‐RAY‐ 『参加型 ‐ボス枠終了‐』
___ボス全員と会い、この階について知ってから、特に何もなく一ヶ月が過ぎた。
『トワイライト』では、かなり大きな任務や依頼などがなければ、個人個人で仕事を受け、事を成す。この一ヶ月も特に他のメンバーとは、仕事では会わなかった。___仕事では。
復習だが、この豪華絢爛なD階に住んで良いことになっている。レイと同様、他メンバーもここに暮らしている。会うのは必然だった。
「レイさん。ルールを守ってください。」
「すみません。でも、七時までに起床ってルールですけど、一分遅れただけ…」
「………………」
「いくら眠たくても、廊下では寝るな!自室で寝ろ!!」
「レイー。ゲーム一緒にやんない?」
「一応言っておくが、俺任務中だからな?そこんところ大丈夫か?」
「コーヒーって美味しいですよね。」
「俺より若いくせに、ブラックコーヒー飲めるんだな………」
「ハウワッツ!?!?!?!?! Wi-Fi何処ぉぉぉ!!!!!!」
「うるせぇぇぇぇぇぇ!隣、俺の部屋なんだよぉ!Wi-Fi切れる度に叫ぶなぁっ!?」
「いたずら成功〜!全く、新人君は引っかかりやすいね〜!」
「廊下に罠を作る方がおかしいんだよ!常識を知れ!!」
「可愛いこちゃんじゃない。お菓子作ったの。あーんしてあげるわよ?」
「い、いえ、全然、大丈夫です……」
主に他ボスにレイは思いっきり振り回されていた。
毎度毎度、レイが折れ、常識外れ共に付き合っているのである。
そんな時だった。
___全員集合の合図が掛かったのは。
先ほども言ったが、ボスが全員集まり、依頼、任務をこなすというと、かなり危険度の高い場合だけである。
レイは緊張した面持ちで、指定された最初他ボスと挨拶した部屋に向かった。
___七人全員が集まった。
全員思い思いで座っている。レイのように緊張しているヤツも居れば、リラックスしまくってるヤツも居た。
最初に工作のボス、ムギが声を発する。
「今回、『幽園地』を跡形もなく潰すのが目標です。」
(『幽園地』を潰す___っ?)
レイは動揺を隠せない。『幽園地』とは、レイ達の居る『トワイライト』本部より西に存在するマフィア組織である。あくまでも予想だが、現在ある裏社会の中では、六位ほどの権力を持っているグループであった。何度か幹部に会ったことがあるが、中々手強い相手だと記憶している。
それを、潰す。しかも跡形もなく。
(___これが、『トワイライト』か。)レイは戦慄した。
改めて、今自分が所属している『トワイライト』の強さを感じる。
「最近、どうも『幽園地』の動きがきな臭いのです。」
そのまま淡々とムギは続けた。『幽園地』が各国の政治家を殺した、奴隷を売った、村を滅ぼしたなどと理由を説明する。
「詳しい内容は、デシジョンさん。お願いします。」
参謀ボス、デシジョンが前に立った。誰をどうしてどう消すのか。具体的に、かつ細やかに、大胆に作戦があげられていく。
______作戦を聞きながら、レイは考える。
(これまで『幽園地』は目立った動きがなかったが、これはどうゆうことだ?何がしたいんだ___?)
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