「なんだこれ･･･？」
ペラ

　世界が騒然とした。
　世界的に有名な科学者が、半年後の12月14日に、ある感染症が世界を滅ぼす、という発表をした。あくまで現在の研究結果らしいが、信憑性は高いらしい。
　現在、日本国の北海道の、ある孤立している村で未知の感染症が流行っているという。その感染症の名は「[漢字]TE感染症[/漢字][ふりがな]ティーイーかんせんしょう[/ふりがな]」という。そのTE感染症は地面や木などにも感染し、すべてのものに感染できるという世界が驚いた感染症だ。すでにその村で10名以上が死亡しているという。
　感染していない北海道民は本州に避難し、北海道は全体封鎖。立ち入ることは関係者以外できない。
　TE感染症の解析は行われているが、進歩は未だないという。未知なうえ、なぜ、どうやってできたのか、すべて分からないことから調査は難航しているという。
　しかし、TE感染症がどうやって分かるのかは分かるという。人体の場合は分からないが、木などに感染した場合は、木の表面が剥がれ、上にゆっくり上昇するという。研究関係者によると、北海道では地表や木が剥がれる速度が少しずつ速くなっているという。
　今は6月。新学期や新生活になって2ヶ月。新しい人生を歩もうと考えている時に絶望の知らせ。
　対策を全世界で考えるために、早めに世界に公表したという。
　気の毒に、12月14日に子供が生まれる予定だという一般の女性は――
「どうして･･･少子高齢化が止まらない日本は、次は滅びるとか･･･。子供さえ生きてくれれば良いものを、私達の希望を壊してくるなんて、悲しい以外にありません。どうしてTE感染症ができたのか、早い解明を望んでいます。」
　彼女にとって、どれだけ悲しいことか分からない。ただ、世間はこう言う。「[太字]死の淵の赤子[/太字]」と。

　もっと生きたい人がいるというのに、謎の感染症。
　赤ちゃんがいるのに、生まれる予定の日が世界滅亡の日。
　他国からのバッシングを受ける日本。
　何も罪が無い人も傷つている。
　なぜだろうか。
　なぜ罪を重くするのか。
　自分にはよく分からない。
　謎の感染症、〝TE感染症〟。その解明は、世界が、宇宙が望んでいる。