‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』
目の前が真っ白になった。これは、比喩表現ではない。本当に真っ白になったのだ。
はっきりいうと、レイは自分が死んだと思った。
よく、小説で死ぬときは、目の前が白く見えるというシーンがあるだろう。実際、科学的にそうなるのかレイは知らないが、誰だって急に視界が白くなるという緊急事態が起きたなら、このような内容を頭の中で再生するのではないだろうか?
などと、一瞬の間に自身の身に起きた出来事にやや現実逃避気味な考えを張り巡らさせていると、声が聞こえた。
「レイぃぃぃ!!!三歩右にずれて、45度の方向に撃てぇ!!!上手いこと行ったら、敵を殺せる!」
ルーザだった。いつも通り、声が無駄に大きい。
(ん?声が聞こえるってことは、もしかして俺、生きてる?)
これが、生きている最中に起こった現象とするなら、何が起こったのだろうか?
「ッ!?なにが…起きた……?」
どうやら、敵もこの真っ白な状況は同じらしい。
とにかく、レイは自分だけの力では何もすることができないので、ルーザの指示に従う。
(右に三歩進んで…!45度…!?)
普段何気なくできることが、視界が塞がることにより格段に難しくなる。一発、狙いを定め撃ってみると、ルーザが「違う!もうちょい左だ!!!」と注意を出した。まるで、スイカ割りのようである。何がなんだかわからない。
(俺は敵を撃つ時、視界以外で何を使っている__?何をすればこの状況で敵を撃つことができる__?)
視界ではない。何で敵を見る事ができるのか。
____呼吸音が聞こえた。
すーっ、すーっ、としたやや過呼吸気味な音だった。呼吸の長さからして、体躯は大柄。ちょうど、ルーザが指していた場所に近い場所だった。さらに、耳を澄ましてみると、布が擦れる音と首を動かし髪が揺れる音がする__。
______引き金を引いた。
レイが放った弾丸は、狙い外さず敵に向かって飛び、饕餮の胸を撃ち抜いた。
鮮血が舞う。そばに倒れていた棣棠の顔に血がかかり、その白い頬を染めた。
最期倒れる時饕餮は何か呟いたが、レイには聞こえなかった。ただ__
「…そうだったのかぁ……っ。それじゃぁ…ボクも一緒に行こうかな……」
という棣棠の言葉だけが聞こえ、すぐに、呼吸音が一つ、減った。
段々と、視界が戻ってきた。違和感は生じるが、もう少し経てば完治するだろう。真っ先にレイはルーザのもとに向かった。
「んー?レイ、さっきはありがとうだぜ〜!助かっ__」
「いや、お前何したんだ?」
身長では、ルーザの方が高いが、筋力はレイの方が上である。胸ぐらを掴み揺さぶる。
「急にさー?説明もなくー?目の前が真っ白になった俺の気持ちを考えてみろよ?ビビったんだからな?人生終了したかと思ったんだからな?」
「い、いや〜?『作戦がある』とは伝えてあったし?結果的に上手く行ったからもう良いじゃん〜!」
「『結果だけ』見ればな!?俺のパニック味わってみろよ!?」
盛大にツッコミ、胸ぐらを離す。
「で、何を使ったんだ?」
「閃光手榴弾だぜ〜!目を眩ませる閃光と耳をつんざく爆発によって数秒のあいだ人間の全感覚を麻痺させることができる優れものなんだ!」
「そうか!それって飛んできた破片で失明したりするんだからな?まじそこんところ大丈夫か?」
「…そこは皆への信頼だぜ〜!それに、アリスが証明をぶっ壊してくれたおかげで、気づかれずに上手く投げれたしな!」
はじめの言葉に間が開いたのは気のせいだろうか。多少不安があるが確かに結果うまく行った。
「…これでこそ、『トワイライト』か」
思わず自嘲すると、「凄いだろう!」と何故かルーザが胸を張った。普段なら全力でツッコむが、その気力すらわかない。
「とはいえ、コンプリートな訳ではないけどな。」
本来、饕餮を殺し、棣棠を拷問にかけ、情報を聞き出すのがベストアンサーだった。しかし、饕餮が死んだ少し後、棣棠は口の中に仕込んだ毒薬を飲み、自決してしてしまった。
「結局、なぜこんなことをしていたのか分からず終いかよ〜!」
「そもそも、なんでお前らは華連邦に居るんだよ?」
「話すと長いんだがけどよ〜。実はな___」
______こうして、事件は終わっていった。
はっきりいうと、レイは自分が死んだと思った。
よく、小説で死ぬときは、目の前が白く見えるというシーンがあるだろう。実際、科学的にそうなるのかレイは知らないが、誰だって急に視界が白くなるという緊急事態が起きたなら、このような内容を頭の中で再生するのではないだろうか?
などと、一瞬の間に自身の身に起きた出来事にやや現実逃避気味な考えを張り巡らさせていると、声が聞こえた。
「レイぃぃぃ!!!三歩右にずれて、45度の方向に撃てぇ!!!上手いこと行ったら、敵を殺せる!」
ルーザだった。いつも通り、声が無駄に大きい。
(ん?声が聞こえるってことは、もしかして俺、生きてる?)
これが、生きている最中に起こった現象とするなら、何が起こったのだろうか?
「ッ!?なにが…起きた……?」
どうやら、敵もこの真っ白な状況は同じらしい。
とにかく、レイは自分だけの力では何もすることができないので、ルーザの指示に従う。
(右に三歩進んで…!45度…!?)
普段何気なくできることが、視界が塞がることにより格段に難しくなる。一発、狙いを定め撃ってみると、ルーザが「違う!もうちょい左だ!!!」と注意を出した。まるで、スイカ割りのようである。何がなんだかわからない。
(俺は敵を撃つ時、視界以外で何を使っている__?何をすればこの状況で敵を撃つことができる__?)
視界ではない。何で敵を見る事ができるのか。
____呼吸音が聞こえた。
すーっ、すーっ、としたやや過呼吸気味な音だった。呼吸の長さからして、体躯は大柄。ちょうど、ルーザが指していた場所に近い場所だった。さらに、耳を澄ましてみると、布が擦れる音と首を動かし髪が揺れる音がする__。
______引き金を引いた。
レイが放った弾丸は、狙い外さず敵に向かって飛び、饕餮の胸を撃ち抜いた。
鮮血が舞う。そばに倒れていた棣棠の顔に血がかかり、その白い頬を染めた。
最期倒れる時饕餮は何か呟いたが、レイには聞こえなかった。ただ__
「…そうだったのかぁ……っ。それじゃぁ…ボクも一緒に行こうかな……」
という棣棠の言葉だけが聞こえ、すぐに、呼吸音が一つ、減った。
段々と、視界が戻ってきた。違和感は生じるが、もう少し経てば完治するだろう。真っ先にレイはルーザのもとに向かった。
「んー?レイ、さっきはありがとうだぜ〜!助かっ__」
「いや、お前何したんだ?」
身長では、ルーザの方が高いが、筋力はレイの方が上である。胸ぐらを掴み揺さぶる。
「急にさー?説明もなくー?目の前が真っ白になった俺の気持ちを考えてみろよ?ビビったんだからな?人生終了したかと思ったんだからな?」
「い、いや〜?『作戦がある』とは伝えてあったし?結果的に上手く行ったからもう良いじゃん〜!」
「『結果だけ』見ればな!?俺のパニック味わってみろよ!?」
盛大にツッコミ、胸ぐらを離す。
「で、何を使ったんだ?」
「閃光手榴弾だぜ〜!目を眩ませる閃光と耳をつんざく爆発によって数秒のあいだ人間の全感覚を麻痺させることができる優れものなんだ!」
「そうか!それって飛んできた破片で失明したりするんだからな?まじそこんところ大丈夫か?」
「…そこは皆への信頼だぜ〜!それに、アリスが証明をぶっ壊してくれたおかげで、気づかれずに上手く投げれたしな!」
はじめの言葉に間が開いたのは気のせいだろうか。多少不安があるが確かに結果うまく行った。
「…これでこそ、『トワイライト』か」
思わず自嘲すると、「凄いだろう!」と何故かルーザが胸を張った。普段なら全力でツッコむが、その気力すらわかない。
「とはいえ、コンプリートな訳ではないけどな。」
本来、饕餮を殺し、棣棠を拷問にかけ、情報を聞き出すのがベストアンサーだった。しかし、饕餮が死んだ少し後、棣棠は口の中に仕込んだ毒薬を飲み、自決してしてしまった。
「結局、なぜこんなことをしていたのか分からず終いかよ〜!」
「そもそも、なんでお前らは華連邦に居るんだよ?」
「話すと長いんだがけどよ〜。実はな___」
______こうして、事件は終わっていった。
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