‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』
指示のあった時刻になった。
レイは、近くの山に潜んでいた。
木の色合いにちゃんと合わせた迷彩服を着て、愛銃を『幽園地』本部に向ける。
フィルアが本部に突撃し、戦ってくるものを叩き壊す。そして、レイがここから逃げようとする者たちを狙撃するという計画だった。フィルアは本部に隣接しているダムの影に隠れてもらっている。
[後一分たったら、斬り込みます。レイさんも準備を。]
先日もらったムギ特製の無線機をつけた耳からからフィルアの声が聞こえた。
「おーけー。んじゃ、いっちょ殺ったりますか。」
レイはこれからやることに覚悟を決め、笑みを浮かべる。
[残り十秒。八、七、六、五、四、三___]
そこまで、カウントが進んだ時だった。
____ダムが決壊した。
ダムとは、川の流れをせき止め、水を貯めるための構造物のことを指す。余程の大雨が降らない限り、決壊は起こらない仕組みになっているにもかかわらず。
これまで貯まっていた大量の水が溢れ出す。
「___っ!? フィルアぁ無事か!?!?]
無線機に呼びかけると、呼んだ人とは別の声が聞こえた。
[緊急事態発生……。ダムが決壊。一時、計画を中断…。]
デシジョンの静粛な声だった。
そして、[こち…ら。なん………無事…す]途切れ途切れだったが、フィルアの声だった。
(クソっ!『幽園地』、俺等が来ることを見越して、罠を張っていたのか!というかよくフィルアは無事だな!?)
味方にツッコミを入れるが、今はそれどころではない。
___木の陰から四人の人が飛び出してきた。
手には武器が握られており、殺意など火を見るより明らかだ。
「___っ!」
一人目はナイフを持っていたが、なんとか愛銃の銃身で攻撃を受け止め、ウエストホルスターから近距離向きの拳銃を取り出し、発泡。慌てていたが、右足の太ももと左足のふくらはぎに当てられ、戦闘停止状態にさせた。二人目は腹に思いっきり蹴りを入れた。二人目はちょうど三人目と重なった位置に立っていたので、三人目と仲良く巻き込んで気絶した。四人目はどうやら銃が得意なようだったが、レイには遠く及ばず、拳銃で眉間を打たれ、人生を退場していった。
(中々な策士が向こうにいるようだな…っ)
レイは悟る。隙のつき方がかなり上手い。などと考えているとこちら側の策士が声を掛けてきた。
[これから、とある作戦を話す……。この作戦はかなり無茶だと思うけど……これ道理に進んだら、生きて帰れると思うよ……」
どうやら、この緊急事態に対する策を考えたらしい。
[レイ…。できる……?]
そのかなり無茶な作戦を聞きながら、レイは髪を掻き上げ、質問に答える。
「___I'll do it!」
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