‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』
教会を全員で視察した日の夜__
「ふぅ………」
フィルアは、一人教会の屋根の上に立っていた。無論、不法侵入だったが、特に気にはしない。仲間達に、このことは一切伝えなかった。あくまで、自分の勘なだけで、それに仲間を振り回したくはなかったからだ。屋根から飛び降り、中庭を歩く。
(違和感があるんですよね…。全身の細胞が、踊り狂っているような…、不気味さが…)
なんとも言葉に表しづらい感覚だった。中庭から廊下に入る。ただ一人、真っ暗な廊下を進んでいった。その時__人影が見えた。
(________っ)
反射的に柱の陰に身を隠す。こんな遅く時間帯に教会に人が居るなど、怪しい。どうやら、昼間見た信者達と教祖と思われる人が話しているようだった。暗闇のせいで、顔がよく見えない。
(教祖を襲って眠らせ、モニカさんに引き渡し、情報を吐かせれば良いですかね。教祖が中々出てこないと情報屋は言っていたので大変かなと思っていましたが、上手くいきそうです……。)
一瞬、仲間達に知らせようかと思ったが、流石に寝ているだろう。それに、自分は戦闘が得意である。一般人を薙ぎ倒すなど造作もない。
「…ッ!!」
影から身を出し、一瞬の間にトップスピードで彼らに迫る。何も出来ないまま相手は気絶する__はずだった。
「____?」
理解が出来ない現実だった。信者の足が腹に刺さった。内蔵を押しつぶすような衝撃。口から赤い液体が溢れ、目を見開く。わけも分からぬ内に信者たちによって仰向けに転がされ、首を締められた。全員ナイフや長剣など人の命を消すには充分な刃物を持っている。
「…ん〜?あれ?誰かと思ったら__フィルアじゃないか」
エメラルドグリーンの髪を長く伸ばした二十代の男性だった。柔和な顔をしているが、フィルアはこの男がどれだけ邪悪か知っていた。
呼吸が止まる。何も考えられなくなる。脳が混乱を起こしショートしているようだ。そんなはずない。ありえない。あの時、この手で殺したはずだ。幽霊か?幻覚か?しかし、全身を食い散らかすような痛みが現実だと丁寧に教えてくれた。
「__おかえり、僕の最高傑作の失敗作。」
「…博…士………?」
男__エルアが呆れたように、憐れむように笑う。
「まさか、単騎でここまでやってくるとはね……ぬるま湯に浸かりすぎた?以前の君ならばいち早く僕の存在に気づき、手を引いていただろうに…」
愕然とする。自分が何に手を出そうとしていたか、どれほど愚かだったか知る。
「でも、まだ駒として使えそうだな…。うん。なまくらを研いであげようね」
その言葉を合図に、信者たちにフィルアは担ぎ上げられた。
「な…なにを………するき………………?」
余力を振り絞り、質問をするとエルアは肩をすくめた。
「何って、もう一度、君はなんのために生きているのか、何をすれば良いのか教えてあげるだけだよ?八分もすれば、もう一度身体が思い出すね。」
[太字]楽しそうにそう告げて、エルアは上げた手を振り下ろした。[/太字]
「ふぅ………」
フィルアは、一人教会の屋根の上に立っていた。無論、不法侵入だったが、特に気にはしない。仲間達に、このことは一切伝えなかった。あくまで、自分の勘なだけで、それに仲間を振り回したくはなかったからだ。屋根から飛び降り、中庭を歩く。
(違和感があるんですよね…。全身の細胞が、踊り狂っているような…、不気味さが…)
なんとも言葉に表しづらい感覚だった。中庭から廊下に入る。ただ一人、真っ暗な廊下を進んでいった。その時__人影が見えた。
(________っ)
反射的に柱の陰に身を隠す。こんな遅く時間帯に教会に人が居るなど、怪しい。どうやら、昼間見た信者達と教祖と思われる人が話しているようだった。暗闇のせいで、顔がよく見えない。
(教祖を襲って眠らせ、モニカさんに引き渡し、情報を吐かせれば良いですかね。教祖が中々出てこないと情報屋は言っていたので大変かなと思っていましたが、上手くいきそうです……。)
一瞬、仲間達に知らせようかと思ったが、流石に寝ているだろう。それに、自分は戦闘が得意である。一般人を薙ぎ倒すなど造作もない。
「…ッ!!」
影から身を出し、一瞬の間にトップスピードで彼らに迫る。何も出来ないまま相手は気絶する__はずだった。
「____?」
理解が出来ない現実だった。信者の足が腹に刺さった。内蔵を押しつぶすような衝撃。口から赤い液体が溢れ、目を見開く。わけも分からぬ内に信者たちによって仰向けに転がされ、首を締められた。全員ナイフや長剣など人の命を消すには充分な刃物を持っている。
「…ん〜?あれ?誰かと思ったら__フィルアじゃないか」
エメラルドグリーンの髪を長く伸ばした二十代の男性だった。柔和な顔をしているが、フィルアはこの男がどれだけ邪悪か知っていた。
呼吸が止まる。何も考えられなくなる。脳が混乱を起こしショートしているようだ。そんなはずない。ありえない。あの時、この手で殺したはずだ。幽霊か?幻覚か?しかし、全身を食い散らかすような痛みが現実だと丁寧に教えてくれた。
「__おかえり、僕の最高傑作の失敗作。」
「…博…士………?」
男__エルアが呆れたように、憐れむように笑う。
「まさか、単騎でここまでやってくるとはね……ぬるま湯に浸かりすぎた?以前の君ならばいち早く僕の存在に気づき、手を引いていただろうに…」
愕然とする。自分が何に手を出そうとしていたか、どれほど愚かだったか知る。
「でも、まだ駒として使えそうだな…。うん。なまくらを研いであげようね」
その言葉を合図に、信者たちにフィルアは担ぎ上げられた。
「な…なにを………するき………………?」
余力を振り絞り、質問をするとエルアは肩をすくめた。
「何って、もう一度、君はなんのために生きているのか、何をすれば良いのか教えてあげるだけだよ?八分もすれば、もう一度身体が思い出すね。」
[太字]楽しそうにそう告げて、エルアは上げた手を振り下ろした。[/太字]
このボタンは廃止予定です