悪人の正義〜井手畑物語〜
みんなはどんどん自己紹介をしている。
「私は[漢字]糟屋 助右衛門 武則[/漢字][ふりがな]かすや すけえもん たけのり[/ふりがな]。よろしく!!」
「こいつは、とても槍が強いのだ!」
市松は悔しそうに言った。喜平太は苦笑いをした。
「ほら、あとはお前だけだぞ」
「わかっている」
佐吉に並んで無口そうな男が自己紹介を始めた。
「[漢字]加藤 孫六 嘉明[/漢字][ふりがな]かとう まごろく よしあき[/ふりがな]。よろしく」
自己紹介も簡単に済ませてしまった。付き合いにくい人物ではなさそうだ。みんなの自己紹介が終わったところで、虎之介が呟いた。
「それにしても、不思議だあ」
「なにが」
市松が怪訝そうな顔をして聞いた。
「いや、喜平太はなんで同年代の小姓組に入れられなかったのかなあ、と思ってね」
確かに言われてみればそうである。なぜ、年の離れた小姓組のところに来たのだろう。考えても分からなかった。
その時、「敵襲ー!」と声がかかった。相手が城から打って出てきたらしい。市松の顔がぱあっと明るくなった。
「武功をたてるぞ!」
そして、立てかけてあった槍を持っていってしまった。
「私は[漢字]糟屋 助右衛門 武則[/漢字][ふりがな]かすや すけえもん たけのり[/ふりがな]。よろしく!!」
「こいつは、とても槍が強いのだ!」
市松は悔しそうに言った。喜平太は苦笑いをした。
「ほら、あとはお前だけだぞ」
「わかっている」
佐吉に並んで無口そうな男が自己紹介を始めた。
「[漢字]加藤 孫六 嘉明[/漢字][ふりがな]かとう まごろく よしあき[/ふりがな]。よろしく」
自己紹介も簡単に済ませてしまった。付き合いにくい人物ではなさそうだ。みんなの自己紹介が終わったところで、虎之介が呟いた。
「それにしても、不思議だあ」
「なにが」
市松が怪訝そうな顔をして聞いた。
「いや、喜平太はなんで同年代の小姓組に入れられなかったのかなあ、と思ってね」
確かに言われてみればそうである。なぜ、年の離れた小姓組のところに来たのだろう。考えても分からなかった。
その時、「敵襲ー!」と声がかかった。相手が城から打って出てきたらしい。市松の顔がぱあっと明るくなった。
「武功をたてるぞ!」
そして、立てかけてあった槍を持っていってしまった。