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殺人の描写があります

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 ‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』

#48

姉妹喧嘩



「_______久しぶり、大きくなったね、ツキミ。」


(___は?妾の変装がバレていた?)
突如、デシジョンに言われた言葉に驚きを隠せない。ツキミ___今の名前はコヨミだが、自分に向かっていった言葉なのは間違いない。
(なんのために?異常事態じゃ。でも__!)
デシジョンは、あくまで参謀。自分の異能は常識外まで似せることのできる『変装』だが、体術は習っている。襟の裏に隠し持っていた針を取り出し、デシジョンに飛びかかった。デシジョンは、避けることもなくこちらをまっすぐと見ていた。
(いい思い出はあんま無いけど、お別れぐらいはしてやるのじゃ。さよなら、親愛なるお姉ちゃん。妾達のために死んでくれ__)


[太字]十年前から姉妹喧嘩は、始まっていた。[/太字]


突然、コヨミの脳の中に疑問が浮かんできた。
『変装だとわかっていたなら、何か策を練ってきているのではないか?』
その予想は見事に当たる。





「ガぁぁっ____!?」

突如、身体の自由が奪われた。何だこれは?デシジョンができるような能力ではない。

「ありがとう。それでいて、ごめんね…。他人の姉妹喧嘩に付き合ってもらって……」
「こんな時こそ、ワイ達の出番なんやぁぁぁ!助け合いは大切やろー?」
乱入者が三人やってきた。一番前に立つ青髪を長く伸ばした美少女___額には紺色の角が生えていた。後ろには先程、倒したはずの『トワイライト』のボス達。
「___デシジョン…っ!お前、最初から裏切ってなかったのか…!!!」
あくまでもコヨミの予想だが、デシジョンは初めから自分が姉ではないことなどお見通しだったのだろう。そして、この三人には『裏切られて呆然とするフリ&攻撃を受けて倒されるフリ』を頼んでおいたのか__。

自分の得意技である『フリ』で自分は敗北したのだ。

デシジョンは、逆光の中、悲しそうに言った。
「一番最初から、皆を呼んでこうしておけば良かった…。でも、私は『姉に会いたい』って願望に負けたんだ……。どっちが敗北者かわからないね」
でも、とデシジョンは付け足す。
「ツキミに会えて嬉しかったよ。」


(ふっざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!)
ツキミ、または、コヨミの頭の中は、怒りに震えていた。敗北?自分が?恥を知れ。自分以上に、死にたくない奴など居ないのに。ここまでやってきたのに。居心地の良い場所も、家族も、全て騙し続けてここに居るのに。




コヨミは、戦争孤児だった。
名前も、親の顔すら覚えていない。気づけば、人売りに攫われていた。祖国とは遠い位置にある国で、売られたり、買われたり、攫われたり、捨てられたりしながら生きてきた。そう、生きてきたのだ。必死に。そのためには、犠牲を生んだ。他の孤児から食料を奪われないように追い払ったり、あまりにも買い手が酷く、買い手を殺めたり。その他数々のことをした。これも殆ど覚えていない。
が。絶対に忘れない出来事がある。

コヨミにとって、三十九回目の売られた時だった。
いや、売られてはいない。黒髪の美しい少女二人に言い方は悪いが、攫われたのだ。二人は、コヨミに惜しみない愛情と衣食住を注いでくれた。言語化は難しいが、なんとうか心が暖かくなった。初めての感覚だった。なんだろうか。この気持ちは。もう少し、この二人と居れば、わかりそうだ。


このいかれた世界でそんなことが起こるわけがなかった。
二人と居て、少し経った頃、自分を売った人売りが突然家に押し入ってきた。驚きで何も出来なかった自分を人質にされ、一番上の姉が殺された。最期、姉はこちらを向いて、少し微笑んで亡くなった。
人売り曰く、自分を高く買ってくれる人が見つかったらしい。自分を奪った彼女から、取り戻してやった、と人売りは嬉しそうに言った。家族が死んでも、自分は一切泣けなかった。それどころか、「生き残った!」と心は嬉しそうだった。
[太字]そんな自分自身が酷く気味悪い生き物に思えた。[/太字]
家から離れる時、もうひとりの姉が両目を限界まで見開き、こちらを見ていた。
「悪いね……」と呟く。
そのまま、人売りと車に乗り、買い手の家に向かった。






それから、数年後。自分は『サンライズ』という組織に入った。
この組織は、とある目標のために結成されたグループだ。私は、あくまで成り行きで入ったが、それでも目標のために頑張りたいと思った。


リーダーに命令され、自分は合衆国で敵と戦うことになった。敵の一人を見た時、電撃が走った。それは、かつての姉だった。いくら変わってはいるが、根本は変わっていない。

作戦を考えた。 姉を裏切らせる。そしたら、『トワイライト』はパニックになるはずだ。


ただで死ぬものか。これまで、やって来たことが何も意味がなくなる。




迷わず、実行した。





「____っ!?!?」


彼女__コヨミの周りの地面が[太字]爆破[/太字]した。
下に、爆弾でも仕掛けてあったのだろうか? それを彼女が爆破した?彼女を含めた近くのものは全て焼き尽くされる。あまりにもこれは__


「…ツキミ__________!!!!!!」



全員が回避行動を取る中、デシジョンだけが炎に飲まれていった。










同じく、炎に飲まれる最愛の妹を助けるために。


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作者メッセージ

いえぇぇぇぇぇぇい!!! どうも!ルイ50世です!
実は、実はなんですけど! 自分!今日が誕生日なんです(短編集にも書いた)!
短編集の方では、めでたく海の日ということで、メンバーで海に行ったという話を書きました!楽しかったです!

2024/07/15 20:44

ルイ50世 ID:≫.pNRnxeFwo9wA
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