日に日に第一王子ルイ・ジョセフが弱っていく、アントワネットは母親、マリア・テレジアを亡くし、立ち直れてきた、そのくらいに起きた出来事＿＿
「ジョセフ！ジョセフ！苦しくない？平気？ああ、ジョセフ、なんでも言ってお母様がなんとかしてみせるから、ね、ジョセフ」「ママンレーヌ？来てくれたの？嬉しい。僕は平気だよ」「そ、そうなら良かった。お母様は今から議会に行ってきますから、何かあればすぐノアイユ夫人方に言ってくださいね」「はいママンレーヌ」
（なぜ、王太子が弱っているのに、議会なんて開くの？議員たちに人の心はないの？）アントワネットは心の中でそう思っていた＿＿＿
フランス革命は日に日に近づく、王太子の死への時間とともに
「お兄様、元気？」「ああ、シャルル、もうそろそろ君が、この国をつぐんだ、ママンレーヌたちの話を聞くんだよ」「？うん」「っ⁉ジョセフ、そんなこと言わないで、お母様たちはお庭へ行ってきますからね、」「外へ行くの？じゃあ僕も行きたい」「いけません！貴方は病気なんですから、」「嫌だ！嫌だ！外へ出るんだ！僕も外へ連れてって！」「仕方ないですわね、1回だけですからね。」「ありがとう。ママンレーヌ」
そして、1789年6月4日
「ジョセフ！ジョセフ！お願いよ起きてちょうだい！お母様を置いて逝くの？ジョセフ、ジョセフ！」「王妃様、議会のお時間です」「まぁっ！一国の王子が亡くなったのですよ、子供が亡くなったんですよ！なのにどうして、貴方たちに人の心はないの！」
ルイジョセフモンセニュール、まだ10にも満たないまま7歳で死去

※モンセニュール＝フランス語で殿下、閣下。