U-Boot ‐海中の狼‐
暗い。灯りとして使えたものは、敵を捕らえたソナーの画面と、真っ赤な非常用洋灯(ライト)だけである。
機材がびっしりと詰まった筒のような潜望鏡を覗いた。2時の方向、油槽船。距離、2キロメートル、速力10ノット。
「イギリス籍と思わしき油槽船(タンカー)だ。護衛は・・コルベット二隻のみ。魚雷戦用意!!1番、2番魚雷発射管魚雷装填!!装填次第注水!!」
『G7魚雷装填完了!!』
伝声管から、ボワっとした声が聞こえてきた。
「撃てー!!」
『ビィィィィ!!』という警報音と共に、『ドン』という、重い音が艦内に響いた。
「全速後進!!離れろ!!コルベットが襲ってくるぞ!!」
段々と油槽船が小さく見えてきた。
「目標到達時刻まで、10秒!!」
「8・・・7・・・6・・・・」
時計の秒針を見ながら、潜望鏡も覗く。
「2・・・1・・!」
その瞬間、油槽船が大きく揺れ、水柱が2本立った。舷側に大きな穴が開き、浸水で大きく傾く。真っ黒い油の輪が辺りに広がる。それと共に、辺りにボサっといたコルベットが動き出した。だが、もう遅い。そこに我らの姿は在らず。
「・・・・・・ははは・・・戦闘中に描いた自伝だが、自分で読むと面白いもんだ。」
俺は、片手に小さな手帳を広げて、笑っていた。
「戦闘中によくそんなもの描く余裕ありますね・・・。」
横で双眼鏡を握っている副長のパウスだ。
「お前は、真面目なんだから・・・こんなドイツ本土に敵機なんて来ないよ。」
「でも、この前そんなこと言っていたら・・・・イギリスのランカスターに見つかってひどい目にあいましたよね・・?。」
「死傷者出なかっただけいいだろ。」
「もう、あなたの国の潜水艦と違うんですよ?あっちの「イゴウセンスイカン」でしたっけ。とても大きく、こっちの潜水艦よりも強いとか言ってましたね。」
「まぁ、俺は、伊号潜水艦に乗ってたからな・・・。」
そうだ。伊号潜水艦とは、大日本帝国海軍の潜水艦だ。要するに俺は日本人である。大日本帝国海軍所属の伊174の艦長としていたのだが、大日本帝国海軍とドイツ海軍の間で親睦を深める為に俺が送られた。すぐ帰る予定だった・・・が、ポーランド侵攻により戦争が始まり、帰れなくなってしまった訳であり、結局ドイツ海軍籍となって、現状に至る。
見えた。海の上に浮かぶ巨大なコンクリート施設。くり抜かれた様に長方形の穴が奥まで空いている。ここは、俺達の母港。ドイツ北部の一大軍港、キールだ。
機材がびっしりと詰まった筒のような潜望鏡を覗いた。2時の方向、油槽船。距離、2キロメートル、速力10ノット。
「イギリス籍と思わしき油槽船(タンカー)だ。護衛は・・コルベット二隻のみ。魚雷戦用意!!1番、2番魚雷発射管魚雷装填!!装填次第注水!!」
『G7魚雷装填完了!!』
伝声管から、ボワっとした声が聞こえてきた。
「撃てー!!」
『ビィィィィ!!』という警報音と共に、『ドン』という、重い音が艦内に響いた。
「全速後進!!離れろ!!コルベットが襲ってくるぞ!!」
段々と油槽船が小さく見えてきた。
「目標到達時刻まで、10秒!!」
「8・・・7・・・6・・・・」
時計の秒針を見ながら、潜望鏡も覗く。
「2・・・1・・!」
その瞬間、油槽船が大きく揺れ、水柱が2本立った。舷側に大きな穴が開き、浸水で大きく傾く。真っ黒い油の輪が辺りに広がる。それと共に、辺りにボサっといたコルベットが動き出した。だが、もう遅い。そこに我らの姿は在らず。
「・・・・・・ははは・・・戦闘中に描いた自伝だが、自分で読むと面白いもんだ。」
俺は、片手に小さな手帳を広げて、笑っていた。
「戦闘中によくそんなもの描く余裕ありますね・・・。」
横で双眼鏡を握っている副長のパウスだ。
「お前は、真面目なんだから・・・こんなドイツ本土に敵機なんて来ないよ。」
「でも、この前そんなこと言っていたら・・・・イギリスのランカスターに見つかってひどい目にあいましたよね・・?。」
「死傷者出なかっただけいいだろ。」
「もう、あなたの国の潜水艦と違うんですよ?あっちの「イゴウセンスイカン」でしたっけ。とても大きく、こっちの潜水艦よりも強いとか言ってましたね。」
「まぁ、俺は、伊号潜水艦に乗ってたからな・・・。」
そうだ。伊号潜水艦とは、大日本帝国海軍の潜水艦だ。要するに俺は日本人である。大日本帝国海軍所属の伊174の艦長としていたのだが、大日本帝国海軍とドイツ海軍の間で親睦を深める為に俺が送られた。すぐ帰る予定だった・・・が、ポーランド侵攻により戦争が始まり、帰れなくなってしまった訳であり、結局ドイツ海軍籍となって、現状に至る。
見えた。海の上に浮かぶ巨大なコンクリート施設。くり抜かれた様に長方形の穴が奥まで空いている。ここは、俺達の母港。ドイツ北部の一大軍港、キールだ。