‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』
反射的に全員が戦闘態勢に入る。
(__っ!明らかに棣棠の横にいるガスマスク野郎ただものじゃねぇッ…!)
レイの動物の勘がそう告げる。
(饕餮の隣に居るのが__噂の棣棠か!)
ルーザが一目でそう判断し、鋭利な思考を巡らせる。
そんな固まる二人とは対象的にイーレは大振りな東洋の刀を握り、急接近した。
「おいガスマスク!あんた強いだろうなぁ!!!さっきの奴__棣棠だっけか?は尻尾巻いて逃げるから戦えなかったんだ!俺と!戦ってくれ!!」
かなりの速さである。そのスピードから、一切速度を落とす事無く、刃を饕餮に向かって振り下ろした。まず、これが一般人だったら、脳天から足先まで二枚おろしだろう。レイでも、攻撃を防ぐために腕をへし折られているほどだ。称賛を心のなかで送る。しかし__。
「否…!棣棠を馬鹿にするなぁ……!!!」
彼もまた近距離を得意とする。槌を振り回し、イーレは一度後退を余儀なくされた。
レイが何とか援護しようと拳銃を向けるが何者かに遮られた。
「ねぇ、君達の相手はボク何だけど?とはいえ、ボクが戦う訳では無いんだけどね♪」
遮ったのは、先程のアリス同等、棣棠に操られている一般人のようだ。棣棠はサディスティックに笑う。
「ど、どうする?三人とも?」
モニカが不安そうにおろおろと聞く。
「どうすると言われても…、私があそこに飛び込んで出来ることと言えば、特攻くらいですからね。ここで待機します。」
ムギが戦うレイとイーレを見ながら言った。
「私も、そうね。交渉が通じそうな相手では無さそうだし。」
ミリョカが頷く。
「俺は少し仕事をしようかなー。大変そうだし!」
ルーザは前者とは違い、仕事をするそうである。何か出来ることあるのか?とも思われるが、一応訓練は積んである。そのまま、ルーザは激しい戦いに身を投じた。
「__クソっ!」
棣棠を射殺に挑むこと十回。何度やっても操られている者に邪魔され、棣棠まで銃弾が届かない。
(何か隙があれば良いんだが…!)
ないものねだりだが、レイはそう思ってしまう。
が、突然攻撃の手が緩む。これは幻覚か?と首を傾げると、後方から声が聞こえた。
「__ふん。愚か者が。私を操れるなど勘違いも甚だしい。そのまま地獄に落ちろ。」
「……アリス!!!」
頼れる部下が見事復活し、己の能力を発揮していた。
レイがこんな事態にも関わらず、アリスのセリフに「いや、普通に操られてたくね?」とツッコんだが、黙殺された。
「__死ね!!!」
アリスが得意とするマシンガンが火を吹いた。
先ほどまで恐怖の対象だったものが、こんなに頼もしく思える事などあるものか。アリスが放った弾丸達は一般人達の身体を貫通し、棣棠に向かう。
「……っぁ、ぁぁぁあ!!!」
致命傷は避けたようだが、弾丸の一つが棣棠の太ももに突き刺さった。これではもうまともには戦えないだろう。
[太字]「__棣棠ッ!?!?」[/太字]
饕餮がらしくない大声をあげ、血を流す棣棠に飛びつこうとする。
「隙ありだぜっ!!!」
イーレが心臓に刃を振るう。が、饕餮はギリギリ避け、代わりにマントとガスマスクが引き裂かれた。おそらく、顔面も少し切れたのだろう。血が空気中に飛ぶ。しかし、饕餮はそんなことは全く気にせずに地に伏す棣棠を抱き上げた。
「棣棠!?棣棠っ!棣棠っ!!!」
まるで、幼子のように何度も名を呼びかける。
「……うる…さい。ボクは…だいじょうぶだから…。」
言葉とは裏腹に、大丈夫な訳では無さそうだ。小柄な故、もう貧血なようだった。
「お前はぁ…っ、いつでもそうだな……。十年前も…ボクが居なきゃ、なぁんも出来ないんだから。」
隙だらけに見えるだろう。今のうちに何なり殺したほうが良い。しかし、この場にいる全員は全く動けなかった。
「__頑張ってこいよ。」
その一言を残し、彼女は気絶したようだ。このままだと出血死に至るだろう。
饕餮は、なんというか、先とはオーラが違っていた。覚悟が決まったのだろうか。改めてレイは拳銃を握り直す。
饕餮は俯かせていた顔をあげ、こちらを向いた。
全員が息を呑む。
そのガスマスクの下の素顔は____酷く、酷く、醜い痣があった。
(__っ!明らかに棣棠の横にいるガスマスク野郎ただものじゃねぇッ…!)
レイの動物の勘がそう告げる。
(饕餮の隣に居るのが__噂の棣棠か!)
ルーザが一目でそう判断し、鋭利な思考を巡らせる。
そんな固まる二人とは対象的にイーレは大振りな東洋の刀を握り、急接近した。
「おいガスマスク!あんた強いだろうなぁ!!!さっきの奴__棣棠だっけか?は尻尾巻いて逃げるから戦えなかったんだ!俺と!戦ってくれ!!」
かなりの速さである。そのスピードから、一切速度を落とす事無く、刃を饕餮に向かって振り下ろした。まず、これが一般人だったら、脳天から足先まで二枚おろしだろう。レイでも、攻撃を防ぐために腕をへし折られているほどだ。称賛を心のなかで送る。しかし__。
「否…!棣棠を馬鹿にするなぁ……!!!」
彼もまた近距離を得意とする。槌を振り回し、イーレは一度後退を余儀なくされた。
レイが何とか援護しようと拳銃を向けるが何者かに遮られた。
「ねぇ、君達の相手はボク何だけど?とはいえ、ボクが戦う訳では無いんだけどね♪」
遮ったのは、先程のアリス同等、棣棠に操られている一般人のようだ。棣棠はサディスティックに笑う。
「ど、どうする?三人とも?」
モニカが不安そうにおろおろと聞く。
「どうすると言われても…、私があそこに飛び込んで出来ることと言えば、特攻くらいですからね。ここで待機します。」
ムギが戦うレイとイーレを見ながら言った。
「私も、そうね。交渉が通じそうな相手では無さそうだし。」
ミリョカが頷く。
「俺は少し仕事をしようかなー。大変そうだし!」
ルーザは前者とは違い、仕事をするそうである。何か出来ることあるのか?とも思われるが、一応訓練は積んである。そのまま、ルーザは激しい戦いに身を投じた。
「__クソっ!」
棣棠を射殺に挑むこと十回。何度やっても操られている者に邪魔され、棣棠まで銃弾が届かない。
(何か隙があれば良いんだが…!)
ないものねだりだが、レイはそう思ってしまう。
が、突然攻撃の手が緩む。これは幻覚か?と首を傾げると、後方から声が聞こえた。
「__ふん。愚か者が。私を操れるなど勘違いも甚だしい。そのまま地獄に落ちろ。」
「……アリス!!!」
頼れる部下が見事復活し、己の能力を発揮していた。
レイがこんな事態にも関わらず、アリスのセリフに「いや、普通に操られてたくね?」とツッコんだが、黙殺された。
「__死ね!!!」
アリスが得意とするマシンガンが火を吹いた。
先ほどまで恐怖の対象だったものが、こんなに頼もしく思える事などあるものか。アリスが放った弾丸達は一般人達の身体を貫通し、棣棠に向かう。
「……っぁ、ぁぁぁあ!!!」
致命傷は避けたようだが、弾丸の一つが棣棠の太ももに突き刺さった。これではもうまともには戦えないだろう。
[太字]「__棣棠ッ!?!?」[/太字]
饕餮がらしくない大声をあげ、血を流す棣棠に飛びつこうとする。
「隙ありだぜっ!!!」
イーレが心臓に刃を振るう。が、饕餮はギリギリ避け、代わりにマントとガスマスクが引き裂かれた。おそらく、顔面も少し切れたのだろう。血が空気中に飛ぶ。しかし、饕餮はそんなことは全く気にせずに地に伏す棣棠を抱き上げた。
「棣棠!?棣棠っ!棣棠っ!!!」
まるで、幼子のように何度も名を呼びかける。
「……うる…さい。ボクは…だいじょうぶだから…。」
言葉とは裏腹に、大丈夫な訳では無さそうだ。小柄な故、もう貧血なようだった。
「お前はぁ…っ、いつでもそうだな……。十年前も…ボクが居なきゃ、なぁんも出来ないんだから。」
隙だらけに見えるだろう。今のうちに何なり殺したほうが良い。しかし、この場にいる全員は全く動けなかった。
「__頑張ってこいよ。」
その一言を残し、彼女は気絶したようだ。このままだと出血死に至るだろう。
饕餮は、なんというか、先とはオーラが違っていた。覚悟が決まったのだろうか。改めてレイは拳銃を握り直す。
饕餮は俯かせていた顔をあげ、こちらを向いた。
全員が息を呑む。
そのガスマスクの下の素顔は____酷く、酷く、醜い痣があった。
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