[太字]ホモサピエンス[/太字]

本当の自分を愛そう　偽の自分なんて居ないんだから
どの自分も　どの本当も　全部私だから
私は私を生きよう

その本には「自分」という名が刻まれて
私の体がブワッと膨らんだみたいに
本のページをめくるといろんな自分が映し出されていた
楽しく笑う自分　目を輝かせる自分　悲しく暗い表情の自分
どれもこれも前と今と後の自分で有るらしい
こんなに自分という自分が居るという自覚ができた
でも心地がいいとは言えなかった

本当の自分を愛そう　偽の自分なんて居ないんだからさ
どの自分も　どの本当も　全部僕だから
地獄に堕ちないように天国に羽ばたく様に
僕は僕を生きる

君の額には「自分？」という字が刻まれていて
君は泣いてしまいそうな顔をしながら
額にキスをするといろんな君が映し出されて
誰かと笑い合っている君　目を輝かせてこちらを見つめている君　泣き崩れている君
どれもこれも昔と現代と未来の君らしい
こんなに君という存在に気づけた
でも心から嬉しいとは思えなかった

どの自分も本当の自分って決めつけられるほど偉くも無いけど
でも映された私と貴方は　雪が降る冬に手を繋いで
今が一番幸せとでも言うような表情をしていて
でも　でも
自分じゃなくなるのが怖くて　いろんな私を偽り創り
でもそれも本当の自分と言えるの？
違うでしょう　それはただの人　他人で
冷めた様子の僕は本当の僕を信じて待って　探して回って
でも見つかることはなくて　いつしか煇の方へ行くと本当の自分と出逢えて

本当の自分に気づけましたか？　偽の自分は投げましたか？
今の自分はどの自分よりも全部私だから
決して死のうなんて思わないで
私は私を生きるから　貴方も貴方を生きてみて