悪人の正義〜井手畑物語〜
秘密基地に戻ると、待ちわびた大河が飛びついて来た。早く見たくて、興奮を抑えられないようだ。
「ねえ、どうだった?なんだった?」
直吉は手に持っていたペンダントを見せた。興奮で、ペンダントと同じくらい目がキラキラ輝いている。
「うわー!すごいねえ。これ、なんの模様だろう?」
大河は掘ってある家紋を指さして言った。
「さあね。僕もこれが何か、よくわからないよ。でも、どこかで見たことがあるような気がするんだよなあ」
大河は、すぐに食いついてきた。
「ほんとに⁉」
大河がそう言ったとき、間延びしたようなおかえりチャイムが鳴った。2人は、ハッとした顔を見合わせた。
「やばい」
「もう帰らなきゃ!」
2人は口々に焦りを口にして、もと来た道を歩いていった。この2人の家は反対にあるので、すぐに階段のところで別れた。直吉は帰路を全速力で走っていった。手にペンダントを持って。
家に帰ると、3歳の、弟の[漢字]行助[/漢字][ふりがな]ゆきすけ[/ふりがな]がよたよたと歩いてきた。手に持っていたペンダントを、ポケットに突っ込むと、行助を抱っこした。すると、キッチンからお母さんがひょっこりと顔を出した。
「おかえり!」
「ただいま!」
抱っこした弟を置いて靴を脱いだ。キッチンからは、おいしそうな香りが漂っている。
「夜ご飯、なにー?」
と、聞きながらキッチンをのぞいた。お母さんは、ニコニコしながら答えた。
「今日はカレーだよ!」
「やったー!」
リビングに行くと、0歳の[漢字]愛葉[/漢字][ふりがな]あいば[/ふりがな]がご機嫌にしていた。
「ほーら、愛葉。お兄ちゃんだよ」
直吉が覗き込むと愛葉はキャッキャと言ってにこにこした。
「かわいいー!」
あまりの可愛さに彼が声をあげた時、キッチンからお母さんが、声をかけてきた。
「ご飯、もうすぐできるよ」
「わかった!」
彼は、ペンダントを自分の部屋に置いてから、ご飯を食べようと思った。普段、ポケットの中にものを入れないので、気になっていたからだ。
直吉の部屋は、もともと物置部屋だったので窓がなく、狭いが、居心地の良い部屋だ。彼は、本が大好きなので部屋にぎっしり、本が詰まっている。ペンダントを机において、唐突に思い出した。
(この模様!)
そして、沢山本のある中から、お目当ての本を引っ張り出してきた。その本のタイトルは、「戦国武将大事典」。そして、ものすごい速さでページをめくったかと思うと、すぐに手が止まった。開いてあるページは、「[漢字]井手畑 吉直[/漢字][ふりがな]いでばた よしなお[/ふりがな]」と書いてあった。確かに、井手畑吉直と書いてある、上にペンダントと同じ模様が書いてあった。
「ねえ、どうだった?なんだった?」
直吉は手に持っていたペンダントを見せた。興奮で、ペンダントと同じくらい目がキラキラ輝いている。
「うわー!すごいねえ。これ、なんの模様だろう?」
大河は掘ってある家紋を指さして言った。
「さあね。僕もこれが何か、よくわからないよ。でも、どこかで見たことがあるような気がするんだよなあ」
大河は、すぐに食いついてきた。
「ほんとに⁉」
大河がそう言ったとき、間延びしたようなおかえりチャイムが鳴った。2人は、ハッとした顔を見合わせた。
「やばい」
「もう帰らなきゃ!」
2人は口々に焦りを口にして、もと来た道を歩いていった。この2人の家は反対にあるので、すぐに階段のところで別れた。直吉は帰路を全速力で走っていった。手にペンダントを持って。
家に帰ると、3歳の、弟の[漢字]行助[/漢字][ふりがな]ゆきすけ[/ふりがな]がよたよたと歩いてきた。手に持っていたペンダントを、ポケットに突っ込むと、行助を抱っこした。すると、キッチンからお母さんがひょっこりと顔を出した。
「おかえり!」
「ただいま!」
抱っこした弟を置いて靴を脱いだ。キッチンからは、おいしそうな香りが漂っている。
「夜ご飯、なにー?」
と、聞きながらキッチンをのぞいた。お母さんは、ニコニコしながら答えた。
「今日はカレーだよ!」
「やったー!」
リビングに行くと、0歳の[漢字]愛葉[/漢字][ふりがな]あいば[/ふりがな]がご機嫌にしていた。
「ほーら、愛葉。お兄ちゃんだよ」
直吉が覗き込むと愛葉はキャッキャと言ってにこにこした。
「かわいいー!」
あまりの可愛さに彼が声をあげた時、キッチンからお母さんが、声をかけてきた。
「ご飯、もうすぐできるよ」
「わかった!」
彼は、ペンダントを自分の部屋に置いてから、ご飯を食べようと思った。普段、ポケットの中にものを入れないので、気になっていたからだ。
直吉の部屋は、もともと物置部屋だったので窓がなく、狭いが、居心地の良い部屋だ。彼は、本が大好きなので部屋にぎっしり、本が詰まっている。ペンダントを机において、唐突に思い出した。
(この模様!)
そして、沢山本のある中から、お目当ての本を引っ張り出してきた。その本のタイトルは、「戦国武将大事典」。そして、ものすごい速さでページをめくったかと思うと、すぐに手が止まった。開いてあるページは、「[漢字]井手畑 吉直[/漢字][ふりがな]いでばた よしなお[/ふりがな]」と書いてあった。確かに、井手畑吉直と書いてある、上にペンダントと同じ模様が書いてあった。