聞こえなくなった声を辿って【our fantasy】
天楼「ただいまー」
えっ、めっちゃいい匂い。楽にぃ珍しく料理してんの?
天楼「…て、あぁ、そういやお前らいたっけ。慣れねーな」
えりか「お帰りなさい、天楼さん」
日ノ丸「ん。お帰り」
「おー」と軽く返事しながら、自分の部屋に向かう。
ベッドに乱暴に荷物を投げて、着替え始める。
天楼「はぁ………」
天楼「この服着て戦い始めて、もう何年経つかなあ」
かっこよく改造したうちの制服。
さすがにそれで学校行くわけにはいかないから、学校用は別で新しいのを買ってもらった。
楽にぃには迷惑かけたけど、私の美学のために仕方ない。
天楼「私は絶対、父さんの意志を継いでやるんだ」
天楼「法とか、ルールとか、どうでもいい」
天楼「[太字]私が憧れたのは、己の正義を護るあのヒーローなんだから[/太字]」
ちょうど部屋着になったところで下から私を呼ぶ声がしたので、返事して降りていくことにした。
[水平線]
えりか視点
楽座「おー帰ってきたら飯があるー!やっぱりえりかいると便利だなぁ~~」
真人「えりかさんはあんたの道具か」
えりか「私ができるのはこのぐらいですよ。冷めちゃう前に食べましょう」
[中央寄せ]「「「「「「いただきまーす!」」」」」」[/中央寄せ]
今日のご飯はオムライスです。
ケチャップもきっと音無さんにとっては初めてでしょうから、すっぱすぎないか心配ですけれど…
音無「…おいしい!」
…あぁ、大丈夫そうですね。よかった。
楽座「…なぁ音無、聞いてもええ?」
音無「…なぁに?」
楽座「あんさんを狙ってるやつ、「貴重」とか言うてたけど…
なんか心当たりっつーか、「これっぽいなー」みたいなことってないん?」
天楼「あぁ、そういや私、あんたのことほとんどなんも知らねーや。
えりかとか日ノ丸とか私以上に知らんやつもいるし、話せるだけでいいから話してくれない?」
音無「……うーん」
楽座「無理はせんくってええからな。ほんと、言えないんだったら素直に言ってくれ。」
その言葉のちょっと後に、スプーンを静かに置いて、音無さんは話し始めた。
音無「…私、なんでここにいるのか…」
音無「どうして、この世界にいるのか…」
音無「あまりよく、わかってなくて」
音無「気が付いたら、光に飲み込まれて…」
音無「あいつらのいる、組織に来てたことしかわからない」
えりか「光に…?」
音無「でも、なんであいつらが私を狙うのか、もしかしたらっていうのがちょっとわかるよ」
音無「…私、私ね」
音無「[太字]精霊さんとお話ができるの[/太字]」
日ノ丸「精霊と話ができる…?そもそも、精霊って何だ?」
音無「水とか炎とか、いろんなものの力のみなもとだよ。私、みんなが見えるし、話せるの」
真人「…それは随分稀有な能力だな、もしかしなくてもそれは関与していそうだ」
音無「みんな、精霊さんたちを道具としか見てなかったから、…私、あいつらのこと、嫌いだった」
楽座「戦ってみたけど性格終わってたしなあ」
音無「…ごめんなさい、私、ここまでが限界なの。…ほんとに、全然何もわからなくて…」
楽座「大丈夫!よぉ話してくれたな、偉いぞ」
ぽんぽんと頭をなでられて、ほっとしたようにまたご飯を食べ始める。
えりか「じゃあ…フレアさんたちはその能力を狙っているのでしょうか」
真人「だろうな」
楽座「いろいろ規模がでかそうな話やったし、相手が強敵なんは間違いなさそやな」
私たちはしばらく話しながら、夕飯を食べ終えた。
[水平線]
楽座視点
音無「~♪」
楽座「何しよるん?」
机に向かってなにか描いている。珍しいなぁ。
音無「今日のおむらいす?がおいしかったから。絵に描いておこうとおもって」
楽座「おー!絵日記やな!ええやんええやん、な、お兄さんも描いてええ?」
音無「うん!」
クレヨンなんて何時ぶりに持っただろう。
黄色の線がスケッチブックを滑っていく。
____ああ、俺はそういえば、だれかとこんな風に絵を描くこともなかった。
……音無には、
俺のできなかったこと、たくさんやらせてやりたい。
俺が欲しかった言葉、たくさんかけてやりたい。
描かれるオムライスの絵と、楽しそうな音無の顔を見て、俺はそんなことを考えていた。
えっ、めっちゃいい匂い。楽にぃ珍しく料理してんの?
天楼「…て、あぁ、そういやお前らいたっけ。慣れねーな」
えりか「お帰りなさい、天楼さん」
日ノ丸「ん。お帰り」
「おー」と軽く返事しながら、自分の部屋に向かう。
ベッドに乱暴に荷物を投げて、着替え始める。
天楼「はぁ………」
天楼「この服着て戦い始めて、もう何年経つかなあ」
かっこよく改造したうちの制服。
さすがにそれで学校行くわけにはいかないから、学校用は別で新しいのを買ってもらった。
楽にぃには迷惑かけたけど、私の美学のために仕方ない。
天楼「私は絶対、父さんの意志を継いでやるんだ」
天楼「法とか、ルールとか、どうでもいい」
天楼「[太字]私が憧れたのは、己の正義を護るあのヒーローなんだから[/太字]」
ちょうど部屋着になったところで下から私を呼ぶ声がしたので、返事して降りていくことにした。
[水平線]
えりか視点
楽座「おー帰ってきたら飯があるー!やっぱりえりかいると便利だなぁ~~」
真人「えりかさんはあんたの道具か」
えりか「私ができるのはこのぐらいですよ。冷めちゃう前に食べましょう」
[中央寄せ]「「「「「「いただきまーす!」」」」」」[/中央寄せ]
今日のご飯はオムライスです。
ケチャップもきっと音無さんにとっては初めてでしょうから、すっぱすぎないか心配ですけれど…
音無「…おいしい!」
…あぁ、大丈夫そうですね。よかった。
楽座「…なぁ音無、聞いてもええ?」
音無「…なぁに?」
楽座「あんさんを狙ってるやつ、「貴重」とか言うてたけど…
なんか心当たりっつーか、「これっぽいなー」みたいなことってないん?」
天楼「あぁ、そういや私、あんたのことほとんどなんも知らねーや。
えりかとか日ノ丸とか私以上に知らんやつもいるし、話せるだけでいいから話してくれない?」
音無「……うーん」
楽座「無理はせんくってええからな。ほんと、言えないんだったら素直に言ってくれ。」
その言葉のちょっと後に、スプーンを静かに置いて、音無さんは話し始めた。
音無「…私、なんでここにいるのか…」
音無「どうして、この世界にいるのか…」
音無「あまりよく、わかってなくて」
音無「気が付いたら、光に飲み込まれて…」
音無「あいつらのいる、組織に来てたことしかわからない」
えりか「光に…?」
音無「でも、なんであいつらが私を狙うのか、もしかしたらっていうのがちょっとわかるよ」
音無「…私、私ね」
音無「[太字]精霊さんとお話ができるの[/太字]」
日ノ丸「精霊と話ができる…?そもそも、精霊って何だ?」
音無「水とか炎とか、いろんなものの力のみなもとだよ。私、みんなが見えるし、話せるの」
真人「…それは随分稀有な能力だな、もしかしなくてもそれは関与していそうだ」
音無「みんな、精霊さんたちを道具としか見てなかったから、…私、あいつらのこと、嫌いだった」
楽座「戦ってみたけど性格終わってたしなあ」
音無「…ごめんなさい、私、ここまでが限界なの。…ほんとに、全然何もわからなくて…」
楽座「大丈夫!よぉ話してくれたな、偉いぞ」
ぽんぽんと頭をなでられて、ほっとしたようにまたご飯を食べ始める。
えりか「じゃあ…フレアさんたちはその能力を狙っているのでしょうか」
真人「だろうな」
楽座「いろいろ規模がでかそうな話やったし、相手が強敵なんは間違いなさそやな」
私たちはしばらく話しながら、夕飯を食べ終えた。
[水平線]
楽座視点
音無「~♪」
楽座「何しよるん?」
机に向かってなにか描いている。珍しいなぁ。
音無「今日のおむらいす?がおいしかったから。絵に描いておこうとおもって」
楽座「おー!絵日記やな!ええやんええやん、な、お兄さんも描いてええ?」
音無「うん!」
クレヨンなんて何時ぶりに持っただろう。
黄色の線がスケッチブックを滑っていく。
____ああ、俺はそういえば、だれかとこんな風に絵を描くこともなかった。
……音無には、
俺のできなかったこと、たくさんやらせてやりたい。
俺が欲しかった言葉、たくさんかけてやりたい。
描かれるオムライスの絵と、楽しそうな音無の顔を見て、俺はそんなことを考えていた。