幸福者

奪われていく幸せがある。
壊されていく運命がある。
涙で無理矢理に押し固めた感情は一体何なのか。
あともう少し腕を伸ばしてつかめるものがそこにあるのにさ。
一歩踏み出すことが怖くなって目を瞑ってしまう、そんな自分が私は嫌いだ。
あーあ!いっそのこと何もかもが闇に呑まれてしまったらいいのになって心の底から叫ぶ!
幸せになんてなれるはずがないんだ。
私は一生不幸者なんだ。仕方がないよ!
闇に向かって走ってゆく。

自分は不幸だと嘆くものがいる。
幸せにはなれないと。
心の底から不幸ならば、嘆くことさえもできないのではないか。
苦しみに呻く人々を軽蔑するよ。
いっそのこと何もかも諦めてしまったら楽なのになって、思ってしまう自分が嫌いだ。
あーあ!いっそのことこの世界ごと全部消えて使えばいいのになって願ってしまうんだ!
私は一体何者なのか!わかるはずがないよ。
頭を抱えうずくまるんだ。

私は貴方で貴方は私。