「男が男を好きになるなんて、おかしいよ」

小学校五年生の頃、四年間想いを寄せていた男子に告白をした。

未知の生物を見るような目を向けられた。
冗談だよね、って笑われた。

ああ、この世界で僕の恋は認められないんだ──



「はぁ……またあの時の夢……」
あの時吐かれた言葉はあの子が思う以上に僕の心に刺さっていた。
そう、十年経った今日も夢に見るくらいは。

僕は女の子に恋愛感情が抱けない。
男の子に恋愛感情を抱いてしまう体質。


女の子に生まれて堂々と男の子に恋をしたかった。

今の自分が生きて良い場所がほしい。

自分を受け入れてくれる人が、いればいいのに。