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最後の日記、〜✖️○村で〜(奥村美雪)

#1


20××年、1月6日
「奥村さんが、村の奥に引っ越す〜なんてな!わはは」
何が面白いのか。私の父はつくづく能天気だ。
警察官である父の急な転勤で田舎のそのまた田舎の山奥にある村、「吹雪村」に
引っ越すことになった。
仲の良かった友達とも別れ、その上交通の便も悪く、スーパーの一つもない。
最悪だ。母も今日はずっと黙っていた。
新たな家はそこそこ広いが、Gを見てしまった。本当に最悪だ。
そういえば今日は母が
「美雪、あなたは長生きしてね。」
と言っていた。なんの心配だよ。
20××年、1月8日
今まで欠かさず日記をつけていた私が3日間も書かなかった、いや、書けなかった理由。この村は、村人はおかしい。
一昨日から学校に通い始めたが、2学年、各12人ずつの少人数。ザ・田舎だ。
村に部外者が入ってきたら、最初は警戒するものではないだろうか?
初日、学校のみんなが話しかけてきた。みんな優しくて学校案内もしてくれた。
そこまでは普通だった。問題はそのあとだ。
君が悪いくらいにみんなが優しい。言葉で表すのは難しい。
異常なまでにとにかく優しいのだ。
道で会う村人も同じように。
みんな笑っているのにどこか笑っていない。
ずっと見ているとすごく寒気を感じる。明日は雪予報だ。
20××年、1月9日
これが最後の日記だ。正真正銘の。
また書くことはあっても名前も変わっているだろう。
学校に行っていつも通りに帰ってきた。
いつもと違うのは、吹雪いていたことくらいだった。
こんな村こなきゃ良かった。もっと反対すればよかった。
そうすればママとパパが死ぬことなんてなかった。あんな風に。
今も思い出すだけで吐き気がする。真っ白なはずの雪が真っ赤に染まっていた。
ママは面影がなかった。内臓まで引きずり出されて、目は白目をむいていた。
すぐそばに落ちていた髪かざりで判断できただけ。
パパは、パパは、ママをかばって。
ママとパパの周りには村人がいた。いつもの笑顔をを浮かべてた。
私は叫んだ。そしたら全員いなくなった。つぎはわたが殺される。
みんな優しかったのは私たちを食うためだ。ママとパパをだまして家から出させるためだ。きっとママはわかってたんだ。
せめてあの言葉は守らなきゃ。せめて、せめて。
にげなきゃ

作者メッセージ

美雪がどうなったのかは誰も知らない。
吹雪村に引っ越すときはどうかお気を付けて。

2025/04/12 17:57

シアナ ID:≫ 2.F4VJVZ.Cz4Q
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