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殺人の描写があります

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 ‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』

#56

ワルツ


ゆっくりとターン、そして回る。
ワルツをレイとマリアは踊っていた。ワルツの性質上、至近距離で見つめあうことになる。微妙に気まずい。

そんなことを考えていると、足に痛みが走り突然視界が反転した。
「あぁー!もう!足ひっかけられたわ!全く~!」
どうやら、転んだらしい。痛む足を摩る。このまま踊り続けるのも何とも言えないので、会場から一度出た。

「あぁー!くそや!!何してくれるん!」
「そういうお前こそな!?」
そう罵り合う。
「ふん。ラブカを見習ってほしいわ…」
「あ…?ラブカって誰だ?」
聞き返すとマリアは首を傾げる。
「ラブカ…?ワイ、今そんなこと言ったっけな?なんだって……?」
「いったお前が忘れてどうする」
呆れてしまう。ラブカ、か。何なんだろうか。

その頃、会場では…
ワルツが終わり、全員がまた立っていると、『青の道化師』が登場していた。拍手を皆が贈る中、事件は起きる。

「な…なんかホールが騒がしくないか!?」
「一旦ホールに戻るで!」
二人は、ホールに向かった。


扉を開ける。

そこには、大量の死体があった。

「うっ…?」
おそらく、先ほどまでホールにいた全員だろう。老若男女問わず、死んでいた。誰も息をしていない。そんな中、生きている者がいた。
「…お前が犯人か」
道化師と黒子だ。
積み重なる死体を椅子に不遜にも座っている。
「どうもどうも!道化師です!」
そういって、道化師は帽子をとった。







青い、[太字]青い角[/太字]があった。




「は…………?」

角には見覚えがある。反射的に隣を向く。
マリアだ。マリアの角に似ている。どういうことだ?

「えー、ワタシはしがない道化師!それでいて、あの青鬼の悲劇の生き残りィ!さぁ、最強の悲劇を始めましょう…!」


青鬼の悲劇?なんのことだろうか?レイにはわからない。が、相手がこちらに殺意を持っていることは理解できる。
「………っ!?!?」
攻撃はあらぬ方向から飛んできた。

[太字]死体[/太字]だ。死体が動き、攻撃してきている。

「ワタシの能力はぁ!死体踊り!操れるんですよぉ!!!ははは!」

高々に説明してくれる。
そことなく、マリアの能力に似ている。

「………っ!!!」
なんとか、死体の腕を切り飛ばす。無力化できた、と思ったが、相手は動き続けた。

強敵である。



「操瞳!」
後方でマリアが叫んだ。死体が動かなくなる。どうやら、能力と能力をぶつけ合い、相殺したようだ。









早くも、戦って二時間が経過した。
お互い決定打のないまま、時間だけが過ぎてゆく。
時給戦だと、生身のこちらのほうが不利だ。どうすれば


ぐさり


擬音語にするなら一番これが正しい音が聞こえた。



道化師の腹に白刃が伸びていた。
「「「 え…………? 」」」

レイもマリアもましては、道化師もやっていない。
横やりだった。

[太字]黒子が、道化師に刃を突き刺していた。[/太字]


勝敗は決まる。
道化士は、地に伏した。


「「…………!」」
何が起こったのか。仲間割れか。何にしろ黒子は敵なのか
黒子は、黒子の衣装を脱ぎ捨てる。
「マリアぁ~!!!探すたんだからね!!!」
甲高い声だった。出てきたのは、少女。かなり幼めの。
え?マリア?マリア?知り合いか?え???
何よりも、その少女には、[太字]青い角[/太字]があった。
「えぇっと………?」
二人がパニックになる中、少女はぺこりと頭を下げる。
「あーしはラブカ・オペレーション!久しぶり!そして初めまして!」
ラブカ…先、マリアが呟いた名前だ。
「ラ…ブ…カ……?」
マリアが壊れた機械のように呟く。
「そこの地味なおにーさんに説明するね。少し長くなるかもだけど」



青鬼の悲劇。
それは、青鬼一族の猛烈な上下関係によって起こった悲しき悲劇のことだ。
犯人は、少女。あまり、己の能力を使いこなせず、迫害されてきた子だった。

犯人は、青鬼一族を皆殺しにした。
数人の子供だけが命からがら逃げることはできたそうだが、あくまでも噂程度。
ラブカと少女は親友だった。
そのため、ラブカは殺されなかったそうだ。
しかし、二人は離れ離れになりラブカはずっと少女を探していた。そして
「今見つかりました!ばばーん!!!」
「…………」
「あ、少女がマリアね~。」
「…………」
えげつない。過酷な話だ。レイは何も言えなくなる。そんな間に、ラブカはマリアのほうを向き、話しかけていた。
「マリア。本当に久しぶり。元気にしてた?__これからは、一緒にいようね。」
「…………ラ…ブカ……!!!!」

二人は泣く。悲劇は起きようとも、絆は終わらない。














(あぁあぁぁ…。ワタシは死ぬんですネ……。)
道化師は本物の涙を流す。本当に滑稽だったなと自嘲してしまう。
まだ、時間はある。最後の力を振り絞り、死体を操って三人を殺せるかもしれないが……
なぜか、しなかった。
(これで、ショーは閉幕…。楽しかったですかね…)
目を閉じる。
(…リーダーだけは……生き残ってホシイデスね……)

道化師は、最後まで涙を流し、それでいて笑っていた。

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2024/07/23 12:22

ルイ50世 ID:≫.pNRnxeFwo9wA
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