U-Boot ‐海中の狼‐
「はぁ・・・。やっぱり、」何時見ても凄いなぁ・・・。このキールは・・。」
鉄筋コンクリート造の巨大な箱の中にいた。『Uボート・ブンカー』と呼ばれる、Uボートを守る為の施設だ。その中には、整備、建造、装備品の補給・・・Uボートを運用する為のあらゆるものが揃っている。
「これが、ドイツ占領下のあらゆるところにも建てられたらしいですよ。」
「パウスか。補給の日程を確認しといてくれ。補給完了は明後日。すぐに出発だ。」
「艦長、休みが欲しいです。」
少し子供っ気が残る顔をしたのが横から急に顔を出してきた。こいつは・・・航海士の
「エルンスト。大日本帝国海軍だと、そんな事を言う奴は精神注入棒でぶったかれてるぞ。」
「何ですか・・・そのたまに会話に出てくる『セイシンチュウニュウボウ』って・・・。」
「ドイツには無いのか?精神のなって無い奴は、太い丸太を削ったバットみたいなので尻を叩かれるんだ。」
2人の顔が真っ青になった。そうか・・・日本を映画ぐらいでしか見てない2人にとっては黒い裏を見せてしまったような物だ。
「ウソウソ。体罰なんて士気の低いUボートでやったらもっと士気落ちるじゃん。でも、俺はそんな所で叩きあげられたんだぞ。」
少しホッとしたようだ。良し。
「休暇もらったらオーバーザルツベルクに行こうか。全員で。まあ、安い宿しか無理だが・・・・」
オーバーザルツベルクとは、ドイツの南端にある、ベルヒテスガーデン・アルプス山脈の一帯の事だ。あの総統閣下が別荘を構えるほどの場所だ。
「本当ですか!!」
「艦・・・長!!本気で働きます!!」
まあ、お財布とにらめっこだな。そんな事情は隠してっと。
「良いぞ。その意気だ。」
「ええっと、補給するのは、G7魚雷2本、食料は、2カ月分、重油は満タン・・・?」
「と言う事は、長期航海ですか・・・・?!」
まぁ、2人が言う通りだ。イギリスの沿岸部で軍艦から輸送船、民間船でも撃沈するのが任務である。まあ、数日で帰れる任務ではないのは確定だ。
「って事は・・・・オーバーザルツベルク行きは、かなり先って事?!」
「そう・・・・だな・・・」
2人から目をそらす。怖い。こいつらの圧力が。
「大体、すぐ行けるとは言ってないぞ。」
「艦長・・・。見限りますよ。いい加減。」
「まぁ、1カ月か2カ月だろ・・・。言う程でも無いと思うが・・。」
今はやや寒い風が吹き、海が荒れる10月である。最悪、クリスマス(俺は、別にキリスト教では無いが・・・。)まで帰れないだろう。だったら・・・。
「あの・・・艦長・・?これ何ですか・・・。補給の要求にシュトレンって・・・・。」
「俺は何もしてない。」
「嘘ですね。嘘をつく時は目をすぐ逸らすんですから。」
「ごめ・・・・」
「まぁ、通しますか。」
「そうだな。」
こうして、奥にある司令部へ並んで歩いたのだった。
鉄筋コンクリート造の巨大な箱の中にいた。『Uボート・ブンカー』と呼ばれる、Uボートを守る為の施設だ。その中には、整備、建造、装備品の補給・・・Uボートを運用する為のあらゆるものが揃っている。
「これが、ドイツ占領下のあらゆるところにも建てられたらしいですよ。」
「パウスか。補給の日程を確認しといてくれ。補給完了は明後日。すぐに出発だ。」
「艦長、休みが欲しいです。」
少し子供っ気が残る顔をしたのが横から急に顔を出してきた。こいつは・・・航海士の
「エルンスト。大日本帝国海軍だと、そんな事を言う奴は精神注入棒でぶったかれてるぞ。」
「何ですか・・・そのたまに会話に出てくる『セイシンチュウニュウボウ』って・・・。」
「ドイツには無いのか?精神のなって無い奴は、太い丸太を削ったバットみたいなので尻を叩かれるんだ。」
2人の顔が真っ青になった。そうか・・・日本を映画ぐらいでしか見てない2人にとっては黒い裏を見せてしまったような物だ。
「ウソウソ。体罰なんて士気の低いUボートでやったらもっと士気落ちるじゃん。でも、俺はそんな所で叩きあげられたんだぞ。」
少しホッとしたようだ。良し。
「休暇もらったらオーバーザルツベルクに行こうか。全員で。まあ、安い宿しか無理だが・・・・」
オーバーザルツベルクとは、ドイツの南端にある、ベルヒテスガーデン・アルプス山脈の一帯の事だ。あの総統閣下が別荘を構えるほどの場所だ。
「本当ですか!!」
「艦・・・長!!本気で働きます!!」
まあ、お財布とにらめっこだな。そんな事情は隠してっと。
「良いぞ。その意気だ。」
「ええっと、補給するのは、G7魚雷2本、食料は、2カ月分、重油は満タン・・・?」
「と言う事は、長期航海ですか・・・・?!」
まぁ、2人が言う通りだ。イギリスの沿岸部で軍艦から輸送船、民間船でも撃沈するのが任務である。まあ、数日で帰れる任務ではないのは確定だ。
「って事は・・・・オーバーザルツベルク行きは、かなり先って事?!」
「そう・・・・だな・・・」
2人から目をそらす。怖い。こいつらの圧力が。
「大体、すぐ行けるとは言ってないぞ。」
「艦長・・・。見限りますよ。いい加減。」
「まぁ、1カ月か2カ月だろ・・・。言う程でも無いと思うが・・。」
今はやや寒い風が吹き、海が荒れる10月である。最悪、クリスマス(俺は、別にキリスト教では無いが・・・。)まで帰れないだろう。だったら・・・。
「あの・・・艦長・・?これ何ですか・・・。補給の要求にシュトレンって・・・・。」
「俺は何もしてない。」
「嘘ですね。嘘をつく時は目をすぐ逸らすんですから。」
「ごめ・・・・」
「まぁ、通しますか。」
「そうだな。」
こうして、奥にある司令部へ並んで歩いたのだった。