悪人の正義〜井手畑物語〜
そのあと、佐吉とは話さないまま陣小屋に帰ってきた。どうやら、戦の真っ最中だったらしい。しかし、兵糧攻めのようで、戦といっても小競り合いがあるくらいらしい。
「兵糧攻めってなあに?」
そういう説明を佐吉から聞いた時に、質問した。佐吉はぼそっと、「そういうことも知らないのか」と、ため息混じりに言ったあとに答えた。
「兵糧攻めとは、敵の食糧補給の道を絶って、相手を弱らせることだ」
「ふーん」
佐吉は説明したあと、すぐに奥の方に歩いていってしまった。喜平太は、置いていかれるのが嫌だったので、彼の後ろについて歩いた。佐吉は彼の気配を察知したのか、振り向きもせずに言った。
「これから、お前に小姓組を紹介しなくてはいけないからな。お前よりはだいぶ年上だが。」
「みんな、いくつなの?」
佐吉は無表情で答えた。
「見ればわかる」
ちょうどそう言ったときに、佐吉は足を止めた。ここに小姓がいるらしい。
「帰ったぞ」
彼は、ブスッとした表情でそう言い、幕を開けた。そこには、強そうな、ーー佐吉なんかよりよっぽど背の高い、男が、5人いた。
「おお、帰ってきたか」
「見回りはどうだった?」
みんな好き勝手騒いでいる。佐吉が少し前に言ったことに納得した。
「兵糧攻めってなあに?」
そういう説明を佐吉から聞いた時に、質問した。佐吉はぼそっと、「そういうことも知らないのか」と、ため息混じりに言ったあとに答えた。
「兵糧攻めとは、敵の食糧補給の道を絶って、相手を弱らせることだ」
「ふーん」
佐吉は説明したあと、すぐに奥の方に歩いていってしまった。喜平太は、置いていかれるのが嫌だったので、彼の後ろについて歩いた。佐吉は彼の気配を察知したのか、振り向きもせずに言った。
「これから、お前に小姓組を紹介しなくてはいけないからな。お前よりはだいぶ年上だが。」
「みんな、いくつなの?」
佐吉は無表情で答えた。
「見ればわかる」
ちょうどそう言ったときに、佐吉は足を止めた。ここに小姓がいるらしい。
「帰ったぞ」
彼は、ブスッとした表情でそう言い、幕を開けた。そこには、強そうな、ーー佐吉なんかよりよっぽど背の高い、男が、5人いた。
「おお、帰ってきたか」
「見回りはどうだった?」
みんな好き勝手騒いでいる。佐吉が少し前に言ったことに納得した。