ただ、私を恨んだ。憎んだ。嫌った。
　私は私を押し殺した。
　姉は私を圧し殺した。

　ただ、恨んだ。
　末っ子という私の在り方に。
　姉に嫌われるという私の存在に。

　ただ、泣いた。ただ、殺した。ただ、呪った。ただ、逃げた。
　逃げた先に、天国なんて無かった。
　私に天国は存在しなかった。

　ただ、恨んでいる。
　ずっと、恨んでいる。

　私も、姉も、家族も、他人も、嫌いな奴も、大嫌いだ。

　なぜ、生まれたのか。　それは、母が生んでくれたから。
　なぜ、生きているのか。それは、私が勝手に生きているから。

　履歴に残ってもいい。呪い殺す方法を探した。
　できなかった。
　できない。
　その前に、殺されてしまうから。

　ただ、「死んでしまえ」を繰り返した。
　　私に、姉に、家族に、他人に、嫌いな奴に向かって。

　ただ、死にたかった。
　人を踏み、自分だけが幸せになる世界に生きたくなかったから。

　ただ、死にたくなかった。
　好きな人が、推しが、大切な人がいるから。

　ただ、助けを求めた。
　ぬるく、汚く、美しく、広く、狭く、曖昧なこの世界から逃れた、妄想のもう一人の私に。

　ただ、君に問う。
　この世界について述べよ。