カオスTheアニマルZoo
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街の外れ、薄暗い道を抜けた先に、その施設はあった。看板に書かれた文字は、どこか不気味に光っている。それは「カオスTheアニマルZoo」――世界でも稀な存在を集めた動物園の名だった。 一般的な動物園のように、柵で囲まれた動物たちが展示されているわけではない。むしろ、訪れた者がその施設に足を踏み入れるたび、未知の生物や異世界の存在と遭遇することになる。カオスTheアニマルZooにいる動物たちは、ただの動物ではなく、時に人々の記憶を引き裂き、空間を歪ませる存在だった。 ある日、学生のアキラは友達に勧められてこの場所を訪れることにした。長い間、都会の喧騒から離れた場所に存在するその動物園に、アキラは興味を持ち始めたのだ。だが、彼は決してその場所に足を踏み入れて後悔することになるとは思っていなかった。 「この辺りだよ、カオスTheアニマル動物園。」友人が指さす先に、少し錆びた鉄製のゲートが見える。照明もほとんどなく、周りは静寂に包まれていた。 アキラは不安げにそのゲートに近づく。すると、ゲートの横に立つ老人が、にこりと笑いながら声をかけてきた。 「ようこそ、カオスTheアニマルZooへ。君も興味があるのか?」 その声には、どこか威圧感があった。アキラは一瞬、立ち止まるが、友人の背中を見て歩き始めた。 ゲートが開き、異世界に足を踏み入れたような感覚に包まれる。まるで時間が歪んでいるかのような、奇妙な空気が漂っている。 「カオスTheアニマルZoo」では、普通の動物たちと違って、動物たちそれぞれが不思議な力を持っている。入園者はそれを体験し、感じ取ることができるが、同時にその力に引き寄せられ、気づけば戻れない場所に迷い込んでしまうこともあるのだ。 アキラが最初に目にしたのは、巨大な黒い熊だった。その熊はまるで岩のように静かに座っていたが、目を合わせた瞬間、アキラの心に突如として恐怖が襲い掛かる。 「これが…カオスグリズリー。」老人の声が響いた。「その目を見た者は、自分の過去の中で最も恐ろしい記憶に出会うことになる。目を合わせた瞬間、恐怖がリアルに蘇るんだ。」 アキラはその目を離せなかった。だが、必死に目を逸らし、体を引き寄せようとした。しかし、恐怖が彼を束縛し、動けなくなった。その時、隣にいた友人がアキラの肩を叩き、何とかその場から引き離した。 「行こう、早く…」友人は息を切らしながら、アキラを引っ張った。 次に案内されたのは、輝くように美しい鳥だった。しかし、その羽根は金色でも青色でもなく、透明に近い光を放っていた。 「これが、ミラージュ・バード。」老人が続ける。「その羽根に触れた者は、未来の自分を見ることができる。ただし、どんな未来が見えるかは分からない。」 アキラはその美しい鳥に近づき、羽根に手を伸ばす。瞬間、目の前が一瞬で未来の光景に包まれ、彼の目の前には数年後の自分が見えた。しかし、そこには何か奇妙な違和感が漂っていた。それは、ただの未来ではなく、運命を選んだ結果として現れるものだった。 「すごい…でも、これは…」 鳥の羽根に触れた瞬間、アキラは何かを知ってしまった。恐ろしいことに、その未来は彼自身が知らなければならなかった運命だった。だが、それを知った後に後悔はすでに遅い。 その後も、アキラと友人は奇妙な動物たちを目にし続けた。だが、次第にその施設の秘密に気づき始める。 ここで出会う動物たちは、ただの展示物ではない。それぞれが深い秘密を持ち、訪れた者を試す存在だった。そして、その試練を乗り越えた者には、新たな力が授けられるというのだ。しかし、その力を得ることができるのは、ほんの一握りの者だけだった。 アキラは、その場を後にすることに決めた。だが、もはやカオスTheアニマルZooの謎と、彼の心に刻まれた記憶は消えることはなかった。あの場所に再び足を運べば、彼はきっと、別の選択をしてしまうことだろう――それは、新たなカオスを迎え入れることを意味していた。 --- こうして、「カオスTheアニマルZoo」は、訪れる者に異世界の力を与える場所であり、謎と危険が潜んだ場所として伝説となるのです。
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