愛情

顔も見たくないほどに大っ嫌いで、
あなたが笑った顔なんて覚えてないよ。
一緒に過ごした楽しい記憶、
大喧嘩したどうしようもない思い出。
そういうものが一切なくて。
そこに悪意と殺意はあったけど、
愛情と希望はなくてさ。
仕方がないよと思ってた。これが私の運命だ。
なのにどうしてこんなにも悲しく思えてくるのだろう。
あなたがいないというだけで。
どれだけ叫んでも届かない場所にいる。
いつになったら戻ってくるの？
悲しみと苦しみの狭間にあった愛情。
見失っていたんだ。
それでも次に会える日はなんだか全て見失ってしまいそうで、怖いんだ。
手に入れた束の間の愛情。
もうてばなしたくなくて。
顔も見るのも声を聞くのも嫌だったのに。
微かな愛情にどうしてこれほどまでに涙が出たんだろう。
もう手放したくないよ。
その微かな愛情を。