‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』
レイたちが会議をしていた頃__。
「何故私達がギャンブルをする必要があるんですか?」
とある裏カジノに四人は集まっていた。カジノには麻薬のような甘ったるい匂いが充満し、今宵も一攫千金を夢見た者達とそれを客にした者達が集まっている。ムギは不満そうに周りのギャンブラーやカジノディーラーを観察しながら言った。ルーザはチッチッチッと指を振りながら答える。
「ギャンブルのことはギャンブルやってる人に聞いたほうが早えだろ?で、俺達が全く遊びをしていなかったら、怪しいじゃーん。ギャンブル好きの若者が噂に気になってるって体で探ろうぜ。」
かなり筋の通っている話だったので、誰も反論することなく賭け事に参加する。突然現れた四人組に周りは好奇心の眼を向けた。まず初めに、ポーカーに参戦。その次は、 ルーレット。更に、ブラックジャック、ダーツなど。
__どれもルーザが勝った。まさか連勝であった。
「…あなた、ギャンブルが得意なんですね。」
「そうゴミを見る目をするなよー、ムギ。職業柄、大体何でもできるんだよ。それに、人の顔色で何考えているか予想がつくだけさー。」
「別にゴミを見る目はしていません。ただ今後の関わり方を考え直そうとしていただけです。」
「ひどっ!?ドン引きじゃん!」
などと雑談していると太った男に声を掛けられた。
「凄いねぇ!君たち!全勝じゃないか!」にこにこと男は笑顔をみせる。
「いやー、どうもだぜ〜。」ルーザが笑みを返すと男は気分を良くしたようだ。おそらく酒が回っているんだろう。
「でも、アイツには及ばないかもねぇ」
男は少し残念そうに口にした。聞かれてもないことをペラペラと喋る。絶好のカモだ。
「アイツって誰なの?」ミリョカが不思議そうに小首をかしげると男は絶世の美女に頬を緩め四人に話した。
「ここ五ヶ月の間に頭角を現したギャンブラーのことだよ。ついたあだ名は『面影草』。まだ、一度も負けたことがないんだ。」
そこで一旦男は話を区切る。先ほどよりも声のボリュームを下げ、小声で囁いた。
「__風の噂だけど、『面影草』は、少女らしいんだ。山吹色のウルフカットが特徴なんだって。棣棠と名乗っているそうだよ。」
思わぬ、美味い情報にルーザは笑みを浮かべる。男と別れ、四人で一度密談する。
「おそらく、その『面影草』__棣棠ってヤツが今回の事件の犯人だぜ。五ヶ月前っていう時系列もピッタシだ。モニカとミリョカは、棣棠について探ってきてくれ。」
翌日__レイたちが華連邦についた時と同じ頃__ルーザ達は棣棠のアジトの前に立っていた。
棣棠のアジトは巨大なスラムの一角に存在することがモニカとミリョカの調べでわかり、今まさに侵入しようとしているのだ。
「これで上手く捕まえて私が拷問にかければ良いんだね!一件落着だよ!!」
モニカが嬉しそうに飛びはねる。情報曰く、棣棠は小柄な少女なので激しい戦闘にはならないだろう。
「んじゃぁ、お邪魔するか。____?」
四人が突入しようとした時、全身に薄ら寒い悪寒が走った。心臓を直接掴まれるような錯覚を覚える。これは___殺気。反射的に四人全員が伏せた瞬間、頭の上を銃弾が通過した。
「否…。避けるか………。」
アジトの道に不気味な男がこちらを見ていた。手には拳銃。こちらを撃った相手だろう。かなり身長の高い、百八十センチメートルは余裕にあるだろう。フードを目深に被り、顔面全体を覆うガスマスク。丈の長いマントを羽織り、体つきすらわからない。ただわかるのは__圧倒的な敵意。
「…是。我はお前を殺す為に此処に来た。あの人の命令だからな…。」
「ああ、そうかい。そりゃぁ困ったな。」
ルーザはこんな時にも笑って言った。
「何故私達がギャンブルをする必要があるんですか?」
とある裏カジノに四人は集まっていた。カジノには麻薬のような甘ったるい匂いが充満し、今宵も一攫千金を夢見た者達とそれを客にした者達が集まっている。ムギは不満そうに周りのギャンブラーやカジノディーラーを観察しながら言った。ルーザはチッチッチッと指を振りながら答える。
「ギャンブルのことはギャンブルやってる人に聞いたほうが早えだろ?で、俺達が全く遊びをしていなかったら、怪しいじゃーん。ギャンブル好きの若者が噂に気になってるって体で探ろうぜ。」
かなり筋の通っている話だったので、誰も反論することなく賭け事に参加する。突然現れた四人組に周りは好奇心の眼を向けた。まず初めに、ポーカーに参戦。その次は、 ルーレット。更に、ブラックジャック、ダーツなど。
__どれもルーザが勝った。まさか連勝であった。
「…あなた、ギャンブルが得意なんですね。」
「そうゴミを見る目をするなよー、ムギ。職業柄、大体何でもできるんだよ。それに、人の顔色で何考えているか予想がつくだけさー。」
「別にゴミを見る目はしていません。ただ今後の関わり方を考え直そうとしていただけです。」
「ひどっ!?ドン引きじゃん!」
などと雑談していると太った男に声を掛けられた。
「凄いねぇ!君たち!全勝じゃないか!」にこにこと男は笑顔をみせる。
「いやー、どうもだぜ〜。」ルーザが笑みを返すと男は気分を良くしたようだ。おそらく酒が回っているんだろう。
「でも、アイツには及ばないかもねぇ」
男は少し残念そうに口にした。聞かれてもないことをペラペラと喋る。絶好のカモだ。
「アイツって誰なの?」ミリョカが不思議そうに小首をかしげると男は絶世の美女に頬を緩め四人に話した。
「ここ五ヶ月の間に頭角を現したギャンブラーのことだよ。ついたあだ名は『面影草』。まだ、一度も負けたことがないんだ。」
そこで一旦男は話を区切る。先ほどよりも声のボリュームを下げ、小声で囁いた。
「__風の噂だけど、『面影草』は、少女らしいんだ。山吹色のウルフカットが特徴なんだって。棣棠と名乗っているそうだよ。」
思わぬ、美味い情報にルーザは笑みを浮かべる。男と別れ、四人で一度密談する。
「おそらく、その『面影草』__棣棠ってヤツが今回の事件の犯人だぜ。五ヶ月前っていう時系列もピッタシだ。モニカとミリョカは、棣棠について探ってきてくれ。」
翌日__レイたちが華連邦についた時と同じ頃__ルーザ達は棣棠のアジトの前に立っていた。
棣棠のアジトは巨大なスラムの一角に存在することがモニカとミリョカの調べでわかり、今まさに侵入しようとしているのだ。
「これで上手く捕まえて私が拷問にかければ良いんだね!一件落着だよ!!」
モニカが嬉しそうに飛びはねる。情報曰く、棣棠は小柄な少女なので激しい戦闘にはならないだろう。
「んじゃぁ、お邪魔するか。____?」
四人が突入しようとした時、全身に薄ら寒い悪寒が走った。心臓を直接掴まれるような錯覚を覚える。これは___殺気。反射的に四人全員が伏せた瞬間、頭の上を銃弾が通過した。
「否…。避けるか………。」
アジトの道に不気味な男がこちらを見ていた。手には拳銃。こちらを撃った相手だろう。かなり身長の高い、百八十センチメートルは余裕にあるだろう。フードを目深に被り、顔面全体を覆うガスマスク。丈の長いマントを羽織り、体つきすらわからない。ただわかるのは__圧倒的な敵意。
「…是。我はお前を殺す為に此処に来た。あの人の命令だからな…。」
「ああ、そうかい。そりゃぁ困ったな。」
ルーザはこんな時にも笑って言った。
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