悪人の正義〜井手畑物語〜
気がつくと、見慣れないところにいた。辺りを見渡すと木造でできた家のようだ。それにしても、布団といい、家の中といい、かなり質素だ。というか、貧乏だ。状況把握のために、布団の周りを見ると、ペンダントがおいてあった。彼はそれが、とても大切な意味を持っている気がして、首から下げた。
しかし、見慣れないところにいただけが、異変ではない。彼は、ここがどこかということだけでなく、自分の名前まで分からなくなってしまった。
(自分の名前って、なんだっけ?今まで、なにをしてきたんだっけ?どうしてここに、いるんだ?)
でも、思い出そうとすればするほど、記憶はより曖昧になっていく。その時、外からわー、と大勢の声が聞こえた。汚くて、薄い布団を押しのけて、外に出ていこうと思ったとき、気がついた。歩きにくいな、と思い自分の服を見ると小袖のような服になっていた。いつの間にか、着替えさせられていたらしい。だが、元々どんな服を着ていたか忘れた彼は、まあ、そんなものか、と思い外に出た。
外に出た瞬間、腰を抜かしってしまった。目の前を、4人の足軽たちが通っていったからだ。偽物とは到底思えない槍を持ち、何より、殺気立っていた。食べ物などを略奪しに来たのだろうか。しかも運の悪いことに、4人のうちの1人が彼の存在に気がついてしまった。
「やあ、坊っちゃん。」
明らかに、意地悪そうな笑みを浮かべて足軽たちがよってきた。
「ここは、お子様のいるところじゃないぜ。」
あっという間に、足軽たちに囲まれてしまった。上からの圧が強い。
「ここに暮らしていたやつはみんな逃げてしまったのに、お前だけなんで逃げないんだ?」
「もしかして、殺されたいんじゃないのか?」
足軽たちが槍を振りかぶって彼を殺そうとした時だった。
「お前たち、いったいここでなにをしている?」
しかし、見慣れないところにいただけが、異変ではない。彼は、ここがどこかということだけでなく、自分の名前まで分からなくなってしまった。
(自分の名前って、なんだっけ?今まで、なにをしてきたんだっけ?どうしてここに、いるんだ?)
でも、思い出そうとすればするほど、記憶はより曖昧になっていく。その時、外からわー、と大勢の声が聞こえた。汚くて、薄い布団を押しのけて、外に出ていこうと思ったとき、気がついた。歩きにくいな、と思い自分の服を見ると小袖のような服になっていた。いつの間にか、着替えさせられていたらしい。だが、元々どんな服を着ていたか忘れた彼は、まあ、そんなものか、と思い外に出た。
外に出た瞬間、腰を抜かしってしまった。目の前を、4人の足軽たちが通っていったからだ。偽物とは到底思えない槍を持ち、何より、殺気立っていた。食べ物などを略奪しに来たのだろうか。しかも運の悪いことに、4人のうちの1人が彼の存在に気がついてしまった。
「やあ、坊っちゃん。」
明らかに、意地悪そうな笑みを浮かべて足軽たちがよってきた。
「ここは、お子様のいるところじゃないぜ。」
あっという間に、足軽たちに囲まれてしまった。上からの圧が強い。
「ここに暮らしていたやつはみんな逃げてしまったのに、お前だけなんで逃げないんだ?」
「もしかして、殺されたいんじゃないのか?」
足軽たちが槍を振りかぶって彼を殺そうとした時だった。
「お前たち、いったいここでなにをしている?」