夕暮れの教室

この季節にはちょうどいい爽やかな風が私達の間をすり抜けていく

『、え』

告げられたのは

その時だった

ーーーーーーーー

『いや、、別に私、自殺願望ないよ？』

飛ぶ、、という言葉、、、聞いた瞬間には理解できなかった

「いーえ、きっとあるはずです」

『無いって』

「ほんとうに？」

そう問われると、少し、

「人生に、友達に、自分にも、飽き飽きしていたんでしょう？」

「そろそろかなー、、って思いまして」

机によりかかり、顔を傾けながらそう言われる

『そんなこと、』

無いはずなんだ、合ってはいけない、そうなんだ

「ありますよ、絶対に」

さっきから感じる冷たい視線

心の奥底まで見透かされそうな爽やかなグリーンの目

『私は、、そう思っていない、大丈夫』

そうやってまた、小さな嘘を積み重ねていく

「まるで、、、自殺願望がある人を、普通じゃない、、、みたいに言いますね」

また、まただ、心を読まれている

だって、

『（そう思ってしまうのだから）』

「僕は、今まで死、衰え、みたいなのが無いんですよ」

「何年前に生まれたのか、何年から生きているのか」

「きっと、資料を探したら名前ぐらいは出てくるでしょう」

「でもね、僕は、、、誰の記憶にも残らないまま」

「ひっそりと忘れられていくんです」

「ねぇ、貴方は僕のこと、覚えてくれますか？」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー