これからも忘れない
#1
10月の外は少し寒いがどちらかといえば涼しく、今日は天気も良い。
しかし、[漢字]凛[/漢字][ふりがな][/ふりがな]は緊張しながら学校に行く。
今日は縦割り班が決まる日だ。
縦割り班は、1〜6年生の各学年で1人ずつの6人によって組まれるグループのようなものだ。
この縦割り班で学校の掃除をしたり、月に一回縦割り遊びをする。
5年生の凛は緊張しながら学校へ向かう。
なぜ緊張しているのかとういと、
凛は3年生のある男子に片想いをしているからだ。
その人と同じ縦割り班になれるかどうか分からなくて、緊張しているのだ。
学校に着いた。
下駄箱に靴を入れ上履きを取り出して履く。
3階まで階段を登る。
いつも3階に着く頃には息切れしそうになっている。
凛は5年1組だから1番手前の教室だ。
教室に入り、自分の席に着いて鞄を片付ける。
すると、縦割り班の表が前の黒板に貼ってあることに気づく。
緊張しながら、表を見に行く。
凛は自分の名前を見つけた。
好きな人とは違う班だった。
凛はショックを受けたが、何とかして気持ちを落ち着かせた。
同じ班になりたい人となれる確率なんて相当低い。
仕方ないとは思いつつも、凛は悲しい気持ちになった。
今日の午後、縦割り班の顔合わせがある。
同じ班の人は全員知らない人だったから、少し緊張はするものの、どんな人なのか知りたい気持ちもあった。
給食が食べ終わった。
縦割り班の顔合わせは体育館で行うため、全員整列して体育館へ向かう。
縦割り班の6年生は班長と呼ばれ、縦割りで集まる時は基本6年生の班長が中心となって、掃除などを行う。
先生の話を少し聞いた後、縦割り班ごとに顔合わせが始まった。
班長の指示に従い、班ごとで輪になってそれぞれ自己紹介を始めた。
自己紹介が終わった後は班ごとにハンカチ落としなど軽い遊びをした。
しかし凛の意識はほとんど、他の班にいる好きな人の方に向いていた。
次の日になった。
今日は掃除がある。
掃除は縦割り班ごとに場所が割り当てられている。
最初に6年生が水を入れたバケツを持ってきて、全員分の雑巾を絞ってくれる。
終わりには、5年生が全員分の雑巾を絞って、バケツの水を捨てる。
凛は掃除場所に向かって、掃除をする。
終わりのチャイムが鳴り、凛は全員分の雑巾をバケツの水につけて絞る。
6人分の雑巾を1人で絞るなんて大変だなと思っていた。
そしたら、同じ班の6年生の男子、つまり班長が来て一緒に雑巾を絞ってくれた。
優しい人だなと凛は思った。
掃除は、月曜日、水曜日、金曜日の週3回だった。
毎回の掃除の終わりに、班長は一緒に雑巾を絞ってくれた。
班長は[漢字]凪[/漢字][ふりがな][/ふりがな]という名前である。
凛はいつのまにか、凪に惚れていた。
今まで好きだった3年生のことは忘れていて、今は1個年上の6年生である凪が好きだった。
それ以降、凛は掃除の時間が楽しみになった。
しかし、その分自分を責めることが多くなった。
凛は周りの目を気にしてあまり自分から行動することが出来ない人なのだ。
[斜体]凪はいつも掃除の終わりに雑巾を絞ってくれているのに、やらなくていいことをしてくれていて、そのおかげで自分は助かっているのに、なんで自分は何もできないの…?[/斜体]
[斜体]自分も最初に雑巾を絞るのを手伝ってあげたいのに、他の人に何か思われるのが嫌だ、人の目を気にしたくない、でも気にしてしまう…[/斜体]
このような思いが溢れて、凛は、もう何をすれば良いのか分からなくなった。
そしてある日、凪は凛を手伝わなくなり、ゴミ箱の周りの埃などを箒とちりとりで掃除するようになってしまい、凛が絞った雑巾を元の場所に掛けるだけになった。
凛は、
[斜体]もうあの人は私のこと嫌いなんだろうな…[/斜体]
と思うようになってしまった。
もちろん、確実な証拠などない。
どちらにせよ凛は自分のせいだと過剰に思い込み自分が嫌いになった。
時が経ち、6年生は全員小学校を卒業した。
凛たちの学校は、基本全員同じ中学校に行くため、あと1年したらまた会うことはあるのだ。
でも、
[斜体]きっとその頃には凪は私のことなど忘れているだろうな[/斜体]
と凛は思った。
この半年間の恋はバッドエンドに終わったが、凛にとって忘れられない恋になった。
きっとこれから、雑巾を絞るたびにあの人のことを、凪のことを凛は思い出すのだろう。
[太字]凛はこれからも凪のことを忘れない。[/太字]
しかし、[漢字]凛[/漢字][ふりがな][/ふりがな]は緊張しながら学校に行く。
今日は縦割り班が決まる日だ。
縦割り班は、1〜6年生の各学年で1人ずつの6人によって組まれるグループのようなものだ。
この縦割り班で学校の掃除をしたり、月に一回縦割り遊びをする。
5年生の凛は緊張しながら学校へ向かう。
なぜ緊張しているのかとういと、
凛は3年生のある男子に片想いをしているからだ。
その人と同じ縦割り班になれるかどうか分からなくて、緊張しているのだ。
学校に着いた。
下駄箱に靴を入れ上履きを取り出して履く。
3階まで階段を登る。
いつも3階に着く頃には息切れしそうになっている。
凛は5年1組だから1番手前の教室だ。
教室に入り、自分の席に着いて鞄を片付ける。
すると、縦割り班の表が前の黒板に貼ってあることに気づく。
緊張しながら、表を見に行く。
凛は自分の名前を見つけた。
好きな人とは違う班だった。
凛はショックを受けたが、何とかして気持ちを落ち着かせた。
同じ班になりたい人となれる確率なんて相当低い。
仕方ないとは思いつつも、凛は悲しい気持ちになった。
今日の午後、縦割り班の顔合わせがある。
同じ班の人は全員知らない人だったから、少し緊張はするものの、どんな人なのか知りたい気持ちもあった。
給食が食べ終わった。
縦割り班の顔合わせは体育館で行うため、全員整列して体育館へ向かう。
縦割り班の6年生は班長と呼ばれ、縦割りで集まる時は基本6年生の班長が中心となって、掃除などを行う。
先生の話を少し聞いた後、縦割り班ごとに顔合わせが始まった。
班長の指示に従い、班ごとで輪になってそれぞれ自己紹介を始めた。
自己紹介が終わった後は班ごとにハンカチ落としなど軽い遊びをした。
しかし凛の意識はほとんど、他の班にいる好きな人の方に向いていた。
次の日になった。
今日は掃除がある。
掃除は縦割り班ごとに場所が割り当てられている。
最初に6年生が水を入れたバケツを持ってきて、全員分の雑巾を絞ってくれる。
終わりには、5年生が全員分の雑巾を絞って、バケツの水を捨てる。
凛は掃除場所に向かって、掃除をする。
終わりのチャイムが鳴り、凛は全員分の雑巾をバケツの水につけて絞る。
6人分の雑巾を1人で絞るなんて大変だなと思っていた。
そしたら、同じ班の6年生の男子、つまり班長が来て一緒に雑巾を絞ってくれた。
優しい人だなと凛は思った。
掃除は、月曜日、水曜日、金曜日の週3回だった。
毎回の掃除の終わりに、班長は一緒に雑巾を絞ってくれた。
班長は[漢字]凪[/漢字][ふりがな][/ふりがな]という名前である。
凛はいつのまにか、凪に惚れていた。
今まで好きだった3年生のことは忘れていて、今は1個年上の6年生である凪が好きだった。
それ以降、凛は掃除の時間が楽しみになった。
しかし、その分自分を責めることが多くなった。
凛は周りの目を気にしてあまり自分から行動することが出来ない人なのだ。
[斜体]凪はいつも掃除の終わりに雑巾を絞ってくれているのに、やらなくていいことをしてくれていて、そのおかげで自分は助かっているのに、なんで自分は何もできないの…?[/斜体]
[斜体]自分も最初に雑巾を絞るのを手伝ってあげたいのに、他の人に何か思われるのが嫌だ、人の目を気にしたくない、でも気にしてしまう…[/斜体]
このような思いが溢れて、凛は、もう何をすれば良いのか分からなくなった。
そしてある日、凪は凛を手伝わなくなり、ゴミ箱の周りの埃などを箒とちりとりで掃除するようになってしまい、凛が絞った雑巾を元の場所に掛けるだけになった。
凛は、
[斜体]もうあの人は私のこと嫌いなんだろうな…[/斜体]
と思うようになってしまった。
もちろん、確実な証拠などない。
どちらにせよ凛は自分のせいだと過剰に思い込み自分が嫌いになった。
時が経ち、6年生は全員小学校を卒業した。
凛たちの学校は、基本全員同じ中学校に行くため、あと1年したらまた会うことはあるのだ。
でも、
[斜体]きっとその頃には凪は私のことなど忘れているだろうな[/斜体]
と凛は思った。
この半年間の恋はバッドエンドに終わったが、凛にとって忘れられない恋になった。
きっとこれから、雑巾を絞るたびにあの人のことを、凪のことを凛は思い出すのだろう。
[太字]凛はこれからも凪のことを忘れない。[/太字]
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