原稿用紙

100字以内でまとめなさいと言われたとして
一体この世の何人が本音で語るのか
ぐちゃぐちゃとしたこの思いを文字列に変換する
勿論そこにはフェイクも含まれる
大人が気にいる文章を
優等生、すぎても、いけなくて
劣等生は論外だと跳ね飛ばされる
文字数指定があるならばキッチリその指定通りに
自由な発想と言われれば突飛な考えを入れて
でも、型は破らずに
そうして作り上げたのが完璧な原稿用紙

この世界は僕らにあまりにも多くを求めすぎている
と、思わないか
多すぎる条件の中で書かなきゃいけない小論文
自由に思えてそこに発想は求められない
如何にして嫌われないか、NGワードを書かないか
思った事など書けやしない
作り上げるのは作文用の二重人格
提出するときは少しだけ口角を上げて
お願いしますと丁寧に
片手で渡すなんて論外で常識、そんなものは世の条理
4枚の原稿用紙は完璧だった