‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』
彼らは知らない。まだ、知らない。
本当のさよならも。絶望も。諦念も。裏切りも。
「えぇ〜…っと…?ここだよな。待ち合わせ場所って」
レイ達は、『サンライズ』ボスに指定された場所に来ていた。その場所は、学校。と言っても、廃校だが。ボス全員が集まり、いつでも戦闘できるように身構え、緊張した面持ちでいる。
が、時間になっても『サンライズ』ボスは来なかった。
「どういうことや?呼び出した本人がすっぽかすなんて不思議や」
「…確かに、わからないね。一旦、皆で周辺を回ってみない…?」
デシジョンの案により『サンライズ』ボスを探すことになった。
「デシジョン!こっちにもいないよ!」
モニカが一緒に探しているデシジョンに声を掛ける。
「…ん。不思議だね…どういうことだろう…?」
首を傾げ、思案する。
(『サンライズ』ボスは何のために…?罠かな…とはいえ、本人は見つかっていない…。もし、近くにいるなら今頃、皆が見つけているはず…。逃げた…?)
「………あ」
そこまで、考え気づく。本当の『サンライズ』ボスの悪意に
今すぐ、この事をここにはいない他メンバーに伝えなければならない。このままだと__
[太字]白刃が腹から飛び出た。[/太字]
痛みで頭がショートを起こす。口から吐血した。傷口から血液が溢れ出す。
(あぁ。そうなんだ…そういうことなんだ…)
消えゆく意識の中、利口な彼女は悟る。
(それなら…仕方がないね………)
犯人は、血のついた小刀を布で拭う。
無言で倒れる参謀を眺めていた『サンライズ』ボスは、歩き出す。
あと六人
冷酷なるカウントダウンが始まった。
「デシジョン__!?デシジョン__!?!?」
マリアと共に辺りを散策していたレイは、廊下で血まみれになったデシジョンを見つけた。
意識はない。重傷だ。
「…誰や?デシジョンにこんなことした奴は」
「わかんねぇ。でも、『サンライズ』のボスだろうな…。クソっ」
止血剤を押し当て、包帯を巻く。仲間だ。失いたくない。
「デシジョンとペアになったのは、モニカよな?アイツはどこや?」
「人質として攫われたか、あるいは………」
ここからさきは、言わずともわかるだろう。もう死んでいるか、だ。マリアが悔しそうに、哀しそうに唇を噛む。レイも同じ気持ちだ。
「なにもんだよ…俺らに見つからず、デシジョンを戦闘不能にさせる……。バケモンなんじゃねぇ__」
「__レイ!!!!上やぁぁぁあ!!!!!!」
混乱する。マリアに突き飛ばされ、近くの教室に入る。
「いや、どうしたんだよ突然__」
小言を言おうと口を開くが、絶句する。
先程まで自分たちが立っていた廊下の天井が落盤していた。あのままいたら、潰れていただろう。
しかし、一番の衝撃はそこではなかった。
「モニカ………………?」
モニカが自分たちが飛び込んだ教室に居た。
このボタンは廃止予定です