side隼人

『ブース！』
『死ね！』
―ガタッ
対して価値のない[大文字]前世の記憶[/大文字]を思い出していると
椅子を引きずったような音がし、思わず隣を見ると昨晩も見たばかりの綺麗な顔が映った
[小文字]「●●？」[/小文字]
そう呟くと目が合い、思わず目をそらしてしまった
「隼人？どーかした？」
思わずボーっとしていると友人でもあり、同期でもある葉月 駿に声をかけられた
「いや、俺の隣の席の子...」
「ん？ってあ～！お前がいつも配信見てる子じゃん⁉え、声かけよ！」
「えっ⁉おい！」
声をかけたときにはもう遅かった
「ねぇねぇ！配信者の●●だよね？」
「え⁉わかり、ますか？」
「あ～、俺はね？わかんなかったんだけどー隼人が大ファンで！」
「おい駿！言うなよ！」
「え～なんで？」
そう隣の席の●●さんは、俺がいつも見ている配信者の方だった
その人はいじめを受けていたことがあるのにもかかわらず勇気を出して配信を始めたのだと言う
俺もいじめを受けていたから人の前に立つのがとても怖いという感覚がよくわかる
そんな●●さんに勇気づけられ●●さんが夢だと話していたアイドル活動を始めた
そしたら思いの外人気が出て、東京ドームに立つことができた
だからこんなに人気が出たのはすべて●●さんのおかげなのだ
いつか会いたいと思っていた●●さんと同じ高校、同じクラス、隣の席になるとは思っていなかった

side●●

「ねぇねぇ！配信者の●●だよね？」
さっき心優に教えてもらったばかりのsparkling starsの葉月 駿くんにそう声をかけられた
私は、前世からアイドルに憧れていたので割と小さいときに配信者を始めたのだ
その中でも私は人気のないほうだと思っているし実際に会うと
『顔が全然違う...//』
と言われるため私はブスなんだと思ってしまう
「え⁉わかり、ますか？」
だから驚きそう返すと
「あ～、俺はね？わかんなかったんだけどー隼人が大ファンで！」
まさかのリーダーである月城 隼人くんが私の配信を見てくれているのだという
「おい駿！言うなよ！」
「え～なんで？」
そのあとそういう会話をしていたため超人気アイドルなのに私なんかの配信を見ているんだって周りに思われたくないよね...と自己嫌悪に陥ってしまった