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宮城はミヤギ、異次元の扉

#1


2029年、仙台。夜空に突如現れた「月の切れ端」は、世界を脅かす前触れだった。まるで異次元からの使者のように、煌めきながら空に浮かぶその存在は、誰もがただの天体の一部だと思っていた。しかし、時間が経つにつれ、次第にそれがただの「月」ではないことに気づく者が現れた。

その夜、仙台の街が一変した。地下鉄の駅に向かうタケルは、普段通りの朝だと思っていたが、何かが違う。いつもは聞こえるはずの足音が、妙に響かないのだ。街灯が一つまた一つと消えていき、まるで何かがこの街を包み込むような静けさが広がっていた。

「おい、ヒデ! 何かが起きてる!」タケルはスマホを取り出し、ヒデにメッセージを送った。しかし、送信ボタンを押すと同時に、街全体が突然揺れた。タケルはひょろっとしたビルの壁に手をついて、体勢を整えたが、さらに異変が加速するのを感じた。

その時、タケルは信じられない光景を目の当たりにした。空が歪み、空間そのものが震えていた。そして、空のどこかから、異次元から来たかのようなエネルギー波が地面を揺らしていた。

「これ、何だ…?」タケルは目を凝らしながら呟いた。彼の目の前に、仙台の中心からまるで引き寄せられるように、巨大な氷の塊が浮かび上がった。

その氷、蔵王山の氷が、ただの自然の産物ではなく、未知のエネルギー源であることを、タケルはよく知っていた。だが、何がどうなっているのか、この瞬間、全てが謎に包まれている。彼は思い出す—蔵王の氷には伝説があった。古代の力を封じ込めるための遺物。それが今、何らかの力で目を覚ましたのだ。

急いでタケルは、地元の友人であるヒデとカナに連絡を取る。ヒデは松島の漁師の家系で、カナは仙台市内で事務仕事をしている。ただの友人ではない—彼らは仙台の歴史と文化を深く知っている、いわば「地元の力」を持つ者たちだ。

数時間後、三人は再び蔵王山の麓に集まった。だが、空にはもう月の欠片が異次元のように輝き、地面がひどく揺れていた。ひときわ強いエネルギーが蔵王の氷から放たれ、まるでその力が仙台全体を支配しようとしているかのようだ。

「こりゃ、ただの自然現象じゃねぇ…」ヒデが呟いた。松島で見慣れたはずの海や港、あの牡蠣の養殖場が今や異次元からの波動に影響されて、ひとたび触れると消えてしまいそうなほど不安定になっていた。

タケルはそれを認識した。蔵王の氷—その力は、仙台の全ての力を呼び覚まし、異次元のエネルギーと交錯する力を持っている。そして、この現象を止める方法を彼は理解していた。

「仙台の特産品だ。牡蠣だ、仙台牛だ。東北の力が必要なんだ。」タケルは叫んだ。

「何言ってるんだ、タケル?」カナが不安げに尋ねた。

「このエネルギーを収束させるためには、この地に根付いたもの—東北の力を使うしかない。仙台の特産物、そしてこの地元の力が、今、必要なんだ。」タケルは言葉を続けた。地元の人々が何世代にもわたって育ててきたその力が、この異次元のエネルギーを制御するカギを握っていると確信していた。

急いで、三人は仙台の街に戻る。街角の商店では、地元の漁師たちが牡蠣を持ち寄り、農家が野菜や米を集めていく。彼らの力を一つに合わせて、この異常事態に立ち向かうためだ。

「みんな、集めろ! これが仙台の力だ!」ヒデは叫び、地元の人々がその呼びかけに応じて集まってきた。タケルもカナも、街の広場に集まった人々とともに、牡蠣や仙台牛、さらにはこの地で採れた果物や米、全てを集め、その力を一つに結集させようとした。

すると、空の上で異次元の扉が次第に閉じ始めた。その閉じる音とともに、仙台の街に張り詰めていた緊張感が少しずつ解けていった。

「よし、終わった。」タケルは静かに言った。異次元の波動が収まり、月の欠片も徐々に消えていく。

だが、まだ完全には元の状態に戻ったわけではない。空には微かなひびが残り、地面にも歪みが残った。タケルはそのひびを見つめ、少しだけ安心したように呟いた。

「でも、これが仙台の力だ。今も、これからも。」

そして、彼らの前に、あの老人が再び現れた。「お前らが呼び起こした力を封じ込めた。しかし、あの月の欠片の力は、もう終わったわけではない。」

タケルはその言葉を聞いて、ふと空を見上げた。月の欠片は、まだ完全に消えたわけではなかった。異次元のエネルギーは、少しずつ形を変えて、この世界に根付こうとしている。それを感じ取るタケルの目には、まだ終わらない物語が広がっていた。

作者メッセージ

私はカオスが大好きで、こんな混沌とした世界観を描くのが本当に楽しいです。この物語も、そのカオス感を大切にして仙台を舞台にした異次元的な要素を盛り込みました。楽しんでいただけたら嬉しいです。

実は、少し怖いことがあって。このアカウントが友達にバレそうで、特にお菓子作りが得意な「くま」に見つかるんじゃないかと心配しています。もうすぐバレそうで、本当にドキドキしています。もし見ていたら、どうか内緒にしておいてください…。

月影

2025/04/03 20:34

月影 ID:≫ 5iUgeXQ3Vbsck
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