消しカスとおまえ
#1
消しカスは人に似ている。
窓から差し込む光が照らすノートの上、
そこに転がる薄汚れた小さな塊を見て、なんとなくそう思った。
こんなことを考えている場合ではないのだが、
つい指の腹を押し付けて、ひと粒ずつ集めていく。
捨てればゴミだが、集めて押し固めれば形になる。
まるで人生だ。
没アイディアから名作が生まれるように。失敗から得られる物があるように。
使えば使うほどその身は削れていく。
一丁前に服なんか来て。
間違えた部分に頭を必死に擦り付ける様は、
大きなミスをしたサラリーマンのようだ。
おまけに、上手くできた物は残すクセに、不出来な過去は消したがる。
だが、これでは消しカスではなく消しゴムだ。
消しゴムは人間に似ている、だ。
いや、やはり、自分は消しカスなのだろう。
そんなに立派な”消しゴム”ではないのだから。
空は青い。
窓から差し込む光が照らすノートの上、
そこに転がる薄汚れた小さな塊を見て、なんとなくそう思った。
こんなことを考えている場合ではないのだが、
つい指の腹を押し付けて、ひと粒ずつ集めていく。
捨てればゴミだが、集めて押し固めれば形になる。
まるで人生だ。
没アイディアから名作が生まれるように。失敗から得られる物があるように。
使えば使うほどその身は削れていく。
一丁前に服なんか来て。
間違えた部分に頭を必死に擦り付ける様は、
大きなミスをしたサラリーマンのようだ。
おまけに、上手くできた物は残すクセに、不出来な過去は消したがる。
だが、これでは消しカスではなく消しゴムだ。
消しゴムは人間に似ている、だ。
いや、やはり、自分は消しカスなのだろう。
そんなに立派な”消しゴム”ではないのだから。
空は青い。
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