‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』
「ツキミ~!ゲッカ~!起きてっ朝よ~!」
今日も姉の声で目を覚ます。あくびを噛み締め、隣で爆睡する妹を揺り起す。
「……………」
のっそりという風に、ツキミは目を開ける。いまだ言葉は喋れないが、意思疎通はしているつもりだ。
ツキミがこの家に来て、三か月がたつ。
妹のいる生活には大分慣れた。今では、ツキミが可愛くて仕方がない。
「お姉ちゃん、それじゃあ行ってくる。」
ゲツメイ特性弁当を鞄に詰め、玄関に向かう。姉が頑張って働いてくれたおかげで、お金が溜まり、実は私、ここ最近から学校に通うようになったのだ。しかも、かなり偏差値高めの。
「いってらっしゃ~い!!!」
「……………………………………」
二人に見送られ、私は学校に向かう。
「…………………………………え?」
学校が終わり、友達とカフェに寄り雑談した後、家に帰った。
目の前には最愛の姉がいる。
[太字]____血塗れの姉が。[/太字]
全身に穴が開いたような感覚だ。
息の仕方も立ち方瞬きの仕方もも何もわからなくなる。胃が逆さまになった気がした。実際は胃の中のものを全て吐き出していた。
これは現実ではない。そんなわけない。あってはならない。ドッキリかなにか?現実を直視できず、姉を起こそうと、いつもゲツメイが私にやってくれるように揺さぶる。
冷たかった。 ありえないほどに。
死んだ両親の身体と同じ温度だ。そして、この冷たさが私の心を蝕み、急速に冷ましていく。
そうだ。ツキミは?ツキミは何処にいる?
妹もゲツメイと一緒でお留守番していた。無事なのだろうか。不安に駆られ、彼女の部屋に向かう。
そんな時、外の様子が目に映った。
白髪の少女とガラの悪い男__あの時の人売りが家の前で立っていた。
窓ガラスがあるはずなのに、二人の話し声がよく聞こえる。
「いやー、殺しちまったな。でも、あの嬢ちゃん善人きどりだったし。俺らの商売邪魔してくるし。しょうがないね。そう思うだろう__空木0548?」
姉はあいつに殺されたのか?隣に立つのは、ツキミ__?
「……そうだね」
ツキミは頷いた。
世界が紅く見えた。 怒りで我を忘れるとはこのことか。
『ゲッカ』という人格が捻じ曲がっていく。
呆然と立ち尽くしていると、二人は車で何処かに行ってしまった。
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでななんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでななんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでななんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでななんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
飛び降り自殺を試みたさい、偶然知り合った男性に自身のことを話した。
何があったか。これからどうしたいか。
「…そうだったんだな」
彼__[太字]灰緑色の髪をした地味な青年[/太字]__は、優しい笑顔を作って見せる。少し、姉に似ているかもな__と思い、また胸が痛くなる。うつむいていると、彼は手を差し出してきた
「俺たちと一緒に世界を変えないか?俺たちは__『トワイライト』っていう殺し屋組織の所属しているんだ。お前のように絶望して、世界を変えたいって思ってる人もいる。どうだ?ここで死んじまうよりかは幸せだぞ。」
なぜ姉は死ななきゃならなかった?
あんなに優しかったのに。人を助けてきたのに。
[太字]【この世界は間違っている。】[/太字]
[太字]____だから、変えることにした。[/太字]
優しい人が損をするなんて許せない。そのためには、私はなんだってする。たとえ、人を殺そうとも__私自身が傷ついても__私が悪人になっても。
男に礼を言うと、彼は肩をすくめた。
「じゃぁ、俺からのお願いを聞いてもらって良いか__?俺には息子がいるんだ。といっても、血は繋がっていないがな。とはいえ、家族なんだ。きっとだけど、お前と同じくらいの年齢だろうよ。もしも、俺の息子とお前が会ったとき、仲良くしてやってくれ。不器用なやつなんだ。」
良い人だな、と思った。息子を本気で心配している。姉と似ていると思った理由に納得がいった。この人も家族のために戦っているのだ。
男に連れられ、その『トワイライト』本部に向かう。
戸籍は捨てた。もういらないものだ。髪を切った。昔の自分とはさよならだ。
私は、これから殺し屋として生きていく。
そう胸に刻んで。
それから十年後____家族と感動の再会を果たした。
「…おねえ…ちゃん………?」
「___そうよ。ゲッカ、大きくなったわね。」
今日も姉の声で目を覚ます。あくびを噛み締め、隣で爆睡する妹を揺り起す。
「……………」
のっそりという風に、ツキミは目を開ける。いまだ言葉は喋れないが、意思疎通はしているつもりだ。
ツキミがこの家に来て、三か月がたつ。
妹のいる生活には大分慣れた。今では、ツキミが可愛くて仕方がない。
「お姉ちゃん、それじゃあ行ってくる。」
ゲツメイ特性弁当を鞄に詰め、玄関に向かう。姉が頑張って働いてくれたおかげで、お金が溜まり、実は私、ここ最近から学校に通うようになったのだ。しかも、かなり偏差値高めの。
「いってらっしゃ~い!!!」
「……………………………………」
二人に見送られ、私は学校に向かう。
「…………………………………え?」
学校が終わり、友達とカフェに寄り雑談した後、家に帰った。
目の前には最愛の姉がいる。
[太字]____血塗れの姉が。[/太字]
全身に穴が開いたような感覚だ。
息の仕方も立ち方瞬きの仕方もも何もわからなくなる。胃が逆さまになった気がした。実際は胃の中のものを全て吐き出していた。
これは現実ではない。そんなわけない。あってはならない。ドッキリかなにか?現実を直視できず、姉を起こそうと、いつもゲツメイが私にやってくれるように揺さぶる。
冷たかった。 ありえないほどに。
死んだ両親の身体と同じ温度だ。そして、この冷たさが私の心を蝕み、急速に冷ましていく。
そうだ。ツキミは?ツキミは何処にいる?
妹もゲツメイと一緒でお留守番していた。無事なのだろうか。不安に駆られ、彼女の部屋に向かう。
そんな時、外の様子が目に映った。
白髪の少女とガラの悪い男__あの時の人売りが家の前で立っていた。
窓ガラスがあるはずなのに、二人の話し声がよく聞こえる。
「いやー、殺しちまったな。でも、あの嬢ちゃん善人きどりだったし。俺らの商売邪魔してくるし。しょうがないね。そう思うだろう__空木0548?」
姉はあいつに殺されたのか?隣に立つのは、ツキミ__?
「……そうだね」
ツキミは頷いた。
世界が紅く見えた。 怒りで我を忘れるとはこのことか。
『ゲッカ』という人格が捻じ曲がっていく。
呆然と立ち尽くしていると、二人は車で何処かに行ってしまった。
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでななんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでななんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでななんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでななんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
飛び降り自殺を試みたさい、偶然知り合った男性に自身のことを話した。
何があったか。これからどうしたいか。
「…そうだったんだな」
彼__[太字]灰緑色の髪をした地味な青年[/太字]__は、優しい笑顔を作って見せる。少し、姉に似ているかもな__と思い、また胸が痛くなる。うつむいていると、彼は手を差し出してきた
「俺たちと一緒に世界を変えないか?俺たちは__『トワイライト』っていう殺し屋組織の所属しているんだ。お前のように絶望して、世界を変えたいって思ってる人もいる。どうだ?ここで死んじまうよりかは幸せだぞ。」
なぜ姉は死ななきゃならなかった?
あんなに優しかったのに。人を助けてきたのに。
[太字]【この世界は間違っている。】[/太字]
[太字]____だから、変えることにした。[/太字]
優しい人が損をするなんて許せない。そのためには、私はなんだってする。たとえ、人を殺そうとも__私自身が傷ついても__私が悪人になっても。
男に礼を言うと、彼は肩をすくめた。
「じゃぁ、俺からのお願いを聞いてもらって良いか__?俺には息子がいるんだ。といっても、血は繋がっていないがな。とはいえ、家族なんだ。きっとだけど、お前と同じくらいの年齢だろうよ。もしも、俺の息子とお前が会ったとき、仲良くしてやってくれ。不器用なやつなんだ。」
良い人だな、と思った。息子を本気で心配している。姉と似ていると思った理由に納得がいった。この人も家族のために戦っているのだ。
男に連れられ、その『トワイライト』本部に向かう。
戸籍は捨てた。もういらないものだ。髪を切った。昔の自分とはさよならだ。
私は、これから殺し屋として生きていく。
そう胸に刻んで。
それから十年後____家族と感動の再会を果たした。
「…おねえ…ちゃん………?」
「___そうよ。ゲッカ、大きくなったわね。」
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