悪人の正義〜井手畑物語〜
「行ってきまーす!」
真っ昼間の暑い昼下、さっきまであの親子が話していた家から、5歳くらいの男の子が飛び出してきた。彼は狭い道をどんどん走っていく。どこに向かっているのだろうか。
5分くらい走ると、周りよりも少し小高い、山が見えてきた。その山には、階段が取り付けてあって観光用のようだ。
しかし彼は、階段には登らず、周りの様子をうかがった。そして、誰もいないことを確認すると、階段横の茂みに入っていった。そこには、曲がりくねった獣道ができていて、そこを彼は歩いていった。少し歩くと周りが開けた場所にでた。するといきなり、後ろから肩を突かれた。
「わっ!」
びっくりして声を出したあとに、すぐに後ろを振り返った。そこにいたのは、彼の友達の[漢字]大河[/漢字][ふりがな]たいが[/ふりがな]だった。大河は彼と同じ学年で、同じ幼稚園だった。
「いきなり、びっくりさせないでよ。」
大河の姿を見るなり、講義を始めた。だが、肝心の大河はそれほど気にしていないようで、聞き流していた。
「いやいや、[漢字]直吉[/漢字][ふりがな]なおきち[/ふりがな]が悪いよ。約束の時間に遅れてきたでしょ。」
確かにそのとおりだったので、直吉は、謝ることにした。
「ごめん。」
でもやっぱり、大河は気にしていないようだった。
「そんなことよりさ、何して遊ぶ?せっかく、秘密基地に来たんだからさ!」
そうそう、言い忘れていた。ここは彼らの秘密基地だ。先日、小屋らしくない小屋を作り、「完成!」などと喜んでいたのに、まだ手を加える気なのだろうか。
「そうだね、、、」
彼は少し考えた。
真っ昼間の暑い昼下、さっきまであの親子が話していた家から、5歳くらいの男の子が飛び出してきた。彼は狭い道をどんどん走っていく。どこに向かっているのだろうか。
5分くらい走ると、周りよりも少し小高い、山が見えてきた。その山には、階段が取り付けてあって観光用のようだ。
しかし彼は、階段には登らず、周りの様子をうかがった。そして、誰もいないことを確認すると、階段横の茂みに入っていった。そこには、曲がりくねった獣道ができていて、そこを彼は歩いていった。少し歩くと周りが開けた場所にでた。するといきなり、後ろから肩を突かれた。
「わっ!」
びっくりして声を出したあとに、すぐに後ろを振り返った。そこにいたのは、彼の友達の[漢字]大河[/漢字][ふりがな]たいが[/ふりがな]だった。大河は彼と同じ学年で、同じ幼稚園だった。
「いきなり、びっくりさせないでよ。」
大河の姿を見るなり、講義を始めた。だが、肝心の大河はそれほど気にしていないようで、聞き流していた。
「いやいや、[漢字]直吉[/漢字][ふりがな]なおきち[/ふりがな]が悪いよ。約束の時間に遅れてきたでしょ。」
確かにそのとおりだったので、直吉は、謝ることにした。
「ごめん。」
でもやっぱり、大河は気にしていないようだった。
「そんなことよりさ、何して遊ぶ?せっかく、秘密基地に来たんだからさ!」
そうそう、言い忘れていた。ここは彼らの秘密基地だ。先日、小屋らしくない小屋を作り、「完成!」などと喜んでいたのに、まだ手を加える気なのだろうか。
「そうだね、、、」
彼は少し考えた。