U-Boot ‐海中の狼‐
「ええっと、魚雷8本ですか。」
「頼みます。」
白い蛍光灯の点いた薄暗い不格好なコンクリートの部屋の中で補給の要求物を書いた紙を経理係に渡す。その後、俺はUボート・ブンカ―から出て久々の町の空気に触れる為に外に出ていた。ナチスの・・・鍵十字の旗が至る所に半分無理矢理掛けたとしか思えないほどにかけられている。そして、恐ろしい物が一つ。フランス人の視線だ。軍服のまま来てしまったのと、日本人ならではの低身長(日本では普通であったが・・・。)、東洋人差別(まぁ、これは覚悟していた。)のせいでめっちゃ睨まれる。新聞持って歩いていたおじさんから唾かけられたし、どれだけ敵対感情抱いているんだよ。そういえば、アイツらと出会った時も、東洋人を劣等的と思っていた奴が多かったんだっけ。口説くの苦労したなぁ。今は、良い(?)思い出である。そう数年前のことに浸りながら町を歩いた。さすが、歴史ある軍港。辺りを見渡すと、人、人、人。そして、ヨーロッパらしい石造りの5、6階建ての建物がひっきりなしに立っている。物凄く賑わっているなぁ・・・。何かお土産買おうかな。Uボート乗りは、給料が良いし、そもそも艦内ではお金など使う事もないので意外と金に困らないから高い物を買っちゃうか。5階建ての建物の1階は、店や料理店となっている。どれ買おうかな・・・・って、俺、日本語とドイツ語と英語しか出来ないんだった!!取り合えず英語で・・。
「プーリズ・・・ギブミーワン・・・ディス!!」
とりあえず、目の前にあったリング状の焼き菓子を指差した。
「ブレストだね。」
「へぇ、美味しそうだね。」
そのまま紙袋に入れてもらった。上面には砂糖がまぶしてあり、とても甘い。ややパサついた生地が癖になりそうである。ブレスト・・・ねぇ。うちの艦の調理員に頼んだら作ってくれるかな?でも、Uボートの調理場は余りにも機材が少ないんだよなぁ。最低限の煮る、焼く、蒸すぐらいしかできないのだ。そんな事をぼんやり考えていると、高高度に何かが飛んでいるのが見えた。飛行機か?イギリス機っぽいな?!。ブレスト市民が、エンジン音の主をじっくりと見た。ただ、一機しかいないようで、周りをうろちょろしている。ブレスト港の方からの砲撃音と共に真っ黒い弾幕が空を覆う。すると、何か紙をそいつは撒いた。こんなのは日常茶飯事だ。どうせプロパガンダの印刷された紙だろ。まぁ、読んだら憲兵に事情聴取されるのでほっといておこう。・・・・が、その落ちてきた紙の一枚が俺の顔面に命中した。一瞬、自分の視界がブラックアウトする。そして、手に取って読んでしまった。
「何だぁ・・。何々・・・・『Uボート狩りのエースからの挑戦状』?ええっと、『Uボートを10隻以上撃沈したJ/K/N級駆逐艦ジャガーは、大西洋においてUボートを10隻以上撃沈した。本艦の艦長アーサー・ルイスは日本人の乗ったUボートの噂を聞きつけ、興味を持った。もしいるのであるならば、10月31日、イギリス近海のドーバー海峡で決戦を申し込みたい。来ないのであれば卑怯者の烙印を押す。ドイツ海軍の栄光の為にもぜひ来てほしい。では、ドーバー海峡で。』はぁ?!」
これ、挑戦状が挑戦状って奴か。面白れぇ。どうやら死にたいらしいな。乗ってやる。そんなことを考えて興奮しながら軍港に戻った。
「頼みます。」
白い蛍光灯の点いた薄暗い不格好なコンクリートの部屋の中で補給の要求物を書いた紙を経理係に渡す。その後、俺はUボート・ブンカ―から出て久々の町の空気に触れる為に外に出ていた。ナチスの・・・鍵十字の旗が至る所に半分無理矢理掛けたとしか思えないほどにかけられている。そして、恐ろしい物が一つ。フランス人の視線だ。軍服のまま来てしまったのと、日本人ならではの低身長(日本では普通であったが・・・。)、東洋人差別(まぁ、これは覚悟していた。)のせいでめっちゃ睨まれる。新聞持って歩いていたおじさんから唾かけられたし、どれだけ敵対感情抱いているんだよ。そういえば、アイツらと出会った時も、東洋人を劣等的と思っていた奴が多かったんだっけ。口説くの苦労したなぁ。今は、良い(?)思い出である。そう数年前のことに浸りながら町を歩いた。さすが、歴史ある軍港。辺りを見渡すと、人、人、人。そして、ヨーロッパらしい石造りの5、6階建ての建物がひっきりなしに立っている。物凄く賑わっているなぁ・・・。何かお土産買おうかな。Uボート乗りは、給料が良いし、そもそも艦内ではお金など使う事もないので意外と金に困らないから高い物を買っちゃうか。5階建ての建物の1階は、店や料理店となっている。どれ買おうかな・・・・って、俺、日本語とドイツ語と英語しか出来ないんだった!!取り合えず英語で・・。
「プーリズ・・・ギブミーワン・・・ディス!!」
とりあえず、目の前にあったリング状の焼き菓子を指差した。
「ブレストだね。」
「へぇ、美味しそうだね。」
そのまま紙袋に入れてもらった。上面には砂糖がまぶしてあり、とても甘い。ややパサついた生地が癖になりそうである。ブレスト・・・ねぇ。うちの艦の調理員に頼んだら作ってくれるかな?でも、Uボートの調理場は余りにも機材が少ないんだよなぁ。最低限の煮る、焼く、蒸すぐらいしかできないのだ。そんな事をぼんやり考えていると、高高度に何かが飛んでいるのが見えた。飛行機か?イギリス機っぽいな?!。ブレスト市民が、エンジン音の主をじっくりと見た。ただ、一機しかいないようで、周りをうろちょろしている。ブレスト港の方からの砲撃音と共に真っ黒い弾幕が空を覆う。すると、何か紙をそいつは撒いた。こんなのは日常茶飯事だ。どうせプロパガンダの印刷された紙だろ。まぁ、読んだら憲兵に事情聴取されるのでほっといておこう。・・・・が、その落ちてきた紙の一枚が俺の顔面に命中した。一瞬、自分の視界がブラックアウトする。そして、手に取って読んでしまった。
「何だぁ・・。何々・・・・『Uボート狩りのエースからの挑戦状』?ええっと、『Uボートを10隻以上撃沈したJ/K/N級駆逐艦ジャガーは、大西洋においてUボートを10隻以上撃沈した。本艦の艦長アーサー・ルイスは日本人の乗ったUボートの噂を聞きつけ、興味を持った。もしいるのであるならば、10月31日、イギリス近海のドーバー海峡で決戦を申し込みたい。来ないのであれば卑怯者の烙印を押す。ドイツ海軍の栄光の為にもぜひ来てほしい。では、ドーバー海峡で。』はぁ?!」
これ、挑戦状が挑戦状って奴か。面白れぇ。どうやら死にたいらしいな。乗ってやる。そんなことを考えて興奮しながら軍港に戻った。