唐津の小さな野外ステージが、フランシュシュのメンバーで賑わっとった。今日は水野愛の誕生日。リリィが「愛ちゃんの特別な日だから！」と提案して、急遽ミニライブを企画したんやった。ステージ周りは手作りの飾りで彩られ、観客席には地元の人たちがチラホラ集まっとった。
「愛ちゃん、お誕生日おめでとう！ ステージで輝く愛ちゃんが一番やね！」
さくらが唐津弁でニコニコ言うと、愛はマイクを手に持ったまま笑顔で返す。
「さくら、ありがとね。私、こんな誕生日初めてだよ。みんなのおかげで最高のステージになりそう！」
愛の優しい口調に、さくらは「そりゃよかねぇ！」と手を叩いた。
「愛、誕生日だろうが容赦しねぇぞ！ アタシのパフォーマンスで客席沸かせてやるからな！」
サキが喧嘩腰で言うと、愛は「サキ、アンタらしいね。それでこそフランシュシュだよ！」と笑う。
「ったく、愛が主役でもアタシが目立たねぇと気が済まねぇからな！」
サキが革ジャンを翻してステージに立つと、観客から歓声が上がった。
「愛さん、お誕生日おめでとうございます。今日は私も少し頑張って踊りますね…」
純子が遠慮がちに言うと、愛は「純子、ありがとう！ 純子のダンス、私大好きだから楽しみよ」と優しく返す。
「愛さんにそう言っていただけると…頑張れそうです。」
純子が頬を赤らめて準備を始めた。
「愛はんのお誕生日とは、こりゃ華やかでありんすなぁ。わっちも一曲唄うて、盛り上げてあげますゆえ。」
ゆうぎりが扇子を手に優雅にステージに上がると、愛は「ゆうぎり、ありがとう。ゆうぎりの歌声って特別よね」と感激。
「愛はんの笑顔が見られるなら、わっちも唄う甲斐がありんす」とゆうぎりが微笑んだ。
「愛ちゃん、リリィが考えた振り付け、絶対見てね！ 愛ちゃんのために作ったんだから！」
リリィがキラキラした目で言うと、愛は「リリィ、めっちゃ可愛い！ さすが私のこと分かってるわね」と抱きしめた。
「愛ちゃんに喜んでもらえて、リリィ幸せだよ！」
リリィがステージでくるっと回ると、観客が拍手で応えた。
「たえちゃん、マイク食べんでよかね！ 愛ちゃんのライブやけん大事にせんば！」
さくらが慌てて言うけど、たえは「うー」と唸りながらマイクをガジガジ。
「たえ、何やってんだ！？ グラサン、なんとかしろよ！」
サキが叫ぶと、幸太郎がドカッとステージに登場。
「愛、お前の誕生日だぞ！ 俺様が演出で最高のショーにしてやるから感謝しろ！」
サングラスをクイッと上げて、幸太郎が謎のスモークマシンを起動。
「アンタ…やりすぎ！ でも、気持ちは嬉しいわ。」
愛が苦笑いすると、幸太郎は「当然だろ！」と胸を張った。
ライブは大盛り上がりやった。サキが激しいダンスで観客を煽り、純子が緊張しながらも綺麗に踊り、ゆうぎりがしっとり歌い上げ、リリィが可愛い振り付けで会場を和ませた。たえはマイクを放り投げて暴れ回り、さくらが「たえちゃん、やめんね！」と追いかける。
そして愛がセンターで歌うと、観客全員が立ち上がって拍手。
「みんな、ありがとね。私、こんな誕生日が過ごせるなんて思わなかったわ。」
愛の声が唐津の夜空に響き、ステージは温かい拍手と笑い声に包まれた。
「愛ちゃん、来年も一緒にやろうね！」
さくらが言うと、愛は「さくら、約束よ」と笑顔で頷いた。