美醜逆転の世界でこの世界の不細工(つまりイケメン)に助けられました
「何をしている」
いきなり響いたその声に、私は大袈裟なほど肩を跳ねさせた。
固まって動けなくなった私の肩に、ぽんと手が置かれる。
それが誰のものかなんて、考えなくとも分かった。
目の前のイケメンは、不満そうに、仕方なく自分の席に座った。
「すまなかった。そんなに怒らないでくれ。未遂だ」
「.........」
私の冷や汗はダラダラだ。
やばいやばいやばい。
だって!すぐに反応できなかったんだもん!!こんなにイケメンなんだよ!?
シャルさんもイケメンだけど、この人はもう別格の美しさ!!
彫刻と勘違いするほどの美しさっていうやつ(一回言ってみたかった)!
...ええと、そうじゃなくて。
後ろにいるシャルさんの圧がすごい。
でもこればっかりは私が悪い。
誰だって、恋人がキスされそうになって、それを拒んでいなかったら、怒るよね。
「閉店時間なんで、お帰りください。本日はどうもありがとうございました」
全く心のこもってない挨拶をするシャルさん。
もはや、帰ってほしいのを隠す気もないよね?
イケメンの彼は、大人しく席を立った。
「分かったよ。今日は帰る。はい、これ、お代ね」
ぽむ、と私の手に置かれたのは、一枚のお札。
ん?0が、1、2、3、4、......10000円!?
「ちょ、ちょっと、お客さん!?待ってください!おつり...!」
今にも帰ろうと、ドアを開きかけたお客さんに、慌てて駆け寄る。
「ん?ああ、おつりはチップだよ。それとも、そこの彼は私に帰ってほしいようだけれど、君は私に帰ってほしくないのかな?」
「えっ!?いや、そそそそういうわけでは!!」
そこまで焦るようなことでもないのに、この人がイケメンすぎて挙動不審になってしまう。
呆れたように苦笑して、彼は今度こそドアを開いた。
「それじゃあね。今日はありがとう」
あっけなくドアは閉まって、真っ赤になった私だけが残された。
...後ろには、恐ろしいオーラを放つシャルさま。
振り向きたくない。
「アカリ」
「シャ......」
何だかいつも通りの声が聞こえて、それにすっかり安心した私が振り向こうとして.....
シャルさんに肩を掴まれ、すごい勢いで壁に押し付けられた。
うっ、痛い...。
「シャルさん、シャルさん、ごめんなさ...んむっ!!」
私の言葉を最後まで聞かずに、シャルさんは唇を押し付けてきた。
驚いて、私は目を白黒させる。
え!?ファ、ファーストキスですよね?これ!!
シャルさんの唇が離れると、すぐに抱き締められた。
か細い声が聞こえる。
「.........捨てんといて」
その言葉にびっくりしてしまう。
もぞもぞと身動きをしようとして、一層強く抱き締められた。
動くことは許されないらしい。
「なあ、アカリ。アカリ、好きや。ずっと一緒におってや」
「......」
「やっぱりもう飽きたん?嫌になったん?」
「......シャ、」
「そうか。やっぱりこんな不細工で貧乏な俺よりも、金も権力も持ってて顔がいい男の方がいいんやな」
シャルさん、腕の力がだんだん強くなってきてます!!痛いよ!
それからちなみに、それさっきのイケメンさんのこと言ってる!?
「シャルさん、シャルさん」
腕は動かせないので、頭をぐりぐりと押しつけてみる。
「すっごく勘違いしてます」
「............何が」
ふて腐れたような声に、くすりと笑ってしまう。
私は、シャルさんが勘違いしていることを、一つずつ挙げていった。
「うーんと、まず、シャルさんはすっごく格好いいです。飽きてもいないし、嫌になってもいないし、むしろ、私が捨てられないか心配です」
「それはありえへん」
即座に否定してくれるシャルさん。
私もそうすればよかったのかな?
「それに、私は、貧乏でも気にしません。まあ、お金はある程度あった方がいいのかもしれないけれど、とりあえず、今のところは、全然不自由してませんから」
「.........」
「ねえ、シャルさん。私きっと、シャルさんが思っているよりも、シャルさんのことが大好きです。とっても格好よくて、とっても優しい人が隣にいるのに、目移りなんてしませんよ」
「.........ホンマに?」
「ホンマに」
前にもこんなやり取りをした気がする。
何だか懐かしい。
私は、少し涙目をしたシャルさんに、軽く、ホントに軽く、キスをした。
びっくりして腕が緩んだシャルさんに、こちらから抱きつく。
「それに、シャルさんのファーストキスを奪った責任をとらないといけないし、シャルさんにもとってもらわないと。ね?」
数秒の後、シャルさんにぎゅーーーっと抱き締められた。
仕方ないなあ、この人は。
いきなり響いたその声に、私は大袈裟なほど肩を跳ねさせた。
固まって動けなくなった私の肩に、ぽんと手が置かれる。
それが誰のものかなんて、考えなくとも分かった。
目の前のイケメンは、不満そうに、仕方なく自分の席に座った。
「すまなかった。そんなに怒らないでくれ。未遂だ」
「.........」
私の冷や汗はダラダラだ。
やばいやばいやばい。
だって!すぐに反応できなかったんだもん!!こんなにイケメンなんだよ!?
シャルさんもイケメンだけど、この人はもう別格の美しさ!!
彫刻と勘違いするほどの美しさっていうやつ(一回言ってみたかった)!
...ええと、そうじゃなくて。
後ろにいるシャルさんの圧がすごい。
でもこればっかりは私が悪い。
誰だって、恋人がキスされそうになって、それを拒んでいなかったら、怒るよね。
「閉店時間なんで、お帰りください。本日はどうもありがとうございました」
全く心のこもってない挨拶をするシャルさん。
もはや、帰ってほしいのを隠す気もないよね?
イケメンの彼は、大人しく席を立った。
「分かったよ。今日は帰る。はい、これ、お代ね」
ぽむ、と私の手に置かれたのは、一枚のお札。
ん?0が、1、2、3、4、......10000円!?
「ちょ、ちょっと、お客さん!?待ってください!おつり...!」
今にも帰ろうと、ドアを開きかけたお客さんに、慌てて駆け寄る。
「ん?ああ、おつりはチップだよ。それとも、そこの彼は私に帰ってほしいようだけれど、君は私に帰ってほしくないのかな?」
「えっ!?いや、そそそそういうわけでは!!」
そこまで焦るようなことでもないのに、この人がイケメンすぎて挙動不審になってしまう。
呆れたように苦笑して、彼は今度こそドアを開いた。
「それじゃあね。今日はありがとう」
あっけなくドアは閉まって、真っ赤になった私だけが残された。
...後ろには、恐ろしいオーラを放つシャルさま。
振り向きたくない。
「アカリ」
「シャ......」
何だかいつも通りの声が聞こえて、それにすっかり安心した私が振り向こうとして.....
シャルさんに肩を掴まれ、すごい勢いで壁に押し付けられた。
うっ、痛い...。
「シャルさん、シャルさん、ごめんなさ...んむっ!!」
私の言葉を最後まで聞かずに、シャルさんは唇を押し付けてきた。
驚いて、私は目を白黒させる。
え!?ファ、ファーストキスですよね?これ!!
シャルさんの唇が離れると、すぐに抱き締められた。
か細い声が聞こえる。
「.........捨てんといて」
その言葉にびっくりしてしまう。
もぞもぞと身動きをしようとして、一層強く抱き締められた。
動くことは許されないらしい。
「なあ、アカリ。アカリ、好きや。ずっと一緒におってや」
「......」
「やっぱりもう飽きたん?嫌になったん?」
「......シャ、」
「そうか。やっぱりこんな不細工で貧乏な俺よりも、金も権力も持ってて顔がいい男の方がいいんやな」
シャルさん、腕の力がだんだん強くなってきてます!!痛いよ!
それからちなみに、それさっきのイケメンさんのこと言ってる!?
「シャルさん、シャルさん」
腕は動かせないので、頭をぐりぐりと押しつけてみる。
「すっごく勘違いしてます」
「............何が」
ふて腐れたような声に、くすりと笑ってしまう。
私は、シャルさんが勘違いしていることを、一つずつ挙げていった。
「うーんと、まず、シャルさんはすっごく格好いいです。飽きてもいないし、嫌になってもいないし、むしろ、私が捨てられないか心配です」
「それはありえへん」
即座に否定してくれるシャルさん。
私もそうすればよかったのかな?
「それに、私は、貧乏でも気にしません。まあ、お金はある程度あった方がいいのかもしれないけれど、とりあえず、今のところは、全然不自由してませんから」
「.........」
「ねえ、シャルさん。私きっと、シャルさんが思っているよりも、シャルさんのことが大好きです。とっても格好よくて、とっても優しい人が隣にいるのに、目移りなんてしませんよ」
「.........ホンマに?」
「ホンマに」
前にもこんなやり取りをした気がする。
何だか懐かしい。
私は、少し涙目をしたシャルさんに、軽く、ホントに軽く、キスをした。
びっくりして腕が緩んだシャルさんに、こちらから抱きつく。
「それに、シャルさんのファーストキスを奪った責任をとらないといけないし、シャルさんにもとってもらわないと。ね?」
数秒の後、シャルさんにぎゅーーーっと抱き締められた。
仕方ないなあ、この人は。