あれから数日後、あかりは相変わらず、何事もなかったかのように学校や街を歩いていた。遅刻の常習犯、けれどそのぶっ飛んだ行動力で周りの目を引いていた。

だが、その日、またしてもあのトラックの運転手と遭遇することになる。

「あー、またこの道か。」あかりは、いつものようにスマホを見ながら歩き続けていた。しかし、ふと足を止めて顔を上げると、目の前にあのトラックが停まっていた。

「また…会ったな。」運転手は窓を開け、あかりを見て軽く手を振る。

「あれ、あんた、まだここにいるの？」あかりは驚きの表情を浮かべつつ、少し照れながらも言った。

運転手は笑いながら言った。「俺、実は君のこと気になっててさ。」

あかりはその言葉にまた驚きながら、思わず立ち止まった。「気になって…？」

運転手は少し言いにくそうにしながら、続けた。「いや、なんかさ…君、俺が見た中で一番強い人間だと思うんだ。あの時、何事もなかったかのように立ちはだかって、あんな堂々とした態度…あれ、すごいと思って。」

あかりは少し顔を赤くしながらも、素っ気なく言った。「強いとか、そんな大げさな…ただ、ちょっと注意しただけだよ。」

運転手は、あかりのその言葉を受け入れつつも、なんだか不思議な感覚を抱えていた。その時、何気なく目を向けると、街の一角に見覚えのあるカフェが見えた。

「ねぇ、よかったら一緒にコーヒーでもどうだ？」運転手は少し勇気を出して声をかける。

あかりはその提案に、少し迷いながらも笑顔で答えた。「いいわね。なんか久しぶりに話でもしたい気分だし。」

そして、二人は歩きながらそのカフェに向かうことになった。お互い、ただの偶然の出会いのようで、でもどこか運命を感じるような、不思議な空気が流れていた。