‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』
ツキミ。貴方は、本当にどうしようもない妹。
だから、姉の私が助けなきゃね。 私に姉がしてくれたように。
「___っ!?何故着いてきた!?」
思わず、コヨミは叫ぶ。このまま自分は死ぬつもりだった。運良く、周りにいる『トワイライト』連中を少し火傷させられたら良いな、などと思ってもいた。
しかし、我が姉は激しく燃える火の中、コヨミと立っているのである。
「…貴方が……妹だからだよ……!」
今にも彼女は倒れそうだった。煙が舞う中、苦しそうに息をする。
「私が皆を説得して…ツキミを殺さないようにするから……っ、戻ってきて…!」
妾を殺さないだと?
コヨミは唖然とした。なにかの作戦か、と身構えるが彼女の必死な表情が違うと物語っている。__それはあまりにも、手ぬるい。ぬるすぎる。
こちとら、何人も命を絶ってきているのだぞ?私は、お前の最愛の姉を殺し、「良かった」なんて思っていた人間だぞ?それを許す? 正気の沙汰ではない。
心のなかにとある感情が咲いた。
「__バカ姉貴が…………ッ!!!!!」
大声で突き飛ばす。姉は、十年前と同じように両目を限界まで見開き、こちらを見つめる。
「良いか!?そういうのお節介っていうんだよ!私は、お前が、嫌いなんだ!今更、家族ヅラすんなし!!気色悪い!!!」
言葉に力を込め、燃え盛る炎の中、叫ぶ。『サンライズ』に入ってから、続けてきた特徴の口調すら、かなぐり捨てて声を振り絞った。拳を握りしめ、喉を裂き、声を出す。
姉は、呆然と魂が抜けたように突っ立っていた。
動かなくなった[太字]最愛の姉[/太字]をもう一度、更に強く突き飛ばす。
[太字]__この業火の中から、姉だけでも抜け出せるように。[/太字]
姉はなにか言いたげだったが、そのまま炎の向こう側に消えていった。
姉の目が覚めた時には、彼女の仲間が居るはずだ。
最期、少しだけ笑って、伝えた。
「[太字]ごめんなさい[/太字]」と。
心のなかにとある感情__これは、愛というものだろうか?
とにかく、自分の気持ちで姉を助けたかった。
こうでもしないと、彼女は私と死んでしまうだろうから。
たった一人、この身を炎に焦がしながら、目を閉じる。
瞼の奥に、[太字]もう一人の姉[/太字]が見えた。
『ゲツメイ姉さん__、ごめんなさい。』
姉は、悲しそうに、少しだけ嬉しそうに、それでいて優しく微笑んだ。
[斜体]『仲直りできて、偉いわ。』[/斜体]
姉妹二人で、手を繋いで、歩いていく。
「デシジョン____!!!!おい!デシジョン!?!?」
仲間のとんでもない大声で目が覚める。
どうやら、私は地面に寝ているようだ。マリアがいつも大きい声をさらに大きくしてこちらを見ている。首を動かせば、ルーザが心配そうに顔を歪ませ、ムギが涙目だった。普段なら絶対に有り得ない光景である。
(あれ___? 私、死んだ___?)
「死んどらぁぁぁん!!!生きてるで!!!重傷だけどなぁ!!!」
マリアが必死に叫ぶ。
そこで、私の意識は途切れる___。
[斜体]『ゲッカ。よく頑張ってわね。とーっても、偉い。わたしの誇りの妹よ。』[/斜体]
意識のなくなる直前、姉の懐かしい優しい声が聞こえた気がした。
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