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美醜逆転の世界でこの世界の不細工(つまりイケメン)に助けられました

#14

誰?

私たちは数秒の間、固まっていた。
シャルさんが小さくため息を吐いて、のろのろと扉に向かう。
扉は開けずに、シャルさんはドア越しに声をかけた。

「すみません、あいにく今は休憩中なんです」
「え、そうなのかい?残念だな」

そんな返事が返ってきたが、シャルさんは扉の前から動かない。
しばらく考えるそぶりを見せた後、シャルさんは腰を少しかがめてドアスコープを覗いた。

「!!」

シャルさんの顔色が変わる。

誰が来ているの?何が起こっているの?
私は不安な気持ちを抱えながら、じっとシャルさんを見つめた。

するとシャルさんがこちらを見て、自分の額を叩いた。

私は理解する。
ああ、そっか。仮面が欲しいんだ。

二人きりのときは、シャルさんは仮面を着けずに過ごしてくれる。
ティーは、さすがに仮面がないとシャルさんを直視できないみたいだから、仮面をはずすのは本当に二人きりのときだけなんだけど。

本当に不思議だ。
私にとってはあんなにかっこよく見えるのに。

そういえばシャルさんに、私の美的感覚を伝えたことってあったっけ?
また今度伝えてみようかな。

それはそれとして、とりあえず仮面を取ってシャルさんに近づく。
仮面を受けとると、シャルさんは私に離れておけと言う。


あ、シャルさんが外に出た。
うーん、何がどうなっているのか全然分からない。
気になるけど...離れておけって言われたしなあ。

私も外に出るかどうか悩んでいると、いつの間にかシャルさんは話を終えて店に戻ってきていた。


「何かあったんですか?」
「いや、何でもない。気にせんでええで」


......これは聞いても教えてくれなさそうだ。
しょうがない、話題を変えよう。


「あの、シャルさん」
「ん?」
「わ、私...たぶん」


ああ、何だかドキドキしてきた。
ずっとシャルさんのことイケメンだと思ってたなんて言ったら、どんな反応をされるだろう?
まず信じてもらえるかな。
平然とされる?照れる?それとも引かれちゃうかな...



「他の人と美的感覚が違うんです。だから、私にとってシャルさんは本当に格好よく見えるんです」



「.....................え?」


たっぷりと間が空いた後、シャルさんは呆然と呟いた。
その顔は真っ青だ。

予想しいていなかった反応をされて、私まで戸惑ってしまう。


「シャ、シャルさん?私......」
「ただいまー」

ガランガラン、とドアのベルの音がした。
ティーが帰ってきてしまった。
ああ、タイミングが悪い.........。



結局、もやもやしたまま、夕方の営業が始まってしまった。

作者メッセージ

昔書いた話を見ると、恥ずかしくて仕方がない...。
またいつか書き直したいです。

2025/07/10 06:15

まっちゃん ID:≫ 9tLeB9AxJiZq2
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