‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』
モニカだった。驚いたのはそこではない。モニカが血まみれだったからだ。
「モ…モニカ!?どうしたん?その傷!?」
マリアが叫ぶ。
「て……敵にやられて…!別にそこまで大怪我じゃないよ」
モニカはそういうが、どう見ても二の腕があらぬ方向に曲がっている。へし折られているようだった。
(なんなんだよ…相手は……?この二人を怪我させるなんてただもんじゃねぇよ…)
レイは、眉間にしわを寄せる。
「モニカ。攻撃してきた奴の顔を見てないか?」
「ううん。レインコートを深くかぶってて、見てなかった。それでも、身長は高めだったよ。」
身長の高いやつなど世界中にどれほどいるか。敵を見つけるには情報不足だった。
モニカの傷を応急処置し、倒れたデシジョンをおんぶする。意識の無いデシジョンは思ったよりも、軽かった。
「んじゃ、他のメンバーと合流するか。」
ボス二人が負傷するという異例の事態。『サンライズ』のボスなど無視し、帰ることが第一優先である。
三人は足を進めた。
絶望は終わらない。
「__?………………ッ!?」
廊下に倒れている者がいた。__ムギだ。意識はないようだ。足を鋭利な刃物で切られている。
「うぅぅ…。くそっ!『サンライズ』ボスはなにもんなんや!?」
マリアが苦しそうに息を吐く。そんな時だった__。
廊下の先に、レインコートを深くかぶった如何にも怪しい人物が現れたのは。
「モニカ。一応確認だが__あいつで間違いないな?」
「__うん。そうだよ」
確認__モニカを襲った犯人が現れたのか、聞く。間違いないようだ。
あれが__仲間を襲った人物。
マリアが駆け出す。
「『操瞳』__!!!」
彼女の能力『操瞳』。ほとんどの敵を自身の配下に置くことができる強靭な技だが__
「…………………………」
相手は一切動じることなく、マリアに前蹴りを放った。軽い彼女は、容易く吹き飛ぶ。
「…妙や。ワイの技が通じん。こんなことできる人間なんて、本当に圧倒的な力量がなきゃ起きないで……。」
とにかく分かったことは一つだ。
敵は圧倒的に強いということ__
このボタンは廃止予定です