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もっと、もっとちょうだい!!

#1


夜が深まり、街の灯りが一層鮮やかに光り輝く。私はそんな夜の街を歩きながら、足元のリズムに合わせて軽く踊っている。足音が響くたびに、周囲の世界が自分のペースで回っているような錯覚に陥る。すべてが私を中心に動いている、そんな気がしてならない。

周りの視線が痛いほどに感じるけれど、気にしない。だって、私の存在が周囲を引き寄せる力を持っているから。誰もが目を奪われ、振り返る。私が歩くたび、周りの空気が少しだけ変わるように感じる。

「何かを手に入れるのって、簡単よね。」
そんな風に、心の中で呟いてみる。欲しいものはすぐに手に入るはずだって、そう思い込んでいるから。

歩きながら、私は自分の影とにらめっこしている。最近、どうしても満たされない気持ちがあることに気づいているけれど、それを認めたくない。もっと、もっと欲しい。何かが足りない気がして、心がざわつく。

「誰も私を邪魔できないわ。」
そんなことを考えていると、ふと目の前に気になる人物が現れた。その瞬間、私は自然にその人に向かって歩き出していた。だって、誰もが私に注目しているのに、どうしてその人は私を見ていないのか?

その人の目を引くにはどうしたらいいんだろう?
「ねえ、私を見て。私が一番だって気づいてよ。」
心の中で強く叫ぶが、声に出さずにただその人に近づく。

でも、その人は一向に振り向かない。無関心なその態度が、逆に私をもっと引き寄せる。
「私を、もっと必要として。」
ふと、何かが歪み始める。今まで手に入れたものすべてが、もはや意味を持たなくなってきた。私はもっと、もっと何かを求めるようになった。

「甘いものが食べたい。もっと、もっと甘くて心を満たしてくれるものが欲しい。」
夜空に浮かぶ月を見上げながら、私は思わず呟いてしまう。その瞬間、喉が渇き、胸が痛くなる。どれだけ満たされても、空虚感は消えない。

でも、それが私なんだ。
私は誰よりも輝いていて、誰よりも目立つ存在だと思っている。それなのに、どうしても物足りない。何かが、足りないのだ。

「もっと、もっと欲しい。」
私の中の欲望が次第に大きくなり、心を支配していく。周りがどう思おうと構わない。誰も私に逆らえないのだと信じているから。
「私が一番、可愛いんだから。」
自分に言い聞かせるように、もう一度その言葉を繰り返す。

その時、突然背後から声がした。
「そんなに欲しいのか?」
振り向くと、そこには見覚えのない男が立っていた。彼の目はどこか冷たく、私の顔をじっと見つめている。何も言わずに、私はその視線を受け入れた。こんな時、私は強い意志を持っていることを誇りに思っている。

「欲しいわ、すべて。」
言葉に力を込めて答えると、男は微笑んだ。その微笑みは、どこか含みのあるものだった。
「じゃあ、手に入れてみろ。」
その言葉が、まるで何かの合図のように響き渡った。

私はその言葉の意味をすぐに理解できなかったが、ただ、求めていたものがあることに気づいた。今までの自分を超えて、新しい私になる瞬間。それが訪れようとしていることを、なんとなく感じ取った。

「手に入れてみせるわ。」
私は再び歩き出す。今度は足元がしっかりと地面を踏みしめるように、力強く進んでいった。

街のネオンは、私を祝福するかのように輝いている。空気が少し湿っていても、気にしない。どんなものでも、私が欲しければ手に入る。私が一番だから。

そして、その夜が続いていく。私の歩みに合わせて、街の世界が回り、私が中心にいることを証明するかのように。すべては私のもの、私のために。

「だって、私が一番可愛いんだから。」
心の中でその言葉を繰り返しながら、私は夜を歩き続ける。どこまでも、誰にも逆らわせずに。

作者メッセージ

この物語を読んでいただき、ありがとうございます。正直なところ、私もリリィのように、誰からも注目され、欲しいものはすぐに手に入る存在で生まれたかったと何度も思います。もちろん、現実はそう簡単にはいきませんが、彼女のように自信満々に自分を貫ける姿を描くことで、少しでも心の中でその自由さを感じられたら嬉しいです。リリィが求め続ける「可愛さ」や「一番であること」、その先に待っているものに思いを馳せながら、読んでいただけたなら幸いです。

月影

2025/03/30 21:15

月影 ID:≫ 5iUgeXQ3Vbsck
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