U-Boot ‐海中の狼‐
イギリス軍の目をかいくぐってドーバー海峡を走り抜け、ドーバー海峡の入口・・・・イギリス本土南西で俺達は哨戒を行っていた。
「艦長、無線兵からの報告です。無線を受信しました。」
「パウス、敵の物か?」
「いえ、我が軍のエニグマです。現在解読中。」
エニグマか。ドイツ軍の暗号だな。大体は、自分の位置と生存を定期交信として送れという命令なのだが、出港して一週間経ってないのにそれを求めてくるのはおかしい。何かしらの命令だろうか。
「そうか。解読完了次第、直ちに伝えてくれ。」
「艦長!!」
数分後、一切れの紙を持ってパウスが走ってきた。ゼェゼェ言いながら、その紙を俺に向ける。その紙を受け取ると、そこには無線兵の走り書きで文章が書かれていた。
『[斜体]アメリカからイギリス本土に向かう大規模な輸送船団を無線傍受で発見した。航空機用の燃料、戦闘機、野砲、戦車などの兵器類多数を輸送しているとの事。これを撃滅する為、当該海域に潜伏中のUボートは今日(10月25日)午後十二時には攻撃を開始するべし。健闘を祈る。[/斜体]
[右寄せ]これは、[下線][漢字]カール・デーニッツ[/漢字][ふりがな]海軍総司令官[/ふりがな]の直接命令である。[/下線]』[/右寄せ]
「ハァッ?!本当か・・。」
「本当です。」
「そうか・・・・。カール・デーニッツが危険視する程の船団ねぇ。海の藻屑にしてやる。」
俺は、目の前にある集約された伝声管に向かって、少し息を整えて、ゆっくり、騒音の中の機関兵にも伝わるように話した。
『先ほど、海軍総司令官であるカール・デーニッツ元帥から本艦に直接命令が下った。敵の大規模な輸送船団を撃滅せよとの事だ。海の藻屑と化するのは、我々か・・・・ロイヤルネイビーか、見せてやろうではないか!!死すらも恐れぬ最恐の潜水艦隊の姿を目に焼き付けてやろうではないか!!総員の奮闘に期待している。以上!!各員、ちゃんと睡眠と食事を怠らぬように。』
一応、士気を鼓舞する事は出来たかな?俺達は、そのまま仕事を続行した。
時間は、16時。そろそろ俺は就寝の時間だ。Uボートには、ベットがあるものの、3人に1人の数しかないので、24時間を3等分にし、交代制で使っている。まぁ、緊急時は全員起きなければならず、丸一日寝れない事もあるのだ。
「パウス、少し眠る。その間、艦の指揮を任せたぞ。」
俺は、機材だらけの狭い通路を通り、壁をくり抜いた様に配置された三段ベットの真中の奴に声をかけた。
「おーい・・・・起きろ。時間だぞ。」
「ッッッッ・・・・・・ただいまぁ・・・・・。家は・・・落ち着くなぁ・・・・(寝言)」
良い夢と共に、無防備な寝顔しやがって。コイツは、前方魚雷発射管室の司令のドミニクか。じゃあ・・・少し可哀そうだがそういう起こし方してやる。
「ドミニク、魚雷戦用意!!魚雷装填!!1、2番注水!!」
俺がそう言うと腰を急に上げて、頭を上のベットの底に激突させた。
「ッ・・・痛ってぇ・・・・誰だ?!」
「俺だ。艦長に向かって何だぁその口の利き方は?それより、交代の時間だ。」
「はぁい・・・」
ようやく、這いつくばって出てきた。まだ、アイツの体温の残るベットに倒れこむ。疲れたなぁ。
「艦長、無線兵からの報告です。無線を受信しました。」
「パウス、敵の物か?」
「いえ、我が軍のエニグマです。現在解読中。」
エニグマか。ドイツ軍の暗号だな。大体は、自分の位置と生存を定期交信として送れという命令なのだが、出港して一週間経ってないのにそれを求めてくるのはおかしい。何かしらの命令だろうか。
「そうか。解読完了次第、直ちに伝えてくれ。」
「艦長!!」
数分後、一切れの紙を持ってパウスが走ってきた。ゼェゼェ言いながら、その紙を俺に向ける。その紙を受け取ると、そこには無線兵の走り書きで文章が書かれていた。
『[斜体]アメリカからイギリス本土に向かう大規模な輸送船団を無線傍受で発見した。航空機用の燃料、戦闘機、野砲、戦車などの兵器類多数を輸送しているとの事。これを撃滅する為、当該海域に潜伏中のUボートは今日(10月25日)午後十二時には攻撃を開始するべし。健闘を祈る。[/斜体]
[右寄せ]これは、[下線][漢字]カール・デーニッツ[/漢字][ふりがな]海軍総司令官[/ふりがな]の直接命令である。[/下線]』[/右寄せ]
「ハァッ?!本当か・・。」
「本当です。」
「そうか・・・・。カール・デーニッツが危険視する程の船団ねぇ。海の藻屑にしてやる。」
俺は、目の前にある集約された伝声管に向かって、少し息を整えて、ゆっくり、騒音の中の機関兵にも伝わるように話した。
『先ほど、海軍総司令官であるカール・デーニッツ元帥から本艦に直接命令が下った。敵の大規模な輸送船団を撃滅せよとの事だ。海の藻屑と化するのは、我々か・・・・ロイヤルネイビーか、見せてやろうではないか!!死すらも恐れぬ最恐の潜水艦隊の姿を目に焼き付けてやろうではないか!!総員の奮闘に期待している。以上!!各員、ちゃんと睡眠と食事を怠らぬように。』
一応、士気を鼓舞する事は出来たかな?俺達は、そのまま仕事を続行した。
時間は、16時。そろそろ俺は就寝の時間だ。Uボートには、ベットがあるものの、3人に1人の数しかないので、24時間を3等分にし、交代制で使っている。まぁ、緊急時は全員起きなければならず、丸一日寝れない事もあるのだ。
「パウス、少し眠る。その間、艦の指揮を任せたぞ。」
俺は、機材だらけの狭い通路を通り、壁をくり抜いた様に配置された三段ベットの真中の奴に声をかけた。
「おーい・・・・起きろ。時間だぞ。」
「ッッッッ・・・・・・ただいまぁ・・・・・。家は・・・落ち着くなぁ・・・・(寝言)」
良い夢と共に、無防備な寝顔しやがって。コイツは、前方魚雷発射管室の司令のドミニクか。じゃあ・・・少し可哀そうだがそういう起こし方してやる。
「ドミニク、魚雷戦用意!!魚雷装填!!1、2番注水!!」
俺がそう言うと腰を急に上げて、頭を上のベットの底に激突させた。
「ッ・・・痛ってぇ・・・・誰だ?!」
「俺だ。艦長に向かって何だぁその口の利き方は?それより、交代の時間だ。」
「はぁい・・・」
ようやく、這いつくばって出てきた。まだ、アイツの体温の残るベットに倒れこむ。疲れたなぁ。