Flower
伊邪那美「どうなって……おい海良!」
俺は海良に声をかける。
だが、応答は無かった。
ただ分かることといえば、海良が静かに外を見ていること。
零拝「海良さん!何がなんだかわかりませんけど、外出て状況確認しましょうよ!?」
………
え、何なのこの状況。
海良「……出るぞ。」
伊邪那美「はぁ!?」
あ、喋った。
海良「お前ら、予言って信じるか?」
唐突な海良の質問に、俺は、いや俺たちは「は?」と呟く。
朱雀「何急に……。予言て…信じないけど……」
伊邪那美も零拝も信じないと言う。
海良「だろうな。じゃあ、一つ質問だ。」
海良は俺たちの答えに答えるように、少し間を置いた。
海良「[太字]今、これが予言だったらどうする?[/太字]」
海良が静かに呟いた。
朱雀「…………答えさせるつもりなんて更々無いだろ。その質問は」
海良「……まぁそうだな。」
俺の言葉に少し面食らいながらも海良は頷いた。
零拝「え…じゃあこれって予言なんですか?」
零拝が震えた声で言った。
海良「…あぁ。そうだ。信じ難いと思うがな。」
零拝の表情が曇る。
伊邪那美「でも、その[漢字]予言[/漢字][ふりがな]証拠[/ふりがな]ってどこにあるんだよ?そんな予言聞いたことねぇぞ」
伊邪那美が空を見上げて言う。
伊邪那美「この空は前例が無い。海良だって見たこと無いだろ…?」
海良「俺だって見たこと無いし信じたくない。だが、俺の部屋で見つけちまったんだよ。」
伊邪那美「……何をだ?」
海良「予言をな。」
伊邪那美「教えてくれ、それを。」
伊邪那美が海良を真っ直ぐ見つめた。
海良「……移動しながら話そうか。」
俺は一文字も聞き逃すまいとじっと聞いていた。
海良「確か三年前、俺は部屋を掃除をしててな。久しぶりに本が仕舞ってあるタンスを整理しようと、タンスを開けたのだが。」
海良「多分、先祖代々で受け継がれてきた本なのかな。蓬家に伝わる伝記みたいなのを見つけて、俺は気になって見てみたんだ。そしたら―――」
海良「予言が、書いてあったんだよ。」
海良「内容は――、」
『7月26日に空が禍々しい色に染まり、[太字]未確認生物[/太字]が江戸を襲う』
海良「って、書いてあったんだ。一応現代語で言ってみたけど、多分、書かれた時代的に江戸時代だな。」
海良「俺は、予言を信じないタイプでさ。その予言を信じようとは思わなかった。…だって―――」
[太字]ノストラダムスの大予言が当たらなかったように。
世界を巻き込んだ予言が当たらなかったように。[/太字]
それでも人間は根拠の無い予言に振り回されて。
それが嘘かもしれないのに信じてしまう。
海良「………でも。」
海良「今、現実になってしまった。」
静かに言う海良に、俺たちの足は止まってしまう。
零拝「ちょ……ツッコミどころ満載なんですが、その[太字]未確認生物[/太字]と言うのは?空は合っていますけど未確認生物は合っていないんじゃ…」
零拝はまだ信じたくないと言わんばかりに海良に言った。
確かに、今は空だけでその未確認生物と言えるものは見つからない。
海良「それは俺も思った。だけど、こんな色で何も起こらないは無いだろ……」
伊邪那美「じゃあ、まだ何かが―――」
ドゴッ!
朱雀「――何も無いはずもなく…ってとこか……」
朱雀「どーすんの、これ。」
神奈川県みなとみらい。
7月26日午後3時53分。
[中央寄せ][太字]確認。[/太字][/中央寄せ]
俺は海良に声をかける。
だが、応答は無かった。
ただ分かることといえば、海良が静かに外を見ていること。
零拝「海良さん!何がなんだかわかりませんけど、外出て状況確認しましょうよ!?」
………
え、何なのこの状況。
海良「……出るぞ。」
伊邪那美「はぁ!?」
あ、喋った。
海良「お前ら、予言って信じるか?」
唐突な海良の質問に、俺は、いや俺たちは「は?」と呟く。
朱雀「何急に……。予言て…信じないけど……」
伊邪那美も零拝も信じないと言う。
海良「だろうな。じゃあ、一つ質問だ。」
海良は俺たちの答えに答えるように、少し間を置いた。
海良「[太字]今、これが予言だったらどうする?[/太字]」
海良が静かに呟いた。
朱雀「…………答えさせるつもりなんて更々無いだろ。その質問は」
海良「……まぁそうだな。」
俺の言葉に少し面食らいながらも海良は頷いた。
零拝「え…じゃあこれって予言なんですか?」
零拝が震えた声で言った。
海良「…あぁ。そうだ。信じ難いと思うがな。」
零拝の表情が曇る。
伊邪那美「でも、その[漢字]予言[/漢字][ふりがな]証拠[/ふりがな]ってどこにあるんだよ?そんな予言聞いたことねぇぞ」
伊邪那美が空を見上げて言う。
伊邪那美「この空は前例が無い。海良だって見たこと無いだろ…?」
海良「俺だって見たこと無いし信じたくない。だが、俺の部屋で見つけちまったんだよ。」
伊邪那美「……何をだ?」
海良「予言をな。」
伊邪那美「教えてくれ、それを。」
伊邪那美が海良を真っ直ぐ見つめた。
海良「……移動しながら話そうか。」
俺は一文字も聞き逃すまいとじっと聞いていた。
海良「確か三年前、俺は部屋を掃除をしててな。久しぶりに本が仕舞ってあるタンスを整理しようと、タンスを開けたのだが。」
海良「多分、先祖代々で受け継がれてきた本なのかな。蓬家に伝わる伝記みたいなのを見つけて、俺は気になって見てみたんだ。そしたら―――」
海良「予言が、書いてあったんだよ。」
海良「内容は――、」
『7月26日に空が禍々しい色に染まり、[太字]未確認生物[/太字]が江戸を襲う』
海良「って、書いてあったんだ。一応現代語で言ってみたけど、多分、書かれた時代的に江戸時代だな。」
海良「俺は、予言を信じないタイプでさ。その予言を信じようとは思わなかった。…だって―――」
[太字]ノストラダムスの大予言が当たらなかったように。
世界を巻き込んだ予言が当たらなかったように。[/太字]
それでも人間は根拠の無い予言に振り回されて。
それが嘘かもしれないのに信じてしまう。
海良「………でも。」
海良「今、現実になってしまった。」
静かに言う海良に、俺たちの足は止まってしまう。
零拝「ちょ……ツッコミどころ満載なんですが、その[太字]未確認生物[/太字]と言うのは?空は合っていますけど未確認生物は合っていないんじゃ…」
零拝はまだ信じたくないと言わんばかりに海良に言った。
確かに、今は空だけでその未確認生物と言えるものは見つからない。
海良「それは俺も思った。だけど、こんな色で何も起こらないは無いだろ……」
伊邪那美「じゃあ、まだ何かが―――」
ドゴッ!
朱雀「――何も無いはずもなく…ってとこか……」
朱雀「どーすんの、これ。」
神奈川県みなとみらい。
7月26日午後3時53分。
[中央寄せ][太字]確認。[/太字][/中央寄せ]