U-Boot ‐海中の狼‐
あの後、「魚雷の補給だけだから」と、寄港地に選ばれたのは・・・・・
フランス、ブルターニュ半島西端ブレスト潜水艦基地。元々フランス海軍の最大の軍港だったのだが、フランスが1カ月足らずでドイツに敗北したためドイツ海軍の基地として使われている。
「はぁ。気が重いです。自分の国の軍港をぶっ壊した国が使うって・・・。現地住民は良く思わないでしょう。睨まれたりするんですかね・・・。」
水上航行中の監視任務で艦橋上部から双眼鏡を覗いていたパウスからか。まぁ。そうなのだが・・・・。
「睨まれようが蔑まれようが、任務をやるしかないんだよ。見えたぞ。現ウィジー・フランス海軍兼ドイツ海軍の軍港・・・。ブレスト。」
この港は、所謂リアス海岸の奥深くにある港だ。沿岸部には、岬をぐるっと囲む様に巨大な壁が張り巡らされている。現在も要塞兼軍港司令部に使われている石造りの巨城、ブレスト城だ。それの周りにキールの時と同じ、Uボート・ブンカ―が建てられてた。そこは鍵十字の旗の下でUボートの整備基地として扱われているのだ。
「おい、そろそろ寄港準備に入れ。荷物をまとめろよ。」
そう命令しながら、俺はブレストの街並みを眺めた。何と美しい海軍港なのだろうか。歴史ある海軍港。あのブレスト城は、ローマ時代からあるらしい。歴史を感じるよな。それから、拡張と塔の増設を繰り返して現在に至るとの事。海軍基地でなけりゃぁ、遊園地か・・・・あるしは歴史遺跡になったのかもな。
「艦長、寄港準備できました。」
「エルンスト、珍しいな。航行中に艦橋に出るなんて。」
「久々に潮風に当たりたい気分なんですよ。」
「そうか・・・・。ブレスト、綺麗だな。」
「そうですね。フランス料理食べたいなぁ。」
「無理。明日には出港だ。とんぼ返りだな。だって、キール出てからまだ一週間だろ。」
「え?!4日じゃないんですか??」
「船乗りあるあるだな。日付の感覚がズレてる。まぁ、あんな暗い船内にいたら当たり前か」
近づくに連れ、ブレストの街並みが見えてきた。軍港には珍しく平坦な地形だ。我が大日本帝国海軍の軍港、呉みたいな山に囲まれた地形を想像してたのにな。
フランス、ブルターニュ半島西端ブレスト潜水艦基地。元々フランス海軍の最大の軍港だったのだが、フランスが1カ月足らずでドイツに敗北したためドイツ海軍の基地として使われている。
「はぁ。気が重いです。自分の国の軍港をぶっ壊した国が使うって・・・。現地住民は良く思わないでしょう。睨まれたりするんですかね・・・。」
水上航行中の監視任務で艦橋上部から双眼鏡を覗いていたパウスからか。まぁ。そうなのだが・・・・。
「睨まれようが蔑まれようが、任務をやるしかないんだよ。見えたぞ。現ウィジー・フランス海軍兼ドイツ海軍の軍港・・・。ブレスト。」
この港は、所謂リアス海岸の奥深くにある港だ。沿岸部には、岬をぐるっと囲む様に巨大な壁が張り巡らされている。現在も要塞兼軍港司令部に使われている石造りの巨城、ブレスト城だ。それの周りにキールの時と同じ、Uボート・ブンカ―が建てられてた。そこは鍵十字の旗の下でUボートの整備基地として扱われているのだ。
「おい、そろそろ寄港準備に入れ。荷物をまとめろよ。」
そう命令しながら、俺はブレストの街並みを眺めた。何と美しい海軍港なのだろうか。歴史ある海軍港。あのブレスト城は、ローマ時代からあるらしい。歴史を感じるよな。それから、拡張と塔の増設を繰り返して現在に至るとの事。海軍基地でなけりゃぁ、遊園地か・・・・あるしは歴史遺跡になったのかもな。
「艦長、寄港準備できました。」
「エルンスト、珍しいな。航行中に艦橋に出るなんて。」
「久々に潮風に当たりたい気分なんですよ。」
「そうか・・・・。ブレスト、綺麗だな。」
「そうですね。フランス料理食べたいなぁ。」
「無理。明日には出港だ。とんぼ返りだな。だって、キール出てからまだ一週間だろ。」
「え?!4日じゃないんですか??」
「船乗りあるあるだな。日付の感覚がズレてる。まぁ、あんな暗い船内にいたら当たり前か」
近づくに連れ、ブレストの街並みが見えてきた。軍港には珍しく平坦な地形だ。我が大日本帝国海軍の軍港、呉みたいな山に囲まれた地形を想像してたのにな。