これぞ青春(?)
第8章
入学2日目。
「あーくそ、腕痛てぇ」
「踏まれてましたもんねー」
「あ? 聞いてない」
「わ、ふんかした」
「朝から元気ですねー」
「あの、さっきからずっとおもてんけど……」「自分もです」「おれもだ」
「「「こいつら、いつになったらおきるの/でしょう/だ?」」」
朝7時前(腹時計)。
枝毛と団子が起きない。非常に爆睡。起きてる勢としては、そろそろ朝食に行きたいところである。
ちなみに、部屋の外ではニワトリがばたばたしたり、扉に突進してきているが、アホ毛によって厳重に閉ざされてるのでびくともしない。
この血も涙もない3名は、本来なら寝ている仲間がいても素知らぬ顔でおいていくのだが、そうはできない理由があった。
「なァんでこいつはおれのスクールバックを抱えて寝てやがるっ」
金髪美少女のスクールバックを抱きまくらとして爆睡ちゃんとすーぱーうるとらきっくをかます枝毛。
「いったいどんなゆめをみてる」
「うーん、きっと血まみれのカワウソに追っかけられてるんじゃないですか?」
学校の地図を愛でたり盆踊ったりしてる白髪団子。
そう、寝ながら壁に体当りしたり、でんぐりがえししたり、じゃんぷしたり、誰かが持ってきたたぬきの置き物をなでたりと、ずいぶん荒れている枝毛と団子。
これでも本当に寝ているのである。
「かわうそ保護団体は置いといて、スクールバック抱かれるの、そんなに嫌です?」
「嫌というか、あの中に色々入ってるし。昨日枯れていろいろ補充したから」
「えだげがしんじゃう」
枝毛からスクールバックを引っこ抜こうと奮闘していた存在感は、昨日金髪のスクールバックからでてきたもの……スプレーや爆弾や爆弾を思い出して、すぐさま飛び退り「たしかにまずいですね」とコメントした。
次に、厚さ10センチの壁や、部屋唯一の照明であるろうそくに突撃してくる団子をぺっ飛ばしてるアホ毛。
「このひとおいてっちゃだめ?」
「……彼女の勢いで暴れまくったら……」
「ん、この部屋壊れるな」
照明と壁の守護者アホ毛がいなければこの部屋は1111%壊れる。
アホ毛は、昨日部屋に関するいろいろな騒動で自分たちに舞い降りた不幸を思い出し、「それもそう」とコメントした。
その後、存在感発案の『枝毛をおいしいので釣ってカバンから離れさせよう作戦』を金髪が持ってたリンゴで成功させ、またまた存在感発案の『暴れ魔を縛り付けよう作戦』をアホ毛の長さ10、強度1で難なく成功させた。
またその後、耳元で轟音をたててみたり、まぶたにテープはってみたり、超々小型爆弾を爆発させてみたりして彼女らの眠りからの覚醒を誘ってみた。
その結果、まだまだ鼻ちょうちんとオトモダチの、りんごにかじりついてる枝毛とたぬきの置き物をすごい力で掴んでいる団子の二人はまぶたに目をかかれ、三人に引っ張られるようにして食堂へ連れていかれた。
道中の会話にて───。
「そういや、おふたりとも起きるの早かったですねー」
「むふーっ」「ぐへへ」
謎に照れるふたり。ちなみにふたりそれぞれの手には、ぐるぐる巻きの枝毛と団子がまぶたに目をかかれ、睡眠状態で引っ張られている。
「まあ、おれは腕が重すぎて起きたんだが」
「明日からも早起きしてくれることを願います」
「……なんか腕踏まれるのは避けられない未来な気がしてきた」
「わたしはそとにさんぽいってた」
「あ、よく外にでられましたねー、ぐべぐね道なのに」
「きのうあけたあなからほてでた」
「……掘ったんですか?」
「お、それ抜け道いっぱいつくったら便利だな」
「ん、そんなことはなしてたらしょくどうだ」
とーてもとーても遠い食堂へ、朝は生徒立ち入り禁止になっている中庭へ不法侵入、無人の教室の窓を躊躇もなくぐるぐるまきの枝毛と団子で叩き割り、そこから20分歩いてからの3階に上がり、別棟へ自作ターザンで一階に移動。からのぐねぐね廊下を右左左で曲がる。そして『食堂は右だよ⭐️』とかかれている十字路を左に行こうとするスーパー方向音痴な存在感を右に引き摺り込んだら、1時間で到着である。窓を叩き割るあたり、ヨイコモワルイコモマネシナイコト。本人たちいわく、そうしないと迷子になって数倍の時間がかかるので仕方ないということである。
食堂入口に差し掛かり、寮父の料理とは違い、(失礼)一流しぇふの作ったおいしいおいしいお料理のいいにおいがしてきた頃、マジックペンで描いた生気のない二人の目がかっぴらいた。
「むむっ、めしのにおいっ」
存在感におんぶされてた白髪団子が存在感の蒼い髪を掴み「はげる〜」とか言いながら二人仲良く後ろに倒れ込んだ。
「むぎゃっ! うんむ……あさ……? ばらにーちゃん、今えさあげるからねぇー……」
金髪が抱えていた枝毛が突如ずり落ち、すーっと金髪にすり寄ってくる。
「んあ? おれはバラニーじゃねぇよっ!?」
頭に手を伸ばしてくる枝毛を気色悪そうに押しのける。
ちなみにアホ毛は見た目が最年少で握力弱そうということで枝毛たち人間よか軽いターザン一式が入ったリュックを背負っている。
ちなみに、現在8時。食堂の出入り口に掛け時計があって良かった。
食堂の扉は、固く閉ざされていた。
「お? しまってる。われらのごはん?」「あ? んで閉まってんだよふざけんな」「あ、そっか。食堂の最終入場って7時30分ですねぇ」「んあぁ? そうだったっけぇ?」「じかんわりないからしかたない……」
まあ扉閉まってるだけで開ければ開くだろ、とか考えて5人で引っ張ったり押したり開けてくださいとか呼びかけてみたりとかやってみたが、昨日5人がかりでぶっ壊された扉は学費と4つの国の税金をふんだんに利用し、もっと厳重につくられていた。昨日の今日で随分とはやい作業である。
最終入場が7時30分ってだけで、まだ食堂の中にいるやつは学食をもぐもぐと頬張っているだろう。
だが、みなさんお忘れではないだろうか。
新入生ビクビクのあのイベントである。
————そう、ニワトリの襲撃である。
「コケッコオオオオオォォォォォッ!!」
こいつらと違ってしっかりとばら撒かれたエサを追い、正規ルートを辿ってきたニワトリさんたちのちょびっと遅れのご登場。
普通少人数のとき成すすべもなくニワトリの餌食になるであろう大量のニワトリがぐねぐねの廊下から姿をあらわした。
まあ、この5人が成すすべもなくニワトリの餌食になるというのかというと————。
「あ♡またニワトリちゃん! かぁあいぃぃっ」「コケッコケェェッ! われ、前よりうまくなったっ」「あ、えっと、自分を無視しないでいただいてよろしいでしょうか……?」「おそるるにたりない、にわとり」「おれに遭遇できるとは幸せ者だな、おまえたち」
————そうでもない。
ニワトリの第1軍は一匹残らず愛でられて、忽然とした表情でニワトリ小屋に帰って行った。
そして第2軍は団子と謎の会話を交わし、軽快な足取りで盆踊りながらその場を後にした。
次に第3軍は突撃する相手を見失い、右往左往してまとまりを失った軍団はまわれ右して帰って行った。
その次、第4軍は廊下の角から姿をあらわすとともに、アホ毛の餌食になって逃げ帰って行った。
また、第5軍は金髪の少女が目に映るとともに幸せそうな顔から蒸気を出して全員もれなく倒れた。
そして最後、第6軍は「くれいじーなくうき」に気圧されてニワトリ小屋まで後ずさって帰っていった。
「みんなふわふわだったぁ♪」「こけっこけっこけぇーっ! むふふ」「あれ……? ニワトリたち、来ないんですか……?」「ふん、にわとりどもにはわたしにゆび(?)いっぽんふれられない⭐️」「あ? かってにたおれやがったあ?」
「んじゃまあそろそろ、はいりますかあ~」
枝毛ののんきな掛け声とともにパンチとキックと噛みまくりの呪文と爆弾とアホ毛が炸裂する。
だんだんだんだんだんだんだんっっ!
大きな音と共に、厳重な扉がへこみ数秒後にアホ毛が数十個かかった南京錠(1個10万円)とともに扉(1600万円)を吹き飛ばした。
あれ、今日は外が静かだな、と思っていた食堂内の人たちは意表を突かれて今日は辛くないカレーやラーメンなどを純白の制服にこぼしそうになっていた。
入学2日目。
「あーくそ、腕痛てぇ」
「踏まれてましたもんねー」
「あ? 聞いてない」
「わ、ふんかした」
「朝から元気ですねー」
「あの、さっきからずっとおもてんけど……」「自分もです」「おれもだ」
「「「こいつら、いつになったらおきるの/でしょう/だ?」」」
朝7時前(腹時計)。
枝毛と団子が起きない。非常に爆睡。起きてる勢としては、そろそろ朝食に行きたいところである。
ちなみに、部屋の外ではニワトリがばたばたしたり、扉に突進してきているが、アホ毛によって厳重に閉ざされてるのでびくともしない。
この血も涙もない3名は、本来なら寝ている仲間がいても素知らぬ顔でおいていくのだが、そうはできない理由があった。
「なァんでこいつはおれのスクールバックを抱えて寝てやがるっ」
金髪美少女のスクールバックを抱きまくらとして爆睡ちゃんとすーぱーうるとらきっくをかます枝毛。
「いったいどんなゆめをみてる」
「うーん、きっと血まみれのカワウソに追っかけられてるんじゃないですか?」
学校の地図を愛でたり盆踊ったりしてる白髪団子。
そう、寝ながら壁に体当りしたり、でんぐりがえししたり、じゃんぷしたり、誰かが持ってきたたぬきの置き物をなでたりと、ずいぶん荒れている枝毛と団子。
これでも本当に寝ているのである。
「かわうそ保護団体は置いといて、スクールバック抱かれるの、そんなに嫌です?」
「嫌というか、あの中に色々入ってるし。昨日枯れていろいろ補充したから」
「えだげがしんじゃう」
枝毛からスクールバックを引っこ抜こうと奮闘していた存在感は、昨日金髪のスクールバックからでてきたもの……スプレーや爆弾や爆弾を思い出して、すぐさま飛び退り「たしかにまずいですね」とコメントした。
次に、厚さ10センチの壁や、部屋唯一の照明であるろうそくに突撃してくる団子をぺっ飛ばしてるアホ毛。
「このひとおいてっちゃだめ?」
「……彼女の勢いで暴れまくったら……」
「ん、この部屋壊れるな」
照明と壁の守護者アホ毛がいなければこの部屋は1111%壊れる。
アホ毛は、昨日部屋に関するいろいろな騒動で自分たちに舞い降りた不幸を思い出し、「それもそう」とコメントした。
その後、存在感発案の『枝毛をおいしいので釣ってカバンから離れさせよう作戦』を金髪が持ってたリンゴで成功させ、またまた存在感発案の『暴れ魔を縛り付けよう作戦』をアホ毛の長さ10、強度1で難なく成功させた。
またその後、耳元で轟音をたててみたり、まぶたにテープはってみたり、超々小型爆弾を爆発させてみたりして彼女らの眠りからの覚醒を誘ってみた。
その結果、まだまだ鼻ちょうちんとオトモダチの、りんごにかじりついてる枝毛とたぬきの置き物をすごい力で掴んでいる団子の二人はまぶたに目をかかれ、三人に引っ張られるようにして食堂へ連れていかれた。
道中の会話にて───。
「そういや、おふたりとも起きるの早かったですねー」
「むふーっ」「ぐへへ」
謎に照れるふたり。ちなみにふたりそれぞれの手には、ぐるぐる巻きの枝毛と団子がまぶたに目をかかれ、睡眠状態で引っ張られている。
「まあ、おれは腕が重すぎて起きたんだが」
「明日からも早起きしてくれることを願います」
「……なんか腕踏まれるのは避けられない未来な気がしてきた」
「わたしはそとにさんぽいってた」
「あ、よく外にでられましたねー、ぐべぐね道なのに」
「きのうあけたあなからほてでた」
「……掘ったんですか?」
「お、それ抜け道いっぱいつくったら便利だな」
「ん、そんなことはなしてたらしょくどうだ」
とーてもとーても遠い食堂へ、朝は生徒立ち入り禁止になっている中庭へ不法侵入、無人の教室の窓を躊躇もなくぐるぐるまきの枝毛と団子で叩き割り、そこから20分歩いてからの3階に上がり、別棟へ自作ターザンで一階に移動。からのぐねぐね廊下を右左左で曲がる。そして『食堂は右だよ⭐️』とかかれている十字路を左に行こうとするスーパー方向音痴な存在感を右に引き摺り込んだら、1時間で到着である。窓を叩き割るあたり、ヨイコモワルイコモマネシナイコト。本人たちいわく、そうしないと迷子になって数倍の時間がかかるので仕方ないということである。
食堂入口に差し掛かり、寮父の料理とは違い、(失礼)一流しぇふの作ったおいしいおいしいお料理のいいにおいがしてきた頃、マジックペンで描いた生気のない二人の目がかっぴらいた。
「むむっ、めしのにおいっ」
存在感におんぶされてた白髪団子が存在感の蒼い髪を掴み「はげる〜」とか言いながら二人仲良く後ろに倒れ込んだ。
「むぎゃっ! うんむ……あさ……? ばらにーちゃん、今えさあげるからねぇー……」
金髪が抱えていた枝毛が突如ずり落ち、すーっと金髪にすり寄ってくる。
「んあ? おれはバラニーじゃねぇよっ!?」
頭に手を伸ばしてくる枝毛を気色悪そうに押しのける。
ちなみにアホ毛は見た目が最年少で握力弱そうということで枝毛たち人間よか軽いターザン一式が入ったリュックを背負っている。
ちなみに、現在8時。食堂の出入り口に掛け時計があって良かった。
食堂の扉は、固く閉ざされていた。
「お? しまってる。われらのごはん?」「あ? んで閉まってんだよふざけんな」「あ、そっか。食堂の最終入場って7時30分ですねぇ」「んあぁ? そうだったっけぇ?」「じかんわりないからしかたない……」
まあ扉閉まってるだけで開ければ開くだろ、とか考えて5人で引っ張ったり押したり開けてくださいとか呼びかけてみたりとかやってみたが、昨日5人がかりでぶっ壊された扉は学費と4つの国の税金をふんだんに利用し、もっと厳重につくられていた。昨日の今日で随分とはやい作業である。
最終入場が7時30分ってだけで、まだ食堂の中にいるやつは学食をもぐもぐと頬張っているだろう。
だが、みなさんお忘れではないだろうか。
新入生ビクビクのあのイベントである。
————そう、ニワトリの襲撃である。
「コケッコオオオオオォォォォォッ!!」
こいつらと違ってしっかりとばら撒かれたエサを追い、正規ルートを辿ってきたニワトリさんたちのちょびっと遅れのご登場。
普通少人数のとき成すすべもなくニワトリの餌食になるであろう大量のニワトリがぐねぐねの廊下から姿をあらわした。
まあ、この5人が成すすべもなくニワトリの餌食になるというのかというと————。
「あ♡またニワトリちゃん! かぁあいぃぃっ」「コケッコケェェッ! われ、前よりうまくなったっ」「あ、えっと、自分を無視しないでいただいてよろしいでしょうか……?」「おそるるにたりない、にわとり」「おれに遭遇できるとは幸せ者だな、おまえたち」
————そうでもない。
ニワトリの第1軍は一匹残らず愛でられて、忽然とした表情でニワトリ小屋に帰って行った。
そして第2軍は団子と謎の会話を交わし、軽快な足取りで盆踊りながらその場を後にした。
次に第3軍は突撃する相手を見失い、右往左往してまとまりを失った軍団はまわれ右して帰って行った。
その次、第4軍は廊下の角から姿をあらわすとともに、アホ毛の餌食になって逃げ帰って行った。
また、第5軍は金髪の少女が目に映るとともに幸せそうな顔から蒸気を出して全員もれなく倒れた。
そして最後、第6軍は「くれいじーなくうき」に気圧されてニワトリ小屋まで後ずさって帰っていった。
「みんなふわふわだったぁ♪」「こけっこけっこけぇーっ! むふふ」「あれ……? ニワトリたち、来ないんですか……?」「ふん、にわとりどもにはわたしにゆび(?)いっぽんふれられない⭐️」「あ? かってにたおれやがったあ?」
「んじゃまあそろそろ、はいりますかあ~」
枝毛ののんきな掛け声とともにパンチとキックと噛みまくりの呪文と爆弾とアホ毛が炸裂する。
だんだんだんだんだんだんだんっっ!
大きな音と共に、厳重な扉がへこみ数秒後にアホ毛が数十個かかった南京錠(1個10万円)とともに扉(1600万円)を吹き飛ばした。
あれ、今日は外が静かだな、と思っていた食堂内の人たちは意表を突かれて今日は辛くないカレーやラーメンなどを純白の制服にこぼしそうになっていた。