逆さま
#1
純光
太古の昔から、生き物は種族で分けられて生きてきた。
強靭な肉体を持つ者、優雅で美しい者、そしてあるいは何も無い者。それぞれが自分の姿を見つけ生きようと1日1日を生きている。……俺はそれが納得いかない。
姿が違くとも、考え方が違くとも、その考えを受け入れ互いに共存することが出来なければ残りは死だけだ。
今や天使と悪魔で分けられたこの世界でも、ろくでもない奴らばかりが蔓延る世の中になってる。
何なんだ鬱陶しい、金に塗れ欲に溺れ、我を失い互いを傷つけあう。しみったれたクソみたいな生き方。
なんて事を考えてると、俺の好まない匂いがした。
……太陽の匂いだ。悪魔は基本夜行性で、月の出る夜に活動したがる。だから太陽を浴びると灰になるんだ。
その匂いがする場所に近付くと…「…は……?」頭の上の黄色い輪っか、白い翼、白のシャツとズボンで身を包む姿。天使以外に思いつかない。何があったのかは分からないが、傷だらけで疲れ切っている。普通の奴ならここで見殺しにでもするだろうが、俺は生きてる奴は助けたい主義だ、殺しはしない。「…おい、おい。」声をかけるとそれに応じるかのように、手が微かに動いた。
「起きてんのか寝てんのかハッキリしろ。」その小さい喉から出る声は小さく、よく分からない。体を起こし、抱き抱える。「拾われる相手が俺で良かったな。」そう呟いて運ぶあの時の俺は、少し優しい人になれた気がした。
強靭な肉体を持つ者、優雅で美しい者、そしてあるいは何も無い者。それぞれが自分の姿を見つけ生きようと1日1日を生きている。……俺はそれが納得いかない。
姿が違くとも、考え方が違くとも、その考えを受け入れ互いに共存することが出来なければ残りは死だけだ。
今や天使と悪魔で分けられたこの世界でも、ろくでもない奴らばかりが蔓延る世の中になってる。
何なんだ鬱陶しい、金に塗れ欲に溺れ、我を失い互いを傷つけあう。しみったれたクソみたいな生き方。
なんて事を考えてると、俺の好まない匂いがした。
……太陽の匂いだ。悪魔は基本夜行性で、月の出る夜に活動したがる。だから太陽を浴びると灰になるんだ。
その匂いがする場所に近付くと…「…は……?」頭の上の黄色い輪っか、白い翼、白のシャツとズボンで身を包む姿。天使以外に思いつかない。何があったのかは分からないが、傷だらけで疲れ切っている。普通の奴ならここで見殺しにでもするだろうが、俺は生きてる奴は助けたい主義だ、殺しはしない。「…おい、おい。」声をかけるとそれに応じるかのように、手が微かに動いた。
「起きてんのか寝てんのかハッキリしろ。」その小さい喉から出る声は小さく、よく分からない。体を起こし、抱き抱える。「拾われる相手が俺で良かったな。」そう呟いて運ぶあの時の俺は、少し優しい人になれた気がした。
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