
周りは役に立たないと踏んだのか、さっきから喋ってた女がこっちに飛び込んでくる。
近接戦は苦手やってよくわかったな。
楽座「そーいう短絡的なやつはふつーに…」
能力発動させようとしてるとこを避けて、首元に腕を伸ばす。
楽座「[太字]一輪挿し[/太字]っ」
一輪だけ花を飛ばして、彼女の耳元で爆発させた。
「きゃあっ!?」
そうとう驚いたみたいで、耳塞いで一瞬混乱してた。
楽座「俺もこれ以上家壊されたらたまらんねん、ここは穏便に行かん?」
楽座「そっちも無駄に消費しなくてそのほうがええやろ?」
「うるっさい…!これはボスの命令なのよ!!アンタの都合なんか知らないわ!!」
「[太字]憎愛電撃!!![/太字]」
人差し指と中指でバチっと黒い電気を生み出し、こっちに向かってくる。
楽座「ふー…こりゃちょっと長くなりそうやなぁ」
生み出した花でとっさに守ったから、電撃の当たる音と爆発音でまぁまぁうるさい空間ができる。
楽座「あんさんがそれでええなら、俺は付き合ってやるけど…」
楽座「もっと面倒なことになるで?」
言い終わったタイミングでガチャっと向こうの部屋の扉が開く。
「うるせぇなぁ………今何時だと思ってんだよ、楽にぃ」
楽座「…タイムリーなやっちゃな、[太字]天楼[/太字]」
天楼「寝てたのにそんだけやかましくされたらなんかあったかぐらい分かるわ」
そう言い放つ天楼の手にはしっかりバールが握られていた。準備万端で話が早いな。
「子供?」
「子供一人増えたところで、大して____」
楽座「舐められとるなぁ天楼、行くぞっ!」
天楼「まとめて片してやらぁ![太字]カメレオン[/太字]!!」
すっと天楼が姿をくらませる。案の定驚いてる奴らに向けて、俺もツタを伸ばして援助する。
「ぐああっ!!」
「なんだ、なんだ!?何が起こってる!!」
「くっ……あぁもぉ!!アンタたち、何とかしといて!!」
腕の機械みたいなんを押して消えてく女の姿に、残された部下たちがどよめく。
チームワークとかないらしい。(((
楽座「残されちまったけど?」
このままここにいても天楼にボコボコにされるだけだと察した奴らもみんな逃げていく。
楽座「ドア代弁償しろ~」
天楼「二度と私のこと舐めんなよクソ共が!!」
透明化を解いて天楼ががら空きのドアに向かってブチ切れてる。
音無「あ、…あの、」
天楼「…こいつは誰?」
楽座「順を追って説明するわ」
[水平線]
天楼「はぁ~~~…なるほど。()」
楽座「かくかくしかじかあってここにとりあえず避難させたっちゅうわけや」
音無はおずおずしながらも、こっちを見て言った。
音無「あ…あの、ありがとう、」
音無「……つよかった」
楽座「せやろ~?」
天楼「あいつらが弱かったんじゃねぇの…というか、あいつら何なんだよ。
聞いた感じお前に執着してるっぽいけど?」
天楼の声を受けると、音無は口をゆっくり開いた。
音無「………私のちからを狙ってるみたい」
楽座「力?」
音無「[太字]精霊さんとお話ができるの、めずらしいって[/太字]」
天楼「精霊?そんなん国語でしか聞かないんだけど………」
精霊。
この世界だといろんなものの力の源。
たとえば水とか火とか、光とか影とか。
そんなやつと話ができるって…コイツ、何者なんやろか。
とんでもない子拾ってきちまった…。
天楼「…ひとまず、あいつらまた来そうな感じもするけど…」
天楼「音無はここに置いといたら?楽にぃ、私も養ってるんだからできるでしょ」
楽座「んな簡単に言わんといてや…そうする気やったけど…(((」
楽座「どうする?お前次第やけど。」
天楼「また襲われても私たちがなんとかする。あんたのこと守ってあげるけど」
差し出した手を、音無はしばらく見つめてから。
音無「…いる、…ここにいるっ」
そう笑ってくれた。
[水平線]
「その女性の容姿などは…?」
「…なるほど、黒髪に錆浅葱色のメッシュ、……それは…」
「…はい。共有してくれてありがとうございました。それでは、失礼いたします。」
「…えりさん、電話?」
「ヒノさん…ええ。楽座さんから。……間違いないでしょうね。これはまた面倒なことになりそうだ」
私、[太字]円山えりか[/太字]の生きている意味だ。
死ねない私の死ねない意味だ。
えりか「………さあ、帰りましょう?明日、楽座さんのところへ訪ねてみることにします。」
私が果たさなければ、いけないから。